1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

「出産しても同じ仕事がしたかった」社内初の育休取得。仕事との向き合い方はどう変わった?(後編)

OTONA SALONE / 2022年3月10日 17時35分

毎日のルーティンを取材した前編に続き、後編もSATORI株式会社のCMOである高橋美絵さんにインタビュー。社内で初の育休取得をしたという高橋さん。お子さんを持つようになって、当然一変した生活。仕事はどうやって切り盛りしてるのか、気になるワークハックに直撃しました。

 

 

●PROFILE

高橋美絵(たかはし・みえ)さん

現在の肩書き:事業本部 本部長 兼 CMO

業務内容:新規獲得から顧客支援までの事業部門を統括。業務の半分は社内メンバーとの打ち合わせ。他にも採用面接や外部の協業会社とのプロダクト連携など。

年齢:39歳

家族構成:夫、娘(4歳)の3人家族

出身地:北海道札幌市

これまでのキャリア:マーケティング支援会社に勤務。そののち、外資系メール配信システムベンダーにてマーケティング職に従事。

※年齢は2022年3月時点のものです。

 

会社では初めての産休・育休取得者に。壁はなかった?

編:「SATORIは創立7年目の比較的若い会社ですよね。高橋さんがはじめての産休・育休取得者とうかがいました。スタートアップ企業ってそういった制度取得するのがハードルが高いイメージもありますが、御社はそんなことはない?」

高:「私が入社したのが創立1年目の時でしたが、当初女性で結婚されている方もまだ1名という本当に若い会社でした。中でも社長(男性)は当時まだお子さんも小さかったのですが、育児参加に超積極的! 16時とかにはお迎えだって言って帰っちゃう感じだったんです(笑)。

私は入社半年くらいで妊娠が発覚したのですが、社長はシンプルに喜んでくださいましたね。それでも妊娠中は日付変わるくらいまで働いたり、コロナ前だったので出張もけっこうしていました。

周囲は私の妊娠に関して、感情的にはウェルカムではあったのですが、若い会社ゆえ前例も制度も何もなかったんです。なので、自分で他社の事例や法律的な制度とかを調べて管理部に伝えたりしてました。正直私も妊娠するまでどういう規則や法律があるのか、全く知りませんでしたし。これって当事者にならないとなかなか知識としてないですよね」

現オフィスへの移転時、お客様や取引先を招いたパーティーにてオフィスツアーを担当。

 

編:「すると、産休・育休後の復職も高橋さんがはじめて?」

高:「そうですね。復職する際は社長もよかれと思って、役職を降りるのもありじゃないか?と進言してくれました。でも自分自身は以前と同じポジションに復職したく、希望を通していただいた形です。

ただ、復職してみて思ったのは”自分の目の届く範囲がせまくなったな”ということ。娘が6か月くらいのときに復職したのですが、その間にも会社は成長し規模も大きくなっていてある意味私がいなくても仕事はまわるようになっていた。それだけ関わる人も増えたということですね。そして、私自身も以前より仕事にかけられる時間が少なくなった。大きくいうとこの2つが理由です。

でも、逆にこれって自然なことだなとも思ったんです。なので、そこからどんどん部下や他のメンバーに権限移譲するようになりました。自分じゃすべては当然見切れないから、いろんな人の力を借りる。私よりもしかしたら適材かもしれないから、そこは信じて任せて自分は責任だけとる、そういうスタイルにしてから、抱えていたモヤモヤも周囲との連携もうまくいくようになった気がします」

 

”人に任せる”ことにリスクはつきものだけど…

編:「『なかなか人に任せられない…』という管理職の方の声も聞きますが…」

高:「それもすごくわかります。正直何もトラブルがないといったらウソになりますが、とにかくそこはコミュニケーションを頻繁にとることで、乗り切るのがうちのスタイルです。私の直下の部下はいわゆる部長さんなんですが4名います。各自と毎週1時間、私含めた5名で毎週2時間はミーティングを行い、それに加えて他部署も含めた毎日の30分のミーティングも行っています。特にアジェンダが明確でなくても話す時間を作るようにしていて、そうすると実は隠れていた問題を相談できたり、自分でも気づいてなかった課題が浮き彫りになったりするんです。これはコロナより以前からやっていたことで、会話をたくさんするというのはSATORIにしみついてる慣習みたいなものかもしれません」

 

次ページ▶▶▶家事・育児を具体的にどう切り盛りしてる?

