衝撃!話題の“ヤセ菌”、私の腸にはゼロだった!?【腸内フローラ検査やってみた】
OTONA SALONE / 2022年7月25日 15時30分
遺伝子検査や腸内フローラ検査。近年、より詳細に自分の体質を知ることができるいろいろなテストが身近になってきていますよね。
前回に引き続き、今度は自分の腸内フローラの全貌がわかり、健康対策に役立てられるという!話題の腸内フローラ検査をしてみましたよ。
これがAtlas JapanさんのAtlas腸内フローラ検査キット。
サイトから申し込むと3~4日でキットが郵送で届き、健康診断の検便のような簡単な採取の仕方で郵送すると4週間程度で結果が届きます。
検査一式で19,800円(税込)で、結果はウェブサイトでいつでも見返すことができます。
そもそも腸内フローラって?
ヒトの腸内には様々な種類の細菌が住んでいて、細菌それぞれには独自の機能があり、相互補完的な役割を果たしているとか。腸内フローラが多様であれば、それだけ役割の調整と相互補完が可能になるため、フローラ全体としての安定性が高まるといいます。だからこそ、単調な食生活や腸内細菌を殺してしまう抗生物質の摂取は、腸内フローラから菌種を減らしてしまう要因になるのです。
でも多くの細菌が生息していると、ある種類が消滅しても他の菌種がその失われた機能を補ってくれるとか!それもあって腸内フローラの“多様性”が大切だというわけです。
腸内フローラ検査でわかること
以前やってみた遺伝子検査でも、自分がユーラシア大陸のどこから来たのか、祖先からカフェイン代謝能力が低いくせにカフェイン大好き、乳糖は消化しづらい…などなど、いろいろな “じぶん発見”がありましたが、腸内フローラ検査もとても興味深かったです。
腸内フローラ検査では、
腸内フローラの多様性(多様性が高いか低いか)、
特定の疾病から保護できる能力があるか、
栄養素への反応(代謝しづらい栄養素があるか)、
栄養素のレベル(特定の栄養素を合成する能力の高低)、
腸内フローラ(腸内細菌のバランスで結果どういう傾向が現顕れるのか)、
腸内フローラの国籍(世界のどのエリア出身の人に多い腸内環境なのか)が判定されます。
腸内フローラの多様性は高いそうで、一安心…?
筆者の腸内細菌は「西洋型」らしく、「西ヨーロッパ」や「北アメリカ」エリアのものに近い層。
なるほど!先祖が遺伝子検査の結果で「ユーラシア大陸の北から来た」というのも納得。
腸内フローラの“多様性”については高いレベル、という結果が。
すごい不摂生な食生活を送ってきたのに、なんか嬉しい(笑)
腸内細菌の多様性を改善するには、毎日少なくとも19 gの食物繊維を摂取するべしとのこと。特に果物や野菜に含まれる食物繊維を幅広く摂取することが腸内フローラの多様化に役立つそうですよ。
衝撃…!話題の“ヤセ菌”は0%だったよ(涙)
筆者の各疾病への保護能力に関しては、冠状動脈性心疾患、2型糖尿病、クローン病には「高い保護能力」があり、潰瘍性大腸炎には「標準保護能力」を持っているそう。
そして…「肥満」耐性は「平均的」でした…残念。
話題の、太りにくくなる “ヤセ菌”とかそういうの、腸内にないのかしら?
と思って、いわゆる“ヤセ菌”と言われるらしい「アッカーマンシア」という菌について数値を見てみると
…「0%」って!!!!
「アッカーマンシア、0%」って!!
腸の内側を覆う粘膜(ムチン)に生息するというアッカーマンシア。健康的な代謝と体重のカギで正常なブドウ糖代謝と関係しているそう。痩せ型の人で豊富に見られることが多いらしく、炎症状態や 2 型糖尿病の患者に見られることはほとんどないとのこと。
また、「長期間飢餓状態に置かれた人」にははるかに豊富なアッカーマンシアが見られるそう。
えっ?
ということは、断食とかするとアッカーマンシアを増やすことができるの?
Atlas Japanさんによると、「アッカーマンシアを全く持たない、産生できない方がおり、その場合には何をしても増やすことはできません。一方、0.1%でもあれば、それを増やすことが可能です。断食(ファスティング)によって増やせる可能性がありますが、論文などで証明されているわけではありません。」ということ。
そうか…。
ゼロだった筆者は、なんだか望み薄ですね…(涙)
うん、食べ過ぎ注意で自力でがんばりましょう、ということで。
そのほか、ヤセ菌には「クリステンセネラ」なども存在するそうで、そういった菌を外から入れることってできるんでしょうか?
「クリステンセネラは体重減少に関係しますが、必要でない投与は体重減少を引き起こします。この回答に関しては、人間での研究ではなく、動物での研究に基づくものとなりますが。」(Atlas Japanさん)
むむぅ…
やはり恣意的に腸内フローラをコントロールすることはまあまあ難しいのね。
こんなふうに、自分がどの栄養素を合成できるかがわかります。
これが便秘の理由か!?腸の動きを刺激するビタミンB5の生成能力が低かった…
そして筆者、もうナチュラルに生きてると一生大きいほうが出ないんじゃないか…と思うほどの便秘症なのですが…これはいったい?と思ったら… 原因らしきものを突き止めました。
腸の蠕動(ぜんどう)運動のカギを握る、ビタミンB5の生成能力が平均より低かったのです!
