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もしも更年期のせいと思い込んだままだったら、私は50歳まで生きられなかったかも【100人の更年期#72】後編

OTONA SALONE / 2022年7月12日 21時1分

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

ユミさん 47歳

夫と18歳の子どもとの三人暮らし。46歳で乳がんになり右乳房を全摘出。2週間後から仕事復帰するも、健康的な生活をおくるため47歳で退職。

【100人の更年期#72】後編

乳頭から出血!?46歳ではじめて知った、「乳房の診察は婦人科ではできない」

子宮筋腫だとわかってから約1カ月後。ユミさん、今度は右の乳頭から出血するようになりました。朝起きてナイトブラを外すと、乳頭の辺りの裏地に血が付着しているというのです。授乳や搾乳をするときに乳頭が切れて出血する感じと似ていたため、ユミさんは「ブラに乳頭がこすれて切れたのかな?」と思いました。

 

ここ2年程度で不眠や子宮筋腫などが重なったこともあり、ユミさんは「これも更年期の試練」と言い聞かせたものの、いつまでも出血がおさまらないため、婦人科の先生に相談しました。

 

「先生から『婦人科は子宮や卵巣の専門で、胸(乳房)は診察できないから乳腺外科へ行ってください』と言われました。婦人科では乳房は診察できないことを、恥ずかしながら46歳で初めて知りました」

 

婦人科から乳腺外科を紹介してくれることはなく、ユミさんは自分で病院を探しました。乳腺外科は数が少なく、見つけても予約がいっぱい。2カ月待ってやっと診察できました。エコーやマンモグラフィーなどの検査をしたところ、「MRI検査もしましょう」と言われ、ユミさんは「もしかすると深刻な病気?」と不安になりました。

 

「更年期だから仕方ない」と思わず病院へ行ってよかった

検査の結果は、非浸潤性(ひしんじゅんせい)乳管がんという早期の乳がん。乳腺内に広がっているため、転移を防ぐには、右乳房の切除が必要と宣告されました。ユミさんはすぐに切除を決意し、46歳の夏、検査をした病院から紹介された大学病院で手術をしました。

 

そして手術は無事に成功し、1週間の入院生活を経て退院したユミさん。自宅で1週間の休養をとり、その後は職場復帰しました。最初の1週間は半日勤務で体を慣らして、徐々にフルタイム勤務に戻していったそうです。

 

「通勤電車は恐怖でした。乳房の切除と同時に背中の組織を取って再建手術をしたので、背中に手術の後があるんです。ぎゅうぎゅう詰めの満員電車で背中に何かがあたるたび、傷が開かないか、出血しないかって、ひやひやしていました」

 

手術後の経過は順調な半面、相変わらず不眠は続いていて、フルタイムの仕事が心身ともに辛くなったユミさん。来年には子宮の全摘術もしたいと思っていることから、手術に耐えられる体づくりのために47歳で仕事を辞め、食生活の改善や適度な運動を続けています。

 

ユミさんは自身の経験を振り返り、「もしも、更年期だから仕方ないと思って病院へ行かなかったら、もっと深刻な病状になっていたかもしれない。更年期だと決めつけず、病院へ行ってよかった」と思っているそうです。

 

 

≪ライター・薬事法管理者 力武亜矢さんの他の記事をチェック!≫

 

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