採用面接のときに意外と多いアレの質問

編:「高橋さんの産休・育休⇒復職が会社内で与えた影響ってどんなことがあると思われますか?」

高:「社内のロールモデルとしてもそうですが、社外に対してもいい影響はあった気がします。私は採用面接なども行うのですが、その際”家庭との両立どうされてますか?”とか、”育児に対してどういう理解がありますか?”などの質問はけっこう多いです。なので、私は答えられる限り自分の経験談をお話させていただいてます。そういこともあってか、今はけっこう子育て中の方も入社してくださったりしていますよ。男性の育休も最近2名ほどとられてる方がいました」

 

できないものはとにかく手放す!掃除はプロに任せるのもアリ!

編:「ちなみに、どうしても忙しくて仕事も家事・育児もまわらない!というときの必殺お助けアイテムってありますか?」

高:「もう、掃除は手放しちゃいます(笑)。SATORIでは福利厚生で月2回ほど、家事サービスに頼んだ際の補助が出るんです! なので、水回りとかはもうプロに任せちゃったりします。

特にコロナではじめての緊急事態宣言が出たとき。全国の働くお母さんが焦ったと思うのですがうちの娘の保育園も休園になりました。そのときはさすがにベビーシッターにお願いしましたね。

あとは日々1人だけで集中する時間がとれないので、インプットが足りないなーってずっと思っています。先日娘が奇跡的に1人で寝てくれたことがあってその時は夜中に読みたかった本を読めたのですが、その日限りでした…。なので、今の私の課題はそこですかね。

また、夫との予定の共有に『プリゼロ』というアプリを活用しています。ToDoリストと保育園などでもらってくるプリントの共有もできるアプリです。以前は、保育園のお迎えをどうしても変わってほしいときとかにいちいち夫にお伺いをたててましたが、だんだん『なんで私ばっかり聞かなきゃいけないんだ(怒)!』となって、とりあえずこのアプリに勝手に自分の予定を書き込む今のスタイルにシフトしたんです(笑)」

夫は、伝統的な大手企業の人事部。出社率も高く、ハードワークとのこと。

副業やパラレルキャリアに関してはどう考える?

編:「今盛んに言われてる、副業とかパラレルキャリアにご興味はありますか?」

高:「今のところは、SATORIを成長させたくて、そこに全力を注いでますね。ただ、一方で職責があがると、今までふれたことのない分野の知識も必要だなという実感もあって。例えばバックオフィスに関する知識や、企業法や商法、契約書の読み方などなど。なので、働きながらここ2~3年間でいくつか資格も取得したんです。スクラム関連の資格やビジネス実務法務検定…etc。コーチングの資格も半年間勉強してとりました。」

編:「すごい、バイタリティ!!尊敬しかないです…。その資格はいずれ何か具体的に役立てようという感じですか?」

高:「いや、一番は現在の自分の業務を行うのに必要で、あくまでスキルアップの一環です。一部会社が負担もしてくれますしね。未来を考えると…できれば、10年後も今のポジションにいたいなとは思うのですが、会社の進化が早いので求められる人材も変化するかもしれません。私のポジションには別の方が適任だってなるかもしれない。

一方である程度やってきたからこそ、転職してもそこそこできる気もしてます。私たちの世代って就職氷河期で、自分ももれなく1社目・2社目の会社がいろんな意味で大変だったんですね。だからこそ仕事が面白いって思えてることが素晴らしいなって今改めて思うんです」

CS HACKというカスタマーサクセス領域のコミュニティが主催するイベントでは、SATORIのカスタマーサクセスの取り組みを発表。

 

編:「改めておうかがいしますが、高橋さんがそこまで頑張れるモチベーションって何ですか?」

高:「たぶん自分が成長して役割がどんどん変化していって、知らなかったことを知れたとか、できなかったことができるようになった、とかそういうことが自分の一番のモチベーションなんだと思います。仕事と家庭のバランスを考えて生きるというより、すべてに全力投球でありたい。結局わがままなんだと思います(笑)」

編:「ありがとうございました。バイタリティあふれる髙橋さんに触発される読者も多いと思います!」

 

まとめ

働き方は人それぞれですが、仕事もプライベートも100%にしたい!という高橋さんの”人に任せる”という選択は、実は周囲の一緒に働く人にとっても育成される土壌になってるんだなと実感しました。確かに任せてくれて、責任だけとってくれるって信頼できるいい上司のお手本かもしれません。

 

 

≪OTONA SALONE編集長 時田紗耶香さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください