「チームワーク?苦手です」転職した元TVディレクターが気づいたたった一つの「大切なこと」とは
OTONA SALONE / 2022年6月22日 11時0分
「チームの和を乱してはいけない」「人と違う意見は言ってはいけない」そんな風に言われて育ってきた私たちの世代。しかしここにきてにわかに「民主的チーム形成」とでもいうべき「チームビルディング」が脚光を浴びるようになりました。
元NHKのドキュメンタリー番組ディレクターで、サイボウズを経て現在はベンチャー企業で取締役を務める三木佳世子さんも、「チーム」について頭を悩ませながら、転職・出産・育児・息子さんの小学校受験などを経験してきたひとり。チームの概念は仕事だけにとどまらず、家事、家族、地域活動やママ友にも関わると痛感しているそうです。
「いまなお試行錯誤し続けている」というチームのことについて語っていただく連載です。1回目は三木さんの「これまで」の紹介から。
「チームワーク」目指すところは「一糸乱れぬ集団」ではなかったんだ!
こんにちは、今回から連載を始める三木佳世子です。アラフォーな昭和生まれの私はご多分にもれず、「女は控えめであれ」だの、「協調性がない」だの、常々言われながら成長をしてきました。なので、どちらかというとチームワーク恐怖症。集まることが大好きな女性たちを敬遠してきた私は、チームで何かをやることに苦手意識がありました。でも、それって今思えばチームワークの誤解。完全に間違った捉え方をしていたんですね。
チームワークとは本来、共通の目標に向かって複数人で力を合わせて何かを実行していくこと。「右向け右!」といった均一性を求める集団というわけではないんです。D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)が叫ばれる昨今、ようやく、多様であることが当たり前とされ、違いがある人たちが共に手を携え進むための、チームビルディングの必要性が認識されるようになりましたよね。
改めて、そんな私の経歴を紹介させてください。現在39歳、小1の息子と、理系研究者の夫と3人で暮らしています。
大学卒業後、NHKに報道番組のディレクターとして就職し、NHKスペシャル、クローズアップ現代、おはよう日本などのドキュメンタリー・報道番組を100本以上制作してきました。
その後、出産し時短で復職。仕事と育児の両立に悩み、代替可能な仕事をせざるをえないことに悩み、母親になったことで悩むワーママたちと「ワーママ解放プロジェクト」という物騒なネーミングの朝活コミュニティを立ち上げたりした中で、色々と思うところあり、定年まで勤め上げると信じて疑わなかったNHKを退職。100人いれば100通りの働き方で有名な、IT企業のサイボウズへ転職。現在は東京・水道橋にある創業5年の思いっ切りベンチャーな株式会社LITAというPR会社で取締役を務めています。
私自身、時代の変化とともに、中高の部活、大学のサークル、ディレクター時代、結婚生活における夫婦というチーム運営手探り期、「チームワークとはなんぞや?」から学び直したサイボウズ会社員時代、バリバリベンチャー企業の役員としての今、「チーム」という形の無いものへの人一倍の憧れと模索、そしてPDCAを高速回転で回し続けてきました。結果的に、記憶の底に押し込めた失敗の数は星の数ほど…。
どんどん異業種へ挑戦して、企業の規模は小さく、安定度は低く(笑)破天荒なキャリアを歩む私ですが、そんな中でも間違いなく「今が一番楽しい!」と胸をはって言える毎日を過ごしています。実は、「今が楽しい」と思えるようになった理由が、自分なりの模索を経て手にした”チームビルディングスキル”によるものな気がするのです。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
無人島で一人きりで生きていかない限り、「他者と共に何かをすること」「チームを作ること」は、避けては通れないことだと思います。それならば、どうせなら楽しく面白く、チームの力で自分以上の何かを成し遂げ笑って生きていきましょう!
この連載では、そもそも「チームって何なの!?」というところから、会社におけるチーム、家庭におけるチーム、地域におけるチームなど、様々な場面で人と人が力を合わせて上手くやっていくために必要な創意工夫を、私の失敗談と共にお伝えしていけたらと思っています。
連載第一回目、私が大事にしている言葉(アフリカのことわざ)を共有します。
「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」
(If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.)
チームだからこそ到達出来る場所がある。ここから始まる悲喜こもごものぶっちゃけ話が、読者の皆さんのほんの少しでも何かプラスになれば、これ以上に嬉しいことはありません。
もともと集団行動が苦手な私。チームワークを身につけるまでに経験した失敗は
「チームワークは苦手だなぁ」という漠然とした自己認識は、私が小学生の頃にはもう生まれていました。
元々一人っ子で、本を読んだり空想の世界で遊ぶことが好きだった私は、小学生にあがるまでろくに友達と一緒に遊ぶという経験をせずにきました。(幼稚園の昼休みも、一人で黙々と鉄棒に向かい逆上がりの練習に励んでいました。その目標設定、何故…笑)
結果、小学校にあがって急に集団行動が必要になり、班ごとで動く遠足や校外学習の際に、ものの見事に私は同級生たちから総スカンを食らったのでした。
今思えば、何でも自分の思い通りになると思って生きてきたからでしょう。友達の意見は聞かない。自分の意見だけ大きな声で押し付ける。人と一緒に何かをする時に必要な振る舞いが何一つできていなかったのだと思います。(めっちゃ嫌なヤツですね!!)
今では、そんな私が曲がりなりにもチームを率いて会社を動かす取締役として仕事をし、共働きで忙しい日々を夫とワンチームで役割分担しながら運営できるまでに経験した、失敗を振り返っていきたいと思います。
≪株式会社LITA 取締役 三木佳世子さんの他の記事をチェック!≫
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