冒険できるのはこれが最後!「推し友」と直感婚した女性の現在地【オトナ婚/第14話(後編)】
OTONA SALONE / 2022年9月29日 20時1分
40代以降で結婚した人=オトナ婚の経験者にインタビューするシリーズ第14回目は、20年付き合った元彼と別れ、本格的にハマった推し活で出会った2歳下の男性と結婚したユリさん45歳。お互い「自立した意パートナー」として、ハッピーな毎日を過ごしています。
どこで彼と出会ったの?
彼はどんな人?
どうしたら結婚できたの?
などなど、気になるオトナ婚の実態に、ライターのミナト薫(47歳)が迫ります。
知り合って4年、交際0日で結婚したユリさんの本心
いくら共通の趣味があって気が合ったとはいえ、お互い男女としての意識は全然なかったはずですよね。まず、旦那さんとしては、どういう気持ちだったんでしょう? 飲み会でみんなに乗せられて勢いでプロポーズしてしまったわけですよね。
「あとで聞いたところ、ノリで言ったらしいです(笑)。ノリでプロポーズして、私が『無理無理〜!』って言うと思っていたらしく。それで『あー、フラれた!』という流れを想定していたみたいなんですが」
それがなんとユリさんがOKしてきたと。それからどうしたんですか? その後お互い冷静になった時に思い直したりしなかったんですか?
「飲み会が終わって、そのまま二人で飲み直しました。それが初めての二人っきり(笑)。それまで二人で会うことすらなかったので。その時もう一回、彼から真面目に『結婚してください』とプロポーズされました。私も『はい、よろしくお願いします』と」
まさに「交際0日婚」! 急展開すぎて、ミナト、思考が追いつきません。あらためて聞きたいのですが、プロポーズされて即OKした時、ユリさんはどんな気持ちだったんですか?
「直感で思ったんです。『この人と結婚すれば、楽しく暮らしていけそうだな』って。友人としての付き合いも長かったので彼の思考や性格も知っていましたし。SNSの書き込みを見ても共感できることがたくさんあったので。とにかく気の合う人ではあったんですよね。
あとは、『とりあえずこの流れに乗ってみるか!』という思いもありました。もし失敗したら失敗したで、その時に考え直せばいいやとも思ったし。
年齢的にももう恋愛することもないかもしれない。これが最後の冒険になるのなら、流れに乗ってみようと」
なるほど。賭けてみたわけですね。なんだか少女漫画のようです。
「少女漫画というより、レディースコミックのような展開でもありますね(笑)。現実とは思えない展開だと思います」
半年間の遠距離恋愛を経てその半年後に挙式
「それから実家に帰ってすぐ親に話しました。『どうやら私結婚することになったみたい』って(笑)
すると親というのは不思議なもので、『そうなるような気がしていた』と。時々私が彼と電話をしている様子を見たり、『東京にこんな友達がいるんだ』と話す私の言葉で、『あの男性が娘の旦那さんになるのでは』という予感があったみたいです」
へ〜。不思議なものですね。その後もユリさんは、結婚式を挙げるまでずっと関西のご実家に住まわれていたんですよね。
「はい。44歳でプロポーズされて、結婚式を挙げたのがその半年後の45歳、さらにその半年後に入籍をしました。結婚式をしたのは、親も高齢だし花嫁姿は見せてあげたいな、と思ったから。周りへの証明にもなりますしね。
結婚式まではずっと実家に住んでいました。プロポーズを受けてからも、上京するのは新居を探した時と、結婚式場の打ち合わせで数回だけ。結婚式の翌日からやっと一緒に住み始めました」
同居するまで、二人で会ったのは数回ってことですか!?
「はい(笑)。本当珍しいですよね。プロポーズされる前も二人っきりで会ったことは一度もなかったし。結婚が決まって、一緒に住む部屋を探しに行くときが初めての二人っきりでのお出かけでした(笑)」
束縛しない「自立した関係」で成り立つ夫婦生活
結婚式が終わって初めて一緒に生活をすることになりますが、苦労はなかったですか?
「やはり違いはありましたね。私は関西人で、彼は東京生まれ。しかもお互い結婚するまで実家暮らし。生活習慣違いもたくさんありましたが、徐々に慣らしていった感じです。
言葉の違いで行き違うこともありましたね。でも大きな喧嘩などに発展することはなかったです」
そうなんですね。ぶつかることがほとんどなかったのはどうしてだと分析しますか?
「彼が極端に『束縛しない」タイプなんです。女だからこうあるべきとか、私の行動に口を出すというようなことも皆無で。
私も私で、本来ベタベタするタイプではないので、同居後も甘い関係というよりは、合宿といった表現の方が近いかもしれませんね(笑)。ルームシェアというか、共同生活というか。その方がお互い気を使わなくていいので楽なんです」
家事なども分担しているのですか?
「家事は『気づいた方がやる』という感じです。生活費も折半ですね。お互いのスケジュールは大体把握はしていますが、そんなに干渉しません。
二人で出かけたりするのは主に『推し活』の時ですね。イベントやファンクラブのイベントがあるから一緒に行こう、という感じで。あと、二人で推し活をすることのいい点は、共通の友達がたくさんできることもありますね。みんなでわいわいするのは楽しいし、世界が広がります」
普段は干渉し過ぎず、共通の趣味は一緒に楽しむ、っていいですね。老後になっても同じ話題で盛り上がれるのはすごく憧れます。
「夫は心が広く鷹揚な性格。私が何をしていても『無事に帰宅してくれればそれでいいよ』という感じです。もちろんそうやって言ってくれるのはうれしいですが、私としては『もう少し構ってくれても…』と思う時もありますよ(笑)」
自分の無事を願っていてくれる人がいる、というのは精神的にも安心できますよね。
最後にユリさんに質問です。自分でも予期せぬタイミングで結婚をすることになったわけですが、あらためて結婚ってどうですか?
「いいものですよね。自分一人で生活するのもそれはそれで楽しいですけど、誰かがそばにいて二人で毎日を快適に過ごせるというのは、また違う幸せがあります。誰かが私を待ってくれている、私もその人を待っているいうのが、やはり嬉しくはあります。
あと、いいものやおいしいものを見つけた時、『共有したい』と思う相手がいるのも結婚の醍醐味かもしれません。
アドバイスとしては、結婚後に同じ趣味や共通点を多く持つのがおすすめ。推し活だけじゃなく、食の好みが合うとか旅行が好きだとか。私たちも二人の『共感ポイント』をこれからもたくさん見つけていきたいですね」
実は今回のオンラインインタビューの際、そばに旦那様がいらっしゃったのですが、ユリさんが話すことに対して、画面には映らないところから鋭いツッコミを入れてくれました。そんな旦那様の言葉に「うるさいな〜」などと、楽しげに返答するユリさん。カップルなんだけどそれ以上に友達のような同志のような。お二人の独特な雰囲気を感じて、一言で夫婦と言っても関係は様々で、いろいろな形があるのだな、と考えさせられたミナトでした。
ユリさんからのメッセージ
・一度理想を捨てて、近くをもう一回見回してみる案外チャンスが転がっていることも。
・人と比べず自分だけの条件を考えてみよう。
・家にいても出会いはない! 婚活直結以外の集まりにもどんどん参加してみて。
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