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「ご承知おきください」は上から過ぎ!ちょうどいいメールの丁寧語って?(後編)

OTONA SALONE / 2022年5月6日 20時31分

「ご承知おきください」の上手な言い換え方について。

「ご承知おきください」は配慮も要求する

さて、この「ご承知おきください」ですが相手に「承知」を強要していると考えると、とてもわかりやすいと思います。一見「ください」もついていますし、丁寧な言葉のように感じますが、言い換えれば「承知しておいてくださいね」と言っているようなものです。つまり、相手に「配慮」も強要しているのです。

 

先ほどの会議の例で言うと、
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご承知おきください」
は、大げさに書くと、
「こんな理由で、仕方なく会議の時間を変更せざるを得ない状況なの。事情を理解して、私たちに配慮してね」
このような感じになるでしょうか。

 

あまり気にしない人もいるかもしれませんが、気にする人がいる可能性が少しでもあるのであれば、使わない方が無難です。

 

「了解いただきたい」ときのメールの表現2つ

「ご承知おき」には2種類の使い方があります。先ほどの、会議の例のように、その場で「こうなったことを理解してほしい」という場合と「すでにご存知かと思いますが」のニュアンスで使う場合です。前者は「ご承知おきください」とは使わずに、理解と協力を求める文に変えた方がいいでしょう。

 

改善前
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご承知おきください」

改善後
「以上の理由によりやむなく変更といたします。ご迷惑をおかけしますことを、お詫び申し上げます」

または

「以上の理由によりやむなく変更といたします。どうかお含み置きください」

のように「含み置く」を代わりに使っても良いでしょう。「承知」は謙譲語ですが「含み置く」はその意味はありませんので、相手に使っても失礼にあたりません。

 

「すでにご存知かと思いますが」のニュアンスで使う後者の場合は、次のようになります。

 

「皆様におかれましては、すでにご承知おきのことと存じますが」

このような場合は「承知おき」は使えます。それでも他の言葉に置き換えた方が無難です。

「皆様におかれましては、すでにご存知のことと察しますが」

 

以上のように「ご承知おきください」は、相手に対し「知っておいてほしい」と伝えるだけでなく、「配慮してください」という意味まで添えてしまいます。目上の人には失礼にあたります。
他の言葉に置き換えたり、そもそも伝えていなかったことをお詫びしたり、そのような対策をしっかりとりましょう。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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