これってもしかして「更年期の腟トラブル」なの?女医がそっと教えるその原因とシンプルな対策は
OTONA SALONE / 2023年1月7日 20時11分
そのことに気づかせてくれたのが、この時期からの「女性ホルモンの変化と骨の健康を両立したマネジメント」を提唱し、『40代から始めよう!閉経マネジメント』(講談社刊)を上梓した、産婦人科医の吉形玲美先生。また先生は女性の健康と密接な関係のある「腟マイクロバイオーム(腟細菌叢、通称腟内フローラ)」の研究において第一人者でもあります。
「これまで女性の体にさまざまな恩恵をもたらしてきた女性ホルモンが年齢と共に徐々に減少し、働きを休止する更年期は、心身に不調をきたすのは当たり前のこと。だからこそ、この時期を快適に過ごせるようにしてあげるのが閉経マネジメントです。
マネジメントの柱は、大きく2つ。1つめは、徐々に減少していく『女性ホルモンのコントロール』。もう1つは、女性ホルモンの減少により影響を受ける『骨の強さ』をマネジメントすることです」(吉形先生)
閉経後も女性のカラダの悩みは尽きない…。まずはこの現状を知ろう
女性の健康について、吉形先生がもう1つ啓蒙しているのが、閉経後の「GMS(閉経関連尿路生殖器症候群)」。更年期で女性ホルモンの減少にカラダが慣れ、不快な症状から解放されたとしても、これまで受けていた女性ホルモンの恩恵を受けられなくなるために、また別の女性の悩みが顕在化してくることもあります。
「女性ホルモンの低下により、外陰部や腟が萎縮し、乾燥やかゆみ、頻尿、尿もれ、性交痛などが起きます。これらフェムゾーンの悩みに対して、普段の会話からはなかなか聞くことがありませんが、実は更年期世代の女性の受診理由の多くはこれらになります。なかでも、性交痛やおりものの変化などは、あきらかな女性ホルモンの減少が原因という印象です。
あまり意識されていませんが、外陰部や腟も顔と同じように老化するため、乾燥し、ひきつれが出たり、それこそ内診やがん検診の際に痛みを訴える人も増えます。これら不快症状は、ケアすることで軽減することができるんです」(吉形先生)
フェムゾーンのスキンケアで不快症状を軽減することができる!
汚れやすく、常に下着の摩擦を受けているフェムゾーン。とても過酷な環境に置かれているにもかかわらず、あまりケアされていないのが実情。それどころか、見たこともなければ、触るなんてもってのほか!と思っている人もいるかもしれません。
「とかく自身のフェムゾーンに意識を向けないようにしがちですが、女性にとってとても大切な部分です。洗顔して化粧水を塗るように、顔のスキンケア感覚でフェムゾーンもお手入れすると、乾燥感はずいぶんやわらぎます。洗浄は専用ソープで、外陰部や肛門周辺はもちろん、大陰唇、小陰唇、腟の入り口まで丁寧に洗い、入浴後は、専用の美容液やオイル、クリームなどで同様にケアをします。ケアをしてこなかった人ほど、その効果を実感しやすく、早い人で1週間もケアをすれば、変わった感を実感できると思います」(吉形先生)
加齢による腟マイクロバイオームの環境悪化がさまざまな女性不調の原因にも
この他にも、この時期ならではのさまざまな不調が出てくる原因は?
「また閉経後は、骨盤底筋群が低下し、膀胱や子宮が下がって尿もれしやすくなったり、体調面から抗生物質を使う機会が増えるために腟内の菌環境も悪くなりがち。また、更年期でも性交痛や膀胱炎を繰り返すのは、腟内のマイクロバイオームが乱れている可能性も。腟内の菌バランスを整えるインナージェルなどを活用するのもおすすめです」(吉形先生)
吉形先生が診察を行っている「ハマサイトクリニック」では、まだ珍しい腟マイクロバイオーム(腟内フローラ)検査を行えるそう。更年期になったら腟内フローラを検査したほうがいいのでしょうか?
「腟マイクロバイオーム検査は、遺伝子検査になるため、一般的ではありません。ただ、おりもの(腟分泌物)に大きく関係しているため、おりものの悩みがある人はおりものの培養検査をしますし、これによって治療したほうがいい雑菌がある程度判明します。
また、カンジダや細菌性腟炎、膀胱炎などを繰り返す人は、予防的にも抗菌剤を使うことが多く、これが原因で腟内のマイクロバイオーム環境を壊してしまい、より再発や感染しやすくしていることもあります。普段のフェムゾーンのケアを行っていれば、抗菌剤に頼らなくてもいい場合も十分にあります」(吉形先生)
人生100年時代と言われる現代、更年期は人生の折り返し地点。だからこそ、これからの人生を健康的に過ごすための期間と捉え、閉経マネジメントしていくことが大切です。
▶【前編】『もっと早く知りたかった!更年期の身体の激変、知識さえあれば「食い止める」ことができるだなんて。「閉経マネジメント」にいま注目!』
吉形玲美先生
よしかた れみ/ 東京都出身・1997年東京女子医科大学医学部卒業
同大学産婦人科の臨床の現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛ける傍ら、女性医療・更年期医療の様々な臨床研究に携わる。東京女子医科大学准講師を経て2010年より同大学非常勤講師。女性予防医療を広めたいという思いから、同年7月より浜松町ハマサイトクリニック(https://www.hamasite-clinic.jp/)に院長として着任。現在は同院婦人科の医師として診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。40代以降の女性の健康の鍵を握る成分として注目される「エクオール」においては、世の中に広く認知される以前からその臨床研究をリードしており、更年期医療に注力している。
吉形先生監修、婦人科学発想で女性の健やかな美しさを支えるセルフケアブランド「est’re®」(エストール)のフェムゾーンケアシリーズに注目。中でもチェックしたいのは、オイル美容液とインナージェル!
写真左から
エストール® デリケートソフトウォッシュ(ボディ用洗浄料) 100ml 2,475 円(以下10%税込)/以下アドバンスト・メディカル・ケア
唇よりも薄く、複雑なひだや凹凸のある皮膚も、刺激を与えずきちんと汚れを落とすアミノ酸由来の洗浄成分を厳選。大切な善玉菌を残して不快感を残さない。
同 デリケートソフトジェルクリーム(ボディ用クリーム) 100g 3,520 円
還元発酵乳酸菌®(皮膚コンディショニング成分)が善玉菌をサポートし、厳選した植物エキスで、肌トラブルを健やかにケア。
同 デリケートリッチオイルセラム(ボディ用オイル美容液) 15ml 8,800 円
乾燥や摩擦による刺激から、4 種の高保湿植物オイルで皮膚をバリア。高い保湿力とともに、ローズプラセンタエキスが失われがちな柔軟性を与え、ふっくらと潤いに満ちたフェムゾーンへ。
同 インナージェル ラクトバチルス乳酸菌配合 1.7g×10 本入 4,950 円
ラクトバチルス乳酸菌や乳酸、ヒアルロン酸配合のインナージェル。滑らかな使い心地でうるおいを届ける新しいアプローチ。あきらめていた不快感、潤い不足にも。潤滑剤としても使えます。
撮影(商品)/廣江雅美 取材・文/藤井優美(dis-moi)
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