「寝付けない」「夜中に目が覚める」「日中に眠くなる」どう対処すればいい?不眠の種類と対処法
OTONA SALONE / 2022年9月1日 21時0分
年を経るごとに、「眠いのに寝付けない」「夜中に起きてしまう」「朝起きると体がだるい」「日中に眠くなる」なんて悩むことが増えたなんていう人も多いのでは? それらは、もしかしたら、不眠の症状かも。
不眠が疑われるなら、適切な対処をとりましょう。そこで今回は、内科・心療内科があり、漢方処方も行うたまきクリニック院長の玉木優子先生に、夜、眠れないときの理由や不眠のタイプ、対処法などを聞きました。
眠れない理由って?
熱帯夜で暑いから眠れないと思っていませんか? けれど、そもそも仕事のストレスなどが原因になっていることも。現代人の不眠は、仕事などによるイライラや不安、興奮が静まらないといった心のストレスで、自律神経が乱れていることが原因のことが多いといわれています。
例えば、次のことが現代人のよくある眠れない原因といわれています。
・仕事のストレスやプレッシャーなどで、夜になってもイライラや不安、興奮がおさまらず、自律神経のバランスが崩れて「交感神経」が優位になっている。
・深夜営業の店などで夜でも強い光にさらされ、人間に本来備わった「体内リズム」が乱れ、夜になっても眠くならない。
・就寝直前までテレビやスマートフォンを見ることで、いつまでも脳が覚醒モードに!
・体質や気温によって、体が冷えたりほてっている。
不眠のタイプ
もし、上記の状態に心当たりがあったなら、不眠を一度疑ってみるのもいいかも。不眠といっても、次の4タイプに分かれます。自分はどのタイプなのか、確認してみましょう。
1.入眠障害
寝つきが悪い状態。入眠までに時間がかかる、スムーズに眠れないなど。
2.中途覚醒
スムーズに入眠できても、深夜に途中で目覚めてしまう状態。
3.早期覚醒
早朝に目が覚めてしまい、その後、寝たいのに眠れないという状態。
4.熟眠障害
十分な睡眠をとっているのに、寝た気がしない、疲れが取れないという状態。
不眠にはどんな対処がある?
もし、不眠になってしまっていたら、病院で受診しましょう。受診すると、病院では、原因と考えられるものを医師が聞いたうえで、 生活習慣改善指導やその人に合う薬物治療を行うそうです。内科・心療内科があり、漢方処方も行うたまきクリニック院長の玉木優子先生によると、例えば、次の対処法があるといわれています。
・生活習慣改善
朝起きて夜眠る、体内リズムにあわせた規則正しい 生活を医師がアドバイス。
・睡眠導入剤
入眠をスムーズにするための薬の処方。
・精神安定剤
興奮して眠れないときや、心配や不安が強い場合に落ち着かせるための薬の処方。
・抗うつ剤
不眠の原因がうつの場合に、うつ症状を改善する薬の処方。
・漢方薬
漢方薬は、不眠の背景にある不安や興奮・冷えなどを改善することで睡眠の手助けをする。
睡眠改善のための代表的な漢方薬には、酸棗仁湯(さんそうにんとう)、抑肝散(よくかんさん)、加味帰脾湯(かみきひとう)がある。
他にも、医師の診察により症状や体質に合わせて処方が行われます。
「眠れない…」は小さな悩みじゃない。医師に遠慮なく相談を
睡眠は体力の回復のためにも免疫力の維持のためにも不可欠な、とっても大切なことですよね。
「自分は不眠かも?」と思い当たることがあったり、睡眠が原因の体調不良で悩んでいたりするなら、遠慮なく医師に相談しましょう。
厚生労働省のe-ヘルスネットの「不眠症」の項目では、「不眠症とは、睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。」と書かれています。もし1ヶ月以上続いているという場合は、迷わず受診したほうがいいかもしれません。
玉木先生は、次のように述べています。
「夜は0時までに寝て、朝になったら起きる。人間本来のリズムにあわせたメリハリのある生活が、自律神経バランスを整え、快眠につながります。眠りに悩みがあっても『睡眠導入剤は怖い』と思っている人もいますが、生活習慣の改善や漢方などのさまざまな治療法が相談できます。また、漢方には血の巡りを整えたり、興奮しすぎた“気=エネルギー”を鎮めたりして眠りやすくする処方もあります。睡眠は健康のバロメーター。不眠は病気にもつながりやすいので、早めに医師に相談することをおすすめします」
「睡眠は健康のバロメーター」だと玉木先生。気になることがあれば、一度相談してみると、快眠できる新しい生活が開けるはずです。
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