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顔で選んだ元カレがストーカーに豹変…次に選んだ男性は意外にも?【40代、50代の性のリアル】#24後編

OTONA SALONE / 2022年3月24日 22時1分

面食いを自認し、マッチングアプリでの出会いも顔を重視していたチカコさん。けれど現在おつき合いしているリョウタさんの外見は特に目立つものではなく、イケメンと言われたこともない。

 

それでも彼にメッセージを送ろうとチカコさんが思ったきっかけは、数々の写真だった。

 

「ジョギング中の写真をアップしていたんですね。私も走るのが趣味で、マラソン大会の出場経験もあります。これは、話が合うだろうと思ったんです。それから彼は独身で実家住まい、ご両親とネコと暮らしているんですが、そのネコちゃん、私が子どものときに飼っていたのとそっくり! 思わず見間違えるほどでした」

 

●顔は好みでないけれど、一緒にいて楽しい人

メッセージのやり取りを経て、食事にいくことにした。チカコさんはお酒が好きで、友人らともよく飲みにいく。リョウタさんは下戸だった。しかしそんなことがまったく気にならないほど、彼との会話に夢中になった。暇さえあれば読書しているというだけあって、話題も豊富な男性だった。

 

お酒を飲めなくても、顔が好きでなくても、楽しいと思えた。また会いたいと思った。純粋な気持ちだったが、「顔が好き」と会うようになったマサルさんとの関係が当時こじれていたのも、無関係だったとはいえない。

 

リョウタさんとの交際がスタートしても、マサルさんとの関係はつづいていた。チカコさんとしては彼の性格も考慮したうえで慎重に別れるタイミングをうかがっていたのだが、傍目には「二股をかけている」ことになる。

 

●恐怖の一夜、「浮気」LINEを見られた!

「私の誕生日を祝ってくれた夜、ホテルでスマホを見られ、リョウタさんとのやり取りをぜんぶ読まれてしまいました。その前から彼は私の浮気を疑っていたので、やっぱり、と思ったそうですね。『俺の目の前で、この男に電話して別れると言え』と命令されました」

 

そのときのチカコさんの恐怖はいかばかりだったろう。原因はともあれ、怒りを沸騰させている男性とホテルでふたりきりという状況下では、まず身体的な危害を加えられるのではないかという心配がある。チカコさんはできるだけ穏便な対応でこの場を切り抜けようとした。

 

深夜だったので、リョウタさんにLINEで別れを告げた。すぐ既読になったけど、それ以上のメッセージを送ることはできなかった。そして朝までなんとかマサルさんの機嫌を取り、なだめようとした。

 

●顔が好きなあまり、彼の短所を見て見ぬふりしていた

「それまでも運転の仕方を見てキレやすい人だなと思っていたので、本当に怖くて謝り倒しました。でもそうしながらも、私が気にしていたのはリョウタさんのこと。早く彼に連絡してこの状況を説明したい、あなたと別れたくないと自分から言わなきゃと、気が気じゃなかったです」

 

彼の目を盗んで、友人に連絡をとった。「朝になったら、私に電話して」と頼めたおかげで、午前のうちに「妹から、母の具合が悪くなったと連絡があった」と嘘をついて、やっとリョウタさんと離れることができ、帰宅した。

 

●ストーカー化する彼、ほとぼりが冷めるまで待つしかない?

マサルさんは、さらにチカコさんに執着した。チカコさんの過去の言動から浮気の証拠を探る、数分おきに着信やLINEが来る、自宅近くにまで来た形跡もあった。友人に相談したところ、防犯ブザーを常備するよう言われた。連絡先をすべてブロックし、ほとぼりが冷めるのを待った。

 

身の回りからマサルさんの影がなくなるまで、数カ月かかった。もともと社内での異動を控えているとは聞いていた。仕事の環境が変わって多忙になり、自分への執着が薄れたのだろうとチカコさんは見ている。

 

彼の外見に夢中になるあまり、交際前に性格や価値観をあまり気にしていなかった自分を反省した。

 

●女性経験が少ない男性でも、気持ちいいセックスはできる

現在は、リョウタさんと穏やかな交際がつづいている。

 

「彼はまったく女性慣れしていなんですよ。男性ばかりの職場で女性と縁遠く、30代後半ぐらいまでは周囲から言われるままにお見合いもしたそうですが、30人の女性と会って誰ともご縁がなかったみたい。スナックに行ってお店の女性と話したり、風俗店に行ったりはしていたみたいですけど」

 

女性経験が少ない=セックスが下手、というわけではない。チカコさんは彼とのセックスで、ひさしぶりに濡れた。元夫とのセックスでは気持ちが入らず乾いたままだった、マサルさんのときは濡れる暇もなく挿れられた。

 

●週末ごとのデート、穏やかな大人の関係

「リョウタさんのことを好きというのも当然、理由のひとつですが、彼とのあいだではコミュニケーションが成り立っていると感じるのが大きいです。こちらがしたいこと、求めていることを考えながらしてくれる。それだけで、いいセックスになると思うんです」

 

季節ごとの花を見に行ったり、話題のスポットにも出かけたりするのが好きでアクティブなチカコさんは、週末ごとに「あそこに行こう」「今週末はここ」とリョウタさんに提案する。

 

●この年齢ではじめて行くところ、はじめて見る風景

「彼、どこに行くのも『はじめてなんだ』って言うんですよね。近場の観光地にも、小学校の遠足以来行ったことがないっていうんです」

 

日本では、独り身の男性の”居場所”がない。女性は年齢と問わず友人同士と連れ立って出かけるが、男性は人間関係が仕事を通じたものに限定されがちで、休日を共に過ごしたり旅行したりすることはあまりない。おまけに、男性がひとりで歩いているだけで不審な目を向けられることもある。

 

●お互いに出会って、人生の階段を1ステップのぼった

「たしかに、そういう面はありそうです。私はアメリカ人男性との結婚が長かったのですが、独身男性もバーベキューやホームパーティに誘われるので、仕事以外の人間関係ができるし、ひとりで過ごすことがあまりないように見えました。日本人男性には、そうした人とつながる場がないですもんね」

 

リョウタさんには、チカコさんと出会ってはじめて見えた風景がある。チカコさんも彼と一緒にいることで、これまで顔重視で男性たちと出会ったときとは違う価値観を得ている。お互いに影響し合って自分をアップデートできる素敵な関係なのだろう。

 

 

 

 

≪フリー編集&ライター 三浦ゆえさんの他の記事をチェック!≫

 

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