51歳、ホルモン補充療法を続ければ、このまま生理が60歳70歳まで続くのでしょうか?
OTONA SALONE / 2022年9月1日 22時40分
こんにちは、オトナサローネ編集部井一です。更年期真っ只中の51歳の4月、突如として歯列矯正を始めました。
この連載は歯列矯正の進捗記録のために始めたのですが、途中6月から更年期障害対策のホルモン補充療法(HRT)を始めたこともあり、交互にどちらかの話題が出てきます。今週は先週に続いてHRTのお話。
【連載・更年期50代の歯列矯正日記・毎週木曜更新】♯21
疑問!HRTを続けると「これから先も生理が一生続く」のか?
自分でも何度書いても忘れるのがホルモン補充療法の選択です。上記の通り6つのパターンがあり得て、私が始めたのは④の周期的併用投与法の持続法。③の間欠法も選ぶことはできるものの、黄体ホルモンだけでなくエストロゲンも一気に休薬する期間があり、「その間に具合が悪くなってしまうから私は勧めていない」と医師に教えてもらいました。⑤⑥持続的併用投与法は閉経から数年たっている方への投薬で、エストロゲンと黄体ホルモンを常時投与します。
④周期的併用投与法-持続法は「黄体ホルモンだけ休む」期間がある
さて、6月にホルモン補充療法のうち④の周期的併用投与法-持続法を開始した私は、1か月後の「黄体ホルモン休み」に猛烈に整った生理に襲われ、2日寝込みました。翌月は黄体ホルモン休みの前に生理がきてしまって大慌てしましたが、3回目からは医師の予言通りに「減った」手ごたえを得ているところです。
ここでウーンと迷うのが、この出血はいつまで続くのか?もしかしてこれからずっと続くの?ということです。医師にはすでに「人による」という答えをもらっているのですが、改めて調べてみました。
『ホルモン補充療法ガイドライン 2017年度版』(日本産科婦人科学会・日本女性医学学会 編集/監修)によれば、「HRTに予想される有害事象」の1つめがこの「不正性器出血」です。
該当する部分を抜き出すと……
〇HRTでは乳房緊満、消化器症状、頭痛、下腿浮腫などのトラブル以外に子宮を有する女性では40~60%に不正性器出血が認められる。
〇EPT(エストロゲン・黄体ホルモン併用療法)の持続的併用投与法では理論上では規則的ないし周期的な性器出血は認めないが、日常臨床では投与開始から3か月以内には点状出血や破綻出血が比較的高頻度に認められるという報告がある。
〇出血は投与開始直後(最初の3か月)に多く、次第に頻度は減少していき、半年から1年で子宮内膜は萎縮し子宮出血は消失することが多い。
〇出血の頻度はエストロゲンの投与量に相関するため、低用量HRTに移行することで性器出血の頻度は減少するとの報告もある。
2つめの点状出血のお話は閉経後から数年たった人が対象の⑤持続的併用投与法であるため私のケースと少し違うのですが、ここに「理論上ではないはずの出血」という文言があるのは参考になります。私の2回目の出血は黄体ホルモン休みに入る前の、理論上ではそこで出血しないのではないかというタイミングで起きましたが、そうか、そういうこともあるんだなと納得がいくのです。
『女性医療ガイドブック 更年期医療編 2019年度版』(日本女性医学学会・編)によれば
〇閉経後女性にEPTを1年行い子宮出血の頻度を検討した報告では、50歳以下で90%あった出血は加齢とともに減少し、60歳以上では25%であり、閉経後1~2年で92%あった出血は閉経後年数を経るにしたがって減少し、閉経後11年以上では27%である。
以上を乱暴にまとめると、
■閉経後からでもHRTを始めると生理(消退出血)がまた再開するよ(閉経前ならばそのまま続くよ)
■黄体ホルモンを飲んでいることで子宮内膜は萎縮していくので、半年から1年くらいで出血が止まる人が多いよ
■続いた場合、25~27%程度は60歳を越えても生理が続くよ
およそこんな感じでしょう。
4人に1人はずっと生理が続くんですね、
次回、そんなHRTの最中に「気にしたほうがいい疾患」について調べます。更年期世代がホルモン補充を受けると、どんな疾患のリスクがどのくらい上がるのか…?ホルモン補充ができない禁忌とは何なのか?
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