「更年期の高血圧」意外な原因とは?改善ポイント「発酵食品」の選び方は
OTONA SALONE / 2022年9月24日 11時0分
更年期になると起こりやすい高血圧。若い頃は血圧が低くて悩んでいたのに、更年期になったからって血圧が高くなることなんてあるの?と思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、女性は更年期をさかいに高血圧になる人がグッと増加するんです。
今回は、更年期に起こる高血圧の原因や改善のためのセルフケア、食生活改善のためにぜひ取り入れて欲しい発酵食品について、ウンログ株式会社の腸活うんち専門家・長瀬みなみが解説します。
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更年期の高血圧とは
更年期障害の症状のひとつとして、高血圧があげられます。厚生労働省の調査では、50代の4人に1人が高血圧だということがわかっています。この理由は、更年期は血圧の変動が起こりやすくなるため。ほてり、不安、イライラ、ストレスなどによって、血圧が変動してしまうのです。若い頃は低血圧に悩んでいた人も、更年期をさかいに高血圧になる可能性があります。
更年期に高血圧になる原因
更年期に起こる高血圧は、女性ホルモン「エストロゲン」が減少して、ホルモンバランスが乱れることによって起こると言われています。エストロゲンの減少によって、自律神経の乱れが起こり、さまざまな不調が引き起こされるのが更年期障害。血圧も自律神経によってコントロールされているため、他の不調と同じようにホルモンバランスの影響を受けてしまうのです。
ホルモンバランスの乱れだけでなく、食習慣、運動不足、肥満、アルコール、喫煙など複合的な生活習慣によって引き起こされる場合もあります。
更年期の高血圧を改善するセルフケア
更年期による高血圧を改善するためには、まずはセルフケアを日常的に行うことが大切です。まずは何かひとつからでもいいので始めてみてください。
■食生活の見直し
高血圧と食生活は特に関係が深く、医療機関を受診すると食事の見直しを進められることが多いです。理由は、大きく2つ。1つめは、食事に含まれる塩分によって血圧が上昇するため。2つめは、体重増加によって肥満を起こすと、酸素消費量が増えて血圧が上昇するためです。
日本高血圧学会が制作している「高血圧治療ガイドライン 2014」では、塩分摂取量は1日に6グラム未満が推奨されています。そのほかにも、野菜や果物を積極的に摂取すること、高脂肪食を避けること、アルコールを控えることなどで体重増加の防止に繋がります。
日々の食事にぜひ取り入れて欲しいのが、キノコ類や海藻類。体内の塩分を排出してくれるカリウムが多く含まれています。どちらも食物繊維も豊富な食品。整腸効果が期待できるため、腸内環境を整えて肥満の防止にも役立ってくれます。ぜひ日々の食卓に取り入れてみてください。
■有酸素運動
習慣的に有酸素運動を行うことが、血管内皮機能を改善して血圧を下げてくれます。運動中は一時的に血圧が上昇しますが、運動後は血管の拡張や交感神経の活動が緩和されるため、血圧が低下していきます。
運動は激しいものは避け、ウォーキング、ジョギング、スイミング、サイクリングなど負荷の低い有酸素運動を行いましょう。1日あたり30分以上行うことが推奨されています。しかし、健康状態や運動習慣のない人にとっては新しく習慣化するのは大変です。日常生活の中で車を使わないようにする、エスカレーターではなく階段を使うなど、生活の中の選択肢を変えることから始めても良いでしょう。
■マインドフルネス
更年期世代の高血圧は、不安感やストレスが原因になっているケースがあります。ストレスによって血管が収縮して血圧が上昇している場合は、原因であるストレスをなくすことも大切です。
深呼吸を繰り返す呼吸瞑想や、自分の体に意識を向けて観察を行うボディスキャン瞑想などは、どこにいても自分の体だけで行うことが可能です。入浴中や寝る前、トイレの中などで実践してみてください。
更年期の高血圧改善に取り入れたい3つの発酵食品
高血圧対策のなかで取り入れて欲しいのが、発酵食品や発酵調味料。発酵食品というと、塩分が多く減塩には向かないというイメージがあります。しかし、それぞれの発酵食品の特徴を理解していれば、減塩の強い味方になってくれるものも。今回は、絶対に冷蔵庫の中に入れておきたい3つの発酵食品をご紹介します。
■塩麹
塩麹は、塩のかわりに利用することで減塩につながる発酵調味料です。塩麹からあげや豚肉の塩麹づけなど、漬けどことして使われるイメージの食品です。実は、塩のかわりに料理に入れることもできるのです。
塩のかわりに使う場合は、レシピで指定されている塩の量の2倍量を使います。塩小さじ1杯で6グラムなのに対して、塩麹小さじ2杯(約13グラム)に含まれる食塩量は1.5グラムです(※塩分濃度を12パーセントにした場合)。総量は増えますが、食塩量は4分の1に減らすことができます。さらに、麹の持っているうまみや甘みが加わるため、塩が少なくても美味しく仕上がります。
ただし、市販品として売られているものは塩分濃度が記載されていない場合が多いです。含まれる食塩量も不明なので、使用する場合は注意してください。
■味噌
味噌は、味噌そのものが血圧を下げる効果があるという研究結果が発表されています。2016年にマルコメ株式会社が行った調査では、味噌には血圧を低下させる作用があるペプチドが含まれていることがわかっています。さらに、味噌汁の飲用を行う長期ヒト介入試験を実施。その結果、1日2杯の味噌汁を3ヶ月間飲み続けても、血圧が上昇しないということも研究発表されています。
味噌は大豆を使った発酵食品のため、大豆由来の栄養素も多く含まれます。エストロゲンのように働いてくれる大豆イソフラボンも豊富です。高血圧だけでなく、更年期全般の対策としてもぜひ取り入れてみてください。
■納豆
納豆は、体内の塩分を排出してくれるカリウムを多く含む発酵食品です。また、2008年にNature誌で発表された論文では、納豆菌が作り出す「ナットウキナーゼ」は、末梢の血流を改善して血圧を下げる効果があることもわかっています。
ただし、納豆は100グラムあたり約200キロカロリー。意外とカロリーが高い食品です。味噌汁など他の大豆食品も日常的に食べている場合は、1日1パック程度を取り入れれば充分です。
更年期の高血圧は発酵食品を取り入れた食生活改善を!
更年期の高血圧の改善のためのセルフケアをお伝えしてきました。特に食生活の改善はとても重要です。減塩を意識することはもちろん重要ですが、そのための食品としてぜひ発酵食品を取り入れてみてはいかがでしょうか。もちろん、すでに疾患がある方はかかりつけのお医者さんと相談して日々の食べる量を調整してくださいね。
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