更年期ってあとどのくらい続くんでしょう？そろそろ生理が止まるのかな？【100人の更年期#61】後編

【100人の更年期#61】

ミキさん／50歳。夫と二人暮らし。30代に大病を患い長く運動をしていなかったため、40歳からエアロビクスなどの運動を開始。健康に自信がついてきた矢先におきた体の変化を更年期だと認識するのには、かなり時間がかかったそう。

 

49歳、不順だった生理が整った。ここで「ようやく」更年期と気づく

「朝のめまいが始まる前は、午前中の運動でめまいが起きることはありませんでした。でも、運動再開後は、午前中でもめまいが起きるようになってしまって……」

 

前屈や回転をするだけでクラクラし、吐き気に襲われるため、エアロビクスを途中棄権することもしばしば。何度も棄権するとインストラクターや他の参加者に迷惑がかかるため、調子が悪い日はなるべく参加しないようにしました。しかし、快調な日でも突然めまいが起きるように。

 

ミキさんがめまいと付き合うようになって1年位経った49歳の頃、今度は生理に変化が起きます。「整ってしまった」のです。

 

「初潮時からずっと生理不順が当たり前だったのに、この頃から、きっちり周期通りに生理がくるようになりました。さらにその後、周期が短くなりました」

 

この辺りでミキさんはようやく「これはもしや閉経前のグランドフィナーレ？」と気づき始めます。そして初めて、いま起きている体の変化と更年期が結びついているかも……と思うようになりました。

 

「私の場合、ホットフラッシュや発汗など、更年期の症状としてよく聞く項目がなく、めまいと生理の変化ぐらいだったため、自分が更年期なのだと勘付くのに時間がかかりました。後から思えば、病院のドクターもめまいの診察時に『年齢的に起きやすい時期ではある』といった感じの話をしていた気がします」

 

そんなミキさんにとどめを刺したのが、左顔面にあらわれた帯状疱疹。これでミキさんは「やっぱり更年期かな」との思いを深めたそうです。

 

「帯状疱疹は過度のストレスに起因することがあると聞きます。思い当たることがあったので、更年期とは関係ないのかもしれませんが、更年期で体調が変化しているのだとしたら、ストレスと更年期のタイミングが合ってしまったのかもしれません」

 

50歳。以前から「更年期になったら周囲に公言しよう」と決めていた！

しかしミキさんは、これらの体調変化が更年期に由来するものだと悟った瞬間から、落ち込むのではなく、逆に気分がとても楽になったといいます。

 

「だって、しょうがないですもん。女ですから」

 

以前から更年期になったら周りに公言しようと決めていたミキさん。このころから自分のSNSでも積極的に「更年期の経過」を発信するようになったそうです。

 

「更年期って、私たちが若い頃は、恥ずかしいこと、人に言えない秘密、みたいな感覚があったと思うんです。そんな時代に、ある女優さんが更年期を公表して話題になったことがありました。『自分が更年期だと伝えることで、周りも自分も楽になる』という内容のコメントを出していて、なるほどその通りだと思いました」

 

隠すから自分も辛いし、周りもどう対応していいか分からず、ただ心配する。でも、これが更年期なのだと分かっていれば、気持ちの整理や対応の選択ができます。

 

「もちろん、公言だけが正解ではなく、言う、言わないは人それぞれ。また、更年期を理由に周囲に甘えてばかりではいけないと思います。また、辛さも人それぞれでしょう。私は更年期向けの市販薬で症状を抑えられる程度なので、ちょっと能天気なのかもしれません」

 

更年期っていつ終わるんだろう。出血がないけれど、いつ閉経するのかな？

そんなミキさん、この話をしている最中も、生理の悩みを抱えていました。

 

「更年期って、いつ終わるんですかね。実は、くるはずの今月の生理が、まだきていないんです。初日予定日に生理時のような下腹部の痛みと眠気はありましたが、肝心な出血がないんです。もしや、閉経した？」

 

後日、予定より2日遅れて始まったとミキさんから連絡がありました。これも、閉経前のサインのひとつかも、と話すミキさん。

 

「更年期は生理と同じで、恥ずかしいものじゃない。生きてきた、頑張ってきた証だと思って終わるまで付き合っていきます」

 

 

 

≪ライター・薬事法管理者 力武亜矢さんの他の記事をチェック！≫