更年期最大の悩み「食べてるものは同じなのになぜか太る」をどうすればいい?【Dr.新見の更年期あかるい相談室】#5
OTONA SALONE / 2022年6月11日 21時0分
青年期、壮年期などと同じような時期の呼び方として、女性の閉経の前後5年を更年期と呼びます。
日本人の閉経の平均は50歳のため、45~55歳は更年期にあたる人が多数。この時期に女性ホルモンの分泌が急激に減少するため、更年期障害と呼ばれる状態に至る人もいます。
乳がんのセカンドオピニオンを中心に診察する医師の新見正則先生は、丁寧に私たちの訴えに耳を傾けながら、「だいじょうぶ!更年期は絶対終わるから!」と太鼓判を押してくれる力強い味方。そんな新見先生に「医師に聞いていいのか迷うこと」をまとめて聞くシリーズです。
【Dr.新見の更年期あかるい相談室】#5
Q・何をしても適正体重に戻りません!どうしたらいいのでしょうか?
先生、はじめまして。私の悩みはまずホットフラッシュです。食後に汗が止まりません。出勤後、手先の血流が悪すぎるせいか静脈認証でPCにログインできないことに焦りはじめると、また汗が止まらなくなります。
過多月経も酷く、2日目に塊が多数でます。一度塊が出始めると出し切るまで大変なことになり、夜用ナプキンが重くなるほどの塊が出ます。1時間で3回交換するのはザラ。6回交換した時はあまりの量の多さに驚きその足で婦人科行きましたが「血液検査でヘモグロビンが12mgあるから異常はない!」と言い切られて治療には至りませんでした。
また、 手足の痺れと軽い動悸、感情不安定もありますが、これらはぼちぼち様子見で何とかなってます。
いちばんの悩みは、代謝が落ちて、何をしても体重が落ちないことです。どうしたら適正体重に戻せるのか知りたいです。ちなみに最近プロテインを摂るようになったら感情コントロールが楽になってきました。タンパク質が満たされると甘いものの過食が減り、シュガーハイもなくなりました。 甘いもの、炭水化物が減ると苛々することが減りましたし、夫や娘に理不尽に怒鳴り散らし追い詰めることが激減していると思います。
(なっちさん・45歳 更年期症状の度合い/とてもつらく、耐え難いと感じることがある)
A・太るのは、食べてるからです!(笑)
確かに更年期の頃には代謝が落ちる、身体が脂肪を蓄えて代謝でエストロゲンを作りだそうとするなど、「この時期に太る」原因はいくつか言われています。
ですが、根本的な原因は「食べているから」、これは確実なことです。
太ってしまったと嘆くみなさんにぼくが頑張ってほしいことはたった一つです。
「空腹を実感して、それを味わい、楽しむ」時間を持つこと。
ぼくは更年期世代の女性に「フェムレジ」の向上を目指しましょうとお伝えしています。減っていく女性ホルモンと身体の折り合いをつけ、飛行機を無事に軟着地させるのが更年期です。この着陸に必要なのがレジリエンス、「フェムレジ」です。
更年期に体重が増える女性には、甘いものに対するレジリエンスが低い人が多い。思い切って空腹を意識して楽しむ日を作ってください。空腹は我慢ができない、耐えられないという認識があるでしょうが、まず「空腹はどのような状態か」感じる日を作ってください。たとえば、土日は夜1食だけにしてみるなど。
お腹がすいている状態を維持できてはじめて「やせる」
たぶんね、なっちさんって、いい人でしょ。こういう人って低血糖になる同僚のために机にいろんなおやつを入れて、わけてあげてるんですよね。でもね、やせるためにはこまめな補給をしてはいけないんです。
お腹がグーっと鳴ってからやっと身体は「痩せる」回路に入ります。だからそこで食べちゃダメ。お腹がすいてから脂肪が燃えはじめるんです。ですから、更年期以降は「時間がきたから食べる」習慣は見直していいと思う。朝昼晩おやつと規則正しく全部食べなくていい。会議が入ったら昼を抜く、夜が忙しかったら夜も抜く。1日1食でイケる人は1食にしてみたらいいんです。
というのも、お腹がすぐすいちゃう人は脂肪が燃やせない人なんですね。筋肉を燃やしちゃってる。ぼくはトライアスロンという、走りながら食事を補給するような過酷なスポーツが趣味なので自分の身体を使った知見があるのですが、そもそも運動がダイエットにいいのは「普通運動中は食べたくても食べられないから」です。運動って空腹を愉しむ行為です。食べることから気をそらせます。運動がいやならばお腹がすくたびお風呂に入っても、2日くらい寝ても、気をそらしてください。
いろいろなものを、カロリーを確認しながら食べてみてください
「同じものを食べてるのに太るわ~」というのは「加齢なので当たり前」です。代謝は低下します。体温の高い若者と、身体が冷えた女性では燃やしているストーブが違うんだから、食べる量を減らすか、運動をするかです。ちなみに、いろいろなものを食べるのも大事です。ぼくは女性は毎日同じものを食べ続けているとメタボりやすいと感じています。
でも、運動でカロリー消費するのは大変。30分ランニングしても230kcalしか消費されません。食べ物のカロリーを意識するのは近道ですから、コンビニで食べ物を買うようにして、裏を見てカロリーをチェックしてください。また、定期的に体重計に乗って、体重変動も把握してください。日々1㎏くらいの変動は当たり前なので、週1回2回程度決まったタイミングで計ってください。数字を把握することは人生のコントロールに案外大切です。
お話/新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。
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