更年期世代の下腹ぽっこり、原因は腸にある?3つの改善ポイントは
OTONA SALONE / 2022年7月14日 17時0分
20代の頃は気にならなかったのに、特に更年期世代はダイエットをしてもお腹だけ痩せなくて困りませんか? 特に下腹のぽっこり。
もしかすると、それは「落下腸」が原因かもしれません。
加齢や運動不足などによって、通常の位置よりも大腸が下に落ちてしまうと、お腹が痩せない原因になってしまうんです。
落下腸の原因や特徴、改善のための3つのポイントについて解説していきます。
もしかして、あなたのお腹が痩せない原因は「落下腸」かも?
落下腸は、大腸が通常の位置よりも下に落ちてしまっている状態です。お腹の周りを囲むようにある大腸は、全てが固定されているわけではありません。
肋骨の下を横に通っている横行結腸や、左下の部分にあるS状結腸は、周辺の筋肉によって支えられているだけ。筋肉量の低下や老廃物の蓄積などによって腸を正しい位置で支えることができなくなると、落下してしまいます。
落下腸が起こると、骨盤の中にある血管が圧迫されます。血流が阻害されるため、代謝不良を起こして脂肪が蓄積されやすくなるのです。下腹周りに脂肪が蓄積して、何をしても痩せづらいぽっこりお腹になってしまうのはこれが原因。その他にも、骨盤の中にある子宮や膀胱といった臓器も圧迫されるため、生理痛や頻尿などを引き起こす原因になってしまう場合もあります。
女性は落下腸になりやすい体の構造をしています。女性の骨盤は妊娠や出産に備えて、横長に広がった形で可動しやすいのが特徴。筋肉で腸を支えられなくなると、落ちた腸がすっぽりと骨盤の中に落ちてしまうのです。
当てはまったら要注意!「落下腸」3つの特徴
自分が落下腸かどうかを確かめるには、どうしたらいいのでしょうか。落下腸には、体型や排便習慣など、いくつかの特徴があります。思い当たる部分があったら落下腸になっている可能性も。落下腸の3つの特徴をご紹介します。
1・へそより下が出ている
立ち上がった状態でお腹を観察すると、おへそより下がぽっこりと前に出ていませんか。その場合は、落下腸の可能性があります。筋肉が大腸を支えきれずに通常の位置よりも下に落ちてしまうと、落ちた部分がぽっこりと前に突き出してしまうのです。
落下腸によっておへそより下が出ている場合は、同時にその部分が冷えていることが多いです。腸に血管が圧迫されて血流が悪化したことにより、冷えを引き起こしてしまいます。見た目に加えて、お腹周りを触った時の温度も確認してみましょう。
2・腸活をしても便秘が改善しない
腸活を継続的に行っても便秘が改善しないのは、落下腸の特徴のひとつ。腸が通常の位置にないために、うんちが腸内を移動しづらくなってしまっているのが原因です。うんちだけでなく、腸内で発生したガスもとどまってしてしまうため、お腹のハリ感を強く感じる場合もあります。
腸活の効果を感じるまでは、2週間程度の継続が必要と言われています。短期間で腸活の効果がないからと言って落下腸を疑う必要はありません。しかし、続けて腸活をしているにも関わらず、全く改善されない場合は落下腸の可能性があります。
3・排便時にいつも同じところが痛む
落下腸になってると、便意を感じた時や排便時にいつも同じところに痛みを感じることがあります。腸が落下したことによって、うんちが移動できずに詰まりやすくなってしまうのです。うんちが詰まった部分は、腸管やその周辺が圧迫されるため痛みを感じてしまいます。
落下腸は便通改善に良いとされる食物繊維を大量に摂取することで、余計にうんちが詰まりやすくなってしまうことも。腸活を始めたらいつも同じところが痛むようになってしまった、と言う場合は、食物繊維量を減らしてみると和らぐかもしれません。
落下腸はどうして起こる?その原因とは
落下腸の原因は、先天性のものと後天性のものがあります。
先天性のものは、生まれつき腸が長いために、あるべき場所に大腸が収まらないことで起こります。この場合、幼少期から便秘がちで対策をしても改善しづらいことが多いです。
後天性のものは、生活習慣や加齢が原因で大腸を正しい位置に支えることができなくなってしまうことで起こります。どのようなことによって落下腸が引き起こされるのか、3つの原因を解説します。
1・筋力低下
筋力低下が起こると落下腸を引き起こします。大腸は位置が固定されておらず、筋肉によってしか支えられていません。お腹周りや腰周りの筋肉が衰えてしまうことで、大腸を支えることができなくなり、腸が下に落ちてしまうのです。
運動不足、加齢による筋肉の減少に加えて、妊娠・出産による骨盤底筋の機能低下など落下腸が起こりやすいタイミングもあります。
2・老廃物がたまりすぎ
