クラスでも浮いていた私が 「チーム作りの本質」を掴むまでに経験した学生時代2つの失敗
OTONA SALONE / 2022年6月22日 11時1分
コロナ禍で対面でのつながりが減った近年、逆にオンラインでますますつながりやすくなっていると感じることが多々あります。今はベンチャー企業で取締役として、社員をまとめて「チームワークが得意!」と胸を張って言える三木さんですが、実は子どもの頃は全く協調性がなかったそうで……?
失敗1:お小遣いを使い果たして大失敗した「プレゼント作戦」
小学校で「クラスの女子たちの仲間に入れてほしい」と思った私が取った行動は、本当にお恥ずかしいのだけれど、お小遣いで当時流行っていたキャラクターの消しゴムを大量に買い込み、クラスの女子たちに配るというもの。カツアゲされたわけじゃないけれど、自分から貢ぎ物を持っていくあたり、今思い返しても恥ずかしく情けない気持ちでいっぱいになります。そんな貢ぎ物をしたところで、仲間に入れてもらえることはなく、私はどんどんクラスの中で小さくしょぼくれていきました。
国立の附属小学校に通っていた私は、そのまま内部進学で中学へ。小学校時代の私を知っている人ばかりの環境では、中学から一気に印象を変えることもできません。忘れもしないバレンタインデー。中学で好きになった男の子に、意を決して告白するも「嬉しいけど……お前と付き合うと印象悪くなるから」という理由でフラれ……小学校時代からの自分の印象の悪さが、恋愛も左右するということに衝撃を受けました。周りの評価や見え方って大事なんだなということに気づいた、初めての体験だったのです。
失敗2:「主将になれる」と思っていた自信が打ち砕かれた中学時代
そんな中でも中学にあがって唯一良かったことが、部活動がはじまったこと。小さい頃からバレエを習っていたこともあり、選んだ部活は「ダンス部」でした。ダンスは自分一人で踊るダンスではなく、基本は群舞。仲間と呼吸を合わせ、同じ動きをしたり、違う動きをしたり。しかも、創作ダンスだったので、みんなで意見を出し合い振りを考えたり、音楽を選び、衣装を考え作り…と、ここで初めてチームでの活動を体験していきました。
得意ではなかったけれど、少しずつ、みんなで一緒に何かをするって楽しいなと思い始めたころ、三役を決める、という会議がありました。主将・副将・会計・マネージャーという役を決める会議で、私は主将に立候補!
しかし、見事に選んではもらえませんでした。今でも覚えている先輩からの一言は「かよに主将は任せられない」。自分で言うのもなんですが、ダンスが「うまいか下手か」で言ったら「うまい方」という自負はあり、大会の選抜メンバーにも選ばれていたのに。部をまとめる主将という役割は、ダンスのうまさではなく、チームビルディングの力があるかどうかで見られていたんです。
「え?何で?私の方が上手いのに!」ひねくれた私は、当時選ばれた主将たちの言うことを聞かず、足を引っ張る最悪なチームメンバーとして、場を荒らしながらも一つの問いを胸に抱きます。
「チームをまとめるって、何なんだろう?」
当時、答えを求めたのが歴史小説でした。特に、司馬遼太郎さんの「項羽と劉邦」は鮮烈な印象となりました。四面楚歌で有名な項羽の話、皆さんはご存じでしょうか?
簡単に言うと、自分一人で何でもやろうとする優秀な項羽と、凡庸で特に秀でたところがないにも関わらず周りにどんどん優秀な人が集まり助けてもらえる劉邦。結果として、優秀な項羽が凡庸な劉邦に負けるという話です。
その頃の私は、完全に項羽タイプ。自分が出来るという自信と、出来ない人への共感はゼロ。「なんでできないの!?」とイライラしては、「いい!私がやるから!」と仕事を奪っていっていました。だから、この本を読んだときには衝撃で。「え?優秀なだけじゃダメなの!?」とガーンとしたのを覚えています。
その後、高校でもダンス部に入った私は、雪辱を果たし、主将になることができました。主将になってからは、常に、周りの人に慕われ助けてもらった劉邦を思い描き、自分ではない周りの人の長所を生かしてもらうこと、自分一人がやるのではなくみんなでやろうとすることを意識するようになりました。その結果、ダンス未経験で入部した後輩たちも全員舞台にあげるという方針で全国大会に出場し、ダンス部として初めての入賞を果たしました。
全国大会に出る学校のほとんどが、経験者だけで固めてきている中、未経験でダンスがまだまだ苦手という後輩たちを引き連れて舞台にあがり入賞できた!という経験は私の大事な成功体験になっています。
チームは「お互いの関係」でできていた。忘れられない原体験です
この二つの失敗から私が学んだのは、人望はプレゼントでは買えないし、優秀なだけでは周りはついてこないということ。沢山の人たちをまとめてチームとしての勝ちを掴むためには、むしろ、自分の苦手や弱さを認めて、周りの人たちを巻き込んだ方が良いということでした。どうやったら周りの人を巻き込めるの?については、また次回以降の記事にて紐解いていきたいと思います。
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