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「あぁ~よく寝た!」朝までグッスリ眠るための8のヒント【医師に聞く】(後編)

OTONA SALONE / 2022年9月19日 12時1分

「なかなか寝付けない」 「夜中に何回も目が覚めてしまう」

多忙でストレスの多い現代女性は、睡眠トラブルを抱えがちです。

 

働く女性、更年期世代の女性は、どうすれば眠れるようになるのか。

医療法人社団SSC 理事長であり、スリープ・サポート クリニック院長の林田健一先生にお話を伺いました。後編です。

 

「限られた時間で上手に眠る」ために必要なこととは

——働く女性は睡眠時間の確保が難しい場合もあると思いますが、限られた時間でうまく眠る方法はありますか?

限られた時間を効率的に使う、つまり布団に入っている時間はちゃんと眠ることが大切です。

そのためには「寝付きがいい」ことと、あとは「睡眠が持続する」ことが必要ですね。

 

眠りにとって良いことを整え、悪いことを避けましょう。

 

まずは朝起きる時間にこだわりましょう。朝起きた時点で夜寝る時間はある程度決まっています

しっかりと朝日を浴び、日中は適度な運動をして、頭も使い、体と頭を疲れさせます。

夕方以降は嗜好品に気をつけましょう。できれば眠る4~5時間前から控えるのがベターです。

そして夜は「明るい光を避ける」、「寝る前に2時間くらいリラックスタイムを作る」、「寝る前の行動をルーチン化する」、「眠くなってから布団に入る」などの習慣を付けましょう。

 

——食事で気をつけるべきことはありますか?

レタスを食べたらよく眠れるなど、色々言われていますが、残念ながら不眠は食べ物では劇的には変わりません。

何を食べるか、より「極端に悪いものを避ける」ほうが重要です。

 

悪い例を挙げましょう。まず、消化に悪いもの(油っぽいもの)を寝る前に食べる。これは逆流したり、胃もたれしたりするのでよくないです。

 

カプサイシンなど辛いものも覚醒作用があるので、遅い時間に食べるのは避けたほうがよいです。激辛なものは刺激が強いので、夕食よりはランチにおすすめです。

 

あとはカフェインですね。カフェインの効果は約4~5時間と言われていますから、就寝5時間前からは避けたほうがいいでしょう。

コーヒー、緑茶、コーラ、栄養ドリンク、あとはチョコレートにもカフェインが含まれていますので、注意しましょう。

 

——お酒などの嗜好品も気をつけたほうが良いのでしょうか

はい。食べ物だけでなく嗜好品にも注意が必要です。

 

たとえば、ニコチンには覚醒効果があります。

1時間ほど覚醒効果が続くので、「眠れないときにタバコを一服」というのは、本当は避けたほうがいいんです。

 

ただし、自分の中の行動パターン(入眠儀式)に入っている場合はなきにしもあらずです。

ニコチンで覚醒する作用よりも、入眠儀式(=毎日の習慣である「寝る前の一服」)で安心する作用のほうが上、という場合もあるんです。

 

お酒も同じです。

お酒に酔って入眠したとしても、お酒が覚めるにしたがって目が覚めてきてしまいます。

そうすると、夢をたくさん見たりして、眠りの質が悪くなります。お酒を飲んで良くなるのは寝付きだけで、夜中の睡眠はかえって妨げられてしまうことが多いのです。

 

また、お酒を飲んで眠ることを繰り返していると、次第にお酒の量が増えていきます。

飲まないと眠れない悪循環に陥り、体を壊してしまうことに繋がりかねません。

 

しかし、「養命酒を付属のカップ1杯飲むと眠れる」という人もいるわけです。ワインをグラスに半分程度飲むことでリラックスして眠れる人もいるでしょう。

適度に、その人に合っているものは取り入れて良いと思います。

 

とはいえ、タバコもお酒も基本的には「よくないもの」ですので、深追いしないことが大切です。

バランスをとりながら付き合いましょう。

 

▶「夜中に目が冷めてしまう」人が気をつけるべきこと

「夜中に目が覚めてしまう」人が気をつけるべきこと

——睡眠を持続させる(中途覚醒しない)ためには、どうすればよいでしょう?

まず、アルコールは中途覚醒の原因になりますので、飲み過ぎに注意しましょう。

音や光の刺激を避けることも大切ですね。

また、ストレスは睡眠を妨害しますので、寝室に悩み事をもちこまないことが大切です。

寝る前はなるべくハッピーな雰囲気で過ごし、悩みについては朝起きてから考えるように習慣付けましょう。

 

——光の刺激を避ける、ということですが、部屋は真っ暗にしたほうが良いのでしょうか?

本来は、光がないほうが覚醒しません。

しかし、寝る前に真っ暗だと不安になる人もいますよね。また、トイレに行くときに危ないと感じる人もいるかもしれません。

その場合は、ほんのり明るいフットライトを使ったり、タイマーで切れるライトを活用しましょう。

 

——熟睡するためにオススメの睡眠グッズはありますか?

寝るときには室温を26~28度に設定するのが良いのですが、夏でもなるべくエアコンを使いたくないという人には「氷枕」をオススメしています。

冬には、睡眠中の深部体温と同じように冷めていく「湯たんぽ」が最適です。電気毛布の場合には、寝入った頃にスイッチが切れるようにタイマーをセットするのが良いでしょう。

 

——寝具に関してはどうでしょう?

枕はバシッと決めるのは難しいですね。時期と状況によって変わってきます。

計測して作っても、しばらくすると首にフィットしなくなったり変わることが多いです。

好みのものを、そのときどきに合わせて探すのがよいでしょう。

 

寝具は、通気性の良いもの、温度変化に耐えるものが良いでしょう。

人間は汗をかきながら眠っていきますので、それを吸収もしくは乾燥させてくれるものが理想です。

また、着衣に関しては、しめつけがないことが大切です。

 

——今回お話を伺って、個人の感じ方によるところも多いのかなと感じました

はい。部屋の温度一つとってもキンキンに冷やすのが好きな人、エアコンをかけずに薄着するのが好きな人…と好みがありますよね。

「一番リラックス出来る方法」は人それぞれです。

自分が気持ちよく眠りに入れる流れはどういうものなのか、考えてみてくださいね。

 

 

お話/林田健一(はやしだ けんいち)先生

医学博士、医療法人社団SSC理事長、スリープ・サポート クリニック院長

スリープ・サポート クリニックでは睡眠外来に加えて、終夜睡眠ポリグラフ検査など専門検査にも対応。

東京都品川区東大井1-18-8ミランビーナ1階(京急線鮫洲駅より徒歩2分)

03-3471-3020

 

(取材・構成・文/星雅代)

 

≪主婦の友社 OTONA SALONE編集部さんの他の記事をチェック!≫

 

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