腸内に老廃物がたまった状態が続くと、重みに耐えられずに腸が落下してしまいます。胃腸に負担がかかる食事をとりすぎることが原因になることも。タンパク質や脂質を必要以上に摂取したり、食品添加物を取りすぎたり、消化吸収しきれなかった食べ物は大腸まで運ばれて腸内環境を乱します。結果、便秘を引き起こして老廃物だらけの腸を作り出してしまいます。
3・猫背
猫背など悪い姿勢も落下腸の原因になります。背中が丸まった猫背の状態では、胸が下を向く状態になるため、お腹周りにも上から負担をかけてしまいます。お腹の周りの筋肉が使われないほか、背中の筋肉が緊張してしまうことで全身の下垂の原因になってしまうのです。
デスクワークをしている方は、特に猫背になりやすいので要注意。さらに、足を組んだり高いヒールの靴を履いている場合も骨盤の歪みや開きの原因になり、落下腸を引き起こしてしまう場合もあります。
お腹痩せできないだけじゃない。落下腸が与える悪影響
落下腸になってしまうと、全身にさまざまな影響があります。腸内環境に直接的に影響することはもちろん、大腸の周辺にある臓器にも不調が起こってしまうかもしれません。
便秘
落下腸によって、最も起こりやすくなるのが便秘。腸が落下することで、うんちが通過しづらくなり詰まりやすくなるため、排便が困難になってしまうためです。排便ができない状態が続くと、老廃物が腸内にため込むことになるため、落下腸の悪化に繋がってしまうこともあります。
婦人系疾患
女性が落下腸になると、骨盤内にある子宮や卵巣などの生殖器にも悪影響があります。上から押しつぶされるため、生殖器の血管が圧迫されて血流が悪化してしまうのです。子宮筋腫、子宮内膜症、月経痛などがある方は、落下腸が原因になっているかもしれません。
頻尿
落下腸によって頻尿を引き起こす場合もあります。婦人科系疾患と同様に、腸が落下してしまうことで骨盤内にある膀胱も圧迫されてしまうためです。
胃下垂
大腸を含む消化器官は口から肛門までが1本の管でできています。大腸が落下している場合は、その他の消化器官も下垂を起こしている可能性があります。特に胃下垂は、食べ物の消化吸収の働きを下げてしまうこともわかっているため、腸内環境の悪化を招いてより落下腸を進めることになってしまうかもしれません。
落下腸を「できることで」改善する!3つのポイント
落下腸を改善するために、まずやって欲しいのが腸内環境の改善です。普段の食事内容に気をつけることが腸内環境を整えるには最も重要なポイント。それに加えて、普段の生活の中で取り入れやすい方法を3つご紹介します。
1・姿勢
猫背や足を組むといった普段の姿勢が、体の下垂や骨盤の歪みを引き起こして落下腸の原因になってしまいます。そのため、日々どのような姿勢で生活するのか、というのが重要なポイントです。
いい姿勢、というと背骨を伸ばすことを意識しがちですが、それはイマイチ。意識したいのは、骨盤を立てて座ることです。骨盤を立てることで、自然と背骨が骨盤の上にのり、頭まで真っ直ぐな姿勢になることができます。意識することがむずかしい場合は、骨盤矯正クッションなどのアイテムを活用するのもおすすめです。
2・呼吸
日常的に深い呼吸をすることを意識しましょう。腸を動かす筋肉はお腹の周りや腰周りの筋肉だけではありません。呼吸をするときに動く「横隔膜」も実は大切な役割をになっています。横隔膜は息を吸う時に下がり、息を吐く時に上がります。この上下運動によって大腸の周りの筋肉にも刺激が与えられ、引き上げられるようになるのです。
呼吸がしづらいと感じる場合は、横隔膜の周辺が硬くなっているかもしれません。左右の肋骨の下に指を入れて上下左右に動かすようにマッサージしてあげることで呼吸がしやすくなります。
3・マッサージ
外部からの刺激を与えてあげることも効果的です。仰向けに寝た状態で、ぽっこりと出ているお腹の下の部分から上に向かって押し上げるようにマッサージします。腸を元の位置に戻すように意識してみましょう。寝た状態で行っても良いですが、効果をあげたい場合は膝を立てるなどお腹に傾斜をつけてあげるのがおすすめです。
落下腸を改善して、お腹痩せも叶えよう
お腹が痩せない原因になる「落下腸」について解説してきました。お腹が痩せづらくなるだけでなく、便秘をはじめ全身の健康を損なう恐れもあります。自分が落下腸かもしれない、と思った方は、ぜひ日々の生活の中で取り入れられるものから改善をしていきましょう。少しずつ良い変化があるはずです。
文/長瀬 みなみ
ウンログ株式会社 うん広報(PooPR)、腸活うんち専門家
東京生まれ、便秘育ち。舞台俳優からITベンチャー広報を経て、現職ではうんち記録アプリ「ウンログ」運営に携わる。腸内環境から人生が幸せになる人を増やすために、腸活や発酵食品に関するセミナー講師としても活動している。
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