あなたまだハタチでしょう?こんなおばさんに惚れるなんて、どうかしちゃったんじゃない?【40代のダメ恋図鑑#5】前編
OTONA SALONE / 2022年10月11日 22時0分
40代。未婚でもバツイチでも、「独身」を楽しみたいと思いながら恋愛でつまずいてしまう女性たちは、どこで間違えるのか。
アラフォーの女性たちが経験する「恋の迷路」をお伝えします。
【40代のダメ恋図鑑#5】前編
忘れられない恋の記憶が、彼女の新しい恋を蝕んでいる
38歳のEさんとは定期的に会う時間を作る仲で、みずから「惚れやすくて」と口にする彼女の恋愛話を聞くのが楽しみだった。
大学を卒業後、同じ会社で正社員としてずっと働いているEさんは、結婚を考えた恋人もいたそうだけど「結局親の反対に負けて諦めた」と肩をすくめて話してくれたことがある。
「自分の都合で捨てたわけではない恋」の痛みを引きずって、それ以降は誰と付き合っても将来を考えると暗い気持ちになるため、長続きしなかったという。
それでも人を求める気持ちまでは手放せず、行きつけのレストランの店員さんでも仕事で知り合った男性でも、「すぐ好きになってアプローチしてしまう」のがEさんだった。
そんな彼女が珍しく真剣な顔で「聞いてほしい」と切り出してきたときは、ついに結婚を考えられる男性が現れたのかと一瞬思ったが、そうではなかった。
「ねえ、年下の男に好かれちゃったのだけど、どうすればいいと思う?」
それは、Eさんが体験したことのない「全力で恋心を向けられる自分」への戸惑いだった。
積極的な年下男性に翻弄されるアラフォー女性
Eさんにアタックをかけているのは、何と大学生だった。
ジムの行き帰りに寄るコンビニエンスストアで働くその男性は、週に数回決まった時間に訪れるEさんと話すうちに打ち解けて、通いだして3ヶ月くらい経った頃に「よかったら連絡をください」とLINEのIDを書いた紙を渡してきたそうだ。
「え、すごく積極的だね」
驚いてそう言うと、運ばれてきたアイスティーのストローに手を伸ばしながら
「若いもの、普段からそういう感じで誰とでもつながるんじゃない?」
とEさんは投げやりな声で答えた。
「やり取りをするのはいいが、何かあって気まずくなったらお店に行きづらくなるから嫌だな」と思ったEさんは、にこにこと笑顔を向ける男性に
「ごめんなさい、LINEはあまり使っていないの。
だから、返信が遅れたりするけれど」
と、暗に距離を取るつもりであることを伝えた。
それを聞いても、男性のほうは「全然気にしないです。空いた時間に返してもらえたら」とすぐに答えて、Eさんはお礼だけ言って紙を受け取った。
だが、もらったからにはこちらから連絡したほうがいいか、とIDを検索してアカウントを見つけ、その夜に「いつもありがとう」と送ったら
「すぐに既読がついてね、こちらこそいつもご来店ありがとうございますって返ってきて。
スタンプも使うのよ、見たこともないような言葉が入ってるやつ」
と、反応の速さにEさんは驚いた。
その日はそれだけで終わったが、次の日の朝、男性のほうから「おはようございます」「今日はお仕事ですか?」と短いメッセージが飛んできて、返信に悩んだのだった。
「だって、ねえ、そのとき初めて知ったけど、その子大学生よ? 20歳なのよ?
こんな40間近のおばさんとLINEなんて、何が楽しいのよって」
Eさんは、文字通り頭を抱えて男性へ返す言葉の「正しさ」について考えたそうだ。
惚れられたのはいいけれど、相手はまだ幼く感じられて…
そのとき、面白いなと思ったのは一回り以上年が離れた男性のアプローチに振り回されるEさんの姿で、好きな男性に自分がどんなメッセージを送ったか、デートではどんな服を着てどんな会話をしたかを楽しく報告してくれるいつもの様子とは正反対だった。
「あなたは彼のことをどう思っているの?」
と尋ねると、
「どう思うも何も、好きになるわけないじゃない!
相手は子どもなのよ!」
と悲鳴のような声で答えるのも、惚れられる側になった自分への大きな戸惑いが見えた。
彼女にとって、20歳の男性は恋愛対象にするには幼すぎると感じるのはよくわかった。
それまで同年代か年上の男性とばかり付き合ってきたEさんには、大学生で自分の知らない言葉を使うコンビニエンスストアの店員さんなど、未知の世界の生き物なのだ。
それでもLINEでやり取りをするのは無視するのは失礼だからという気遣いであって、「好かれたけれどその気になれないからきっぱりと拒絶する」ができないのは、その経験がないからだった。
こちらから送らなくても毎日のように男性から届くメッセージは、Eさんにとって新鮮であり強烈な刺激だっただろう。
トーク画面を少し見せてもらったが、「今日は寒そうですね、風邪ひかないでくださいね」「お仕事、がんばってくださいね」と丁寧な言葉が並んでおり、それはEさんが「普段なら自分が相手に送る言葉」なのだった。
まともな恋愛感情などない状態の男性からこれを受け取る側になって、Eさんは自分の振る舞い方の「正解」についてひたすら悩んでいた。
▶【この記事の後編】『恋には積極的なはずだった。でも、18歳の年の差に、足がすくんで動けない【40代のダメ恋図鑑#5】』
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