ウクライナ侵攻、12歳の目にうつる沖縄との「これだけの類似」
OTONA SALONE / 2022年3月13日 12時10分
オトナサローネ編集部井一です。ロシア、ウクライナ両国に友人がいるため、日々血の凍る思いでフィード画面を眺めています。
私が住むエリアには「平和と命の教育」に力を入れる一貫校があります。在学生のママからお話を聞いたところ、「子どもたちの間でもこの戦争のことはかなり『正確に』話題にされている」そう。「学校関係なく、他の学校の子も普通に戦争の話をしているよ」とのこと。
そうですよね。子どもだってテレビのニュースを一緒に見ているわけですから、いま起きていることを子どもなりに受け止めています。不安に思う気持ちを学校で友人と分かち合っているのですね。
そんな一人である小学校6年生女子に「いま思うこと」を聞きました。
言うまでもなく、戦争は得るものが何もない
私たちは今年の10月、修学旅行として沖縄に学習旅行に行きました。
沖縄では証言者の方々からお話を聞きました。地上戦のこと、女学生の強制労働のこと、強制集団死のこと。自決という言い方は自分の意思があったことになるので、いまは使いません。
実際に壕の中に入りました。真っ暗な闇の中で何千人もの人を看護していた話。水が飲みたいという兵隊さんのために水を汲みに行き、届けたら兵隊さんは死んでいた話。周りで爆発音がしてはみんなが死んでいく話。いろいろな話を聞きました。
戦争って、勝った国も負けた国も、なにも残るものがありません。失われるもののほうが多い。
何の関係のない、罪のない人たちも巻き込まれて死んでいきます。偉い人の野望のために国民が犠牲になり、ひとりひとりの夢や希望が一瞬でつぶされてしまう。おかしなことだと思います。
「戦争は悲惨である」このシンプルな記憶が語り継がれていない
沖縄の基地のことも学習しました。こんなにひどいことがあったにも関わらず、いまだに戦争につながる基地があります。
いまのロシアも戦争の悲惨さを知っているはずなのに、もう一回起こそうとしているのはどういうことなんだろう。私は、悲惨さを語る人が少なくなっていくのが原因の一つだと思います。
私たちが沖縄で聞いた証言も、実際にその場にいた人は一人で、ほかは娘さんや友人の話でした。年月がたち、体験者が世を去り、戦争は悲惨だという当たり前の記憶がどんどん忘れられていると感じました。
沖縄の記憶、そして「守るという名目で攻めた」日本の記憶
金曜日、先生が新聞を持ってきてくれて、みんなで戦争の話をしました。やっぱり昔とつながっているねっていう話になりました。
今回、ロシアって、守る名目で攻めたじゃないですか。それは日本が昔、満州でやった方法と似ているね。昔と考えていることが同じだね、人間って進化していないねという話になりました。
過去から学ぶことがとても大事だと思います。失敗から成功が生まれるので、過去という大事な教材から学ばないとなりません。ロシアはなにを学んだんだろう。
どんな考え方を持っていてもいい。お互いそれを認め合うことが大事
ドイツ人からユダヤ迫害の話を聞きました。人間はどんな考えを持ってもいいんだから、さまざまな考え方を認め合うことが大事だなと思いました。ロシアとウクライナ、どちらの考え方がダメということはない。認め合うことが大事で、認め合う方法を学んでいくべきです。また、学んだ人はその内容をたくさんの人に向けて語るべきです。
ウクライナの小さな子どもが、戦争はいやだと言っている映像を見ました。偉い人たちは戦争の現場に向かわず、指示を出すだけです。小さい子に武器を向ける兵士の気持ちを考えたら、そんなことは無理なことだし、指示する人が思っているほど簡単なことではない。人の心を強制的に従わせ、戦わせることは、とてつもなく恐ろしいことです。
一日も早くこの侵攻が止まるように願っています。
(談話を収録)
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