ビタミン B5 は腸が食べ物を消化・吸収するために重要な蠕動運動を刺激する栄養素だそう。
もしかしたら蠕動運動が促されてないから便秘気味なのかなぁ?と勝手に憶測しつつ…(憶測ではなくちゃんと便秘原因についてはドクターに相談しましょう!)
ビタミン B5 が欠乏すると代謝に影響が出て、皮膚炎、脱毛、湿疹、胃腸の炎症などの原因にもなるとか。 欠乏すると胃腸管の病気に関連していることもわかっているそう。
ビタミン B5 の供給源には、ビール酵母、果物、ナッツ、豆類、肉などがあるそうで、えっ!! ビールとお肉、結構頻繁に食べてるんだけど、ダメなのかなぁ??
アトラスバイオメッドさんに伺ったところ…
「コーヒーなどのカフェインを含む飲み物やアルコールを多く摂取する人は、パントテン酸(ビタミンB5)を多く消費してしまうため、肉類、きのこ類、乳類、魚介類、豆類などを意識的に摂取してみては?」(Atlas Japanさん)
なるほど…そういうケミストリーもあるのね…やはりカフェイン・アルコールの摂りすぎは要注意…。
ずっと気になっていた、アルコールって腸内環境にどんな影響があるんだろ?ですが、Atlas Japanさんによると、アルコールの過剰摂取は腸内フローラの環境を悪化させ、体内の炎症を誘発し、体内で生成される酵素や分泌液の量を減らし、消化器系の問題を引き起こすこともあるそう!また、酔ってしまうことで私たちの抑制力を低下させるため、健康に影響のある喫煙やジャンクフードの摂取を選択させてしまうことにもつながるとのこと。
結論、デメリット大!なのね…とほほ。
お通じに直結すると言われがちなビフィズス菌も低すぎ!0.1%って!!
ビフィズス菌は生後すぐに腸内に現れて3 歳頃までは腸内細菌のなかで最も優勢で、多いときは全体の 90 %を占めるそう。でも年齢とともに減ってしまって、高齢者では 5 %程度まで低下するとか。
という中、筆者はなんとわずか0.1%!!
ビフィズス菌は、便秘改善でよくフォーカスされますが、そのほかアレルギー反応を起こりにくくしたり、炎症を抑えたり、病原菌の増殖やがん発症のリスクを抑制するはたらきも。
どうやったら増やせるのかというと、ヨーグルトなどの発酵乳を摂取したり、ゴボウやチコリ、にんにくなどに含まれる多糖類イヌリンにも、ビフィズス菌を保つ働きがあるそう。
もう毎食ヨーグルトにしたほうがいいんじゃないの!?
↑この発想がすでに腸内フローラ・デストロイヤー!?
肌や髪が比較的元気なのは、ビタミンB3・B7の代謝能力のおかげ!?
逆に代謝能力高め判定を受けたのがビタミンB3(ナイアシン)とB7(ビオチン)。
ビタミン B3は、脂肪、タンパク質、アミノ酸の代謝に重要で、悪玉コレステロールのレベル抑制、毛細血管を拡張して小さな血管の血流の改善、皮膚の健康の維持、腸の内壁の働きのサポートをしてくれるそう。ナイアシンは、ナッツ、ビール酵母、野菜、肉、魚、乳製品、卵などから摂れるそう。
ビタミン B7 (ビオチン)は血糖値の調節や皮膚、髪、爪の健康を維持してくれ、ホルモン合成や神経系機能のサポートにも関与している栄養素。ビオチン欠乏症が起こることはレアですが、欠乏すると皮膚のたるみ、脱毛、爪がもろくなるなどの症状が。ビオチンを効率的に摂取するならレバー、腎臓、ビール酵母、マメ、カリフラワー、ナッツが良いとか。
あれ?やっぱりビールの摂取、効いてない?(笑)
肥満や便秘の悩みは尽きませんが、肌や髪、爪など「たんぱく質」がモノを言う(!?)パーツはちょこちょこ「(年齢の割に)きれいじゃない?」と褒められることが多かったので、これは腸内環境のなせるワザかしら、ぬふふ。
自分の身体がどんな栄養素はうまく使えるのかがわかると食生活も変わりそう
それ以外にも筆者は、善玉菌が少ないこと(やっぱり!)、グルテン代謝能力が低いこと、炎症保護能力が高いことなどが、実に詳細にわかりました。
そしてそれを改善するために食べるといい食材もこんなに!詳細に教えてくれます。
自分の腸内環境と向き合うことで、「わ、この体質はもしかして菌のせい!?」と推測できて実に面白いですね。
いままで「菌活って意味あるんかなー」なんてぼーっとしてましたが、不摂生を重ねてもなんとか現状復帰!?して身体を守ってくれようとしている腸を思うと、なんだか「今までないがしろにしていた私のバカーッ!!腸内の菌の皆さんに謝れ!」という気持ちになりました。
ぜひ、ご興味あるひとは、Atlas腸内フローラ検査にチャレンジしてみてください。ただ、明らかな体調不安は、菌構成からの推察だけでなく、お医者さんに相談してくださいね!
【お話を伺ったのは…】
Atlas Biomed 生物情報学者 アンナ・ポペンコ さん
(取材・文/笹山真琴)
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