【男の心理】「30代以上の女が怖い」それって過去の○○のせい…?
OTONA SALONE / 2017年8月1日 19時0分
「女は怖い」。昨今メディアを賑わせているゴシップの話題になると、男性陣はよくそういう感想を漏らします。「愛憎ゆえの女の怖さ」に思いを馳せると、私はいつも源氏物語の六条御息所(※)を思い出すのですが、彼女は作中、30代の設定。女性は年齢を重ねると、男性から見てどんどん「怖く」なってしまうのか…!? そんなことを考えさせられた出会いが、大昔にありました。
※六条御息所…高貴な身分で教養もある美しい女性。年下の光源氏に激しく恋をするが、浮気な源氏への嫉妬と正妻からの侮辱に狂い、源氏の正妻のもとへ「生き霊(物の怪)」となって表れるように。最後は絞め殺してしまう。
「20代後半以上の女は怖い」と言ってのけた男
ひと昔前、23歳の頃。仕事を通じて知り合った38歳の男性がいました。当時の私には随分年上の男性でしたが、見た目も若々しかったので、あまり歳の差は感じませんでした。
しかし、少し仲良くなってきた頃、彼はぽろっと漏らしたのです。「俺、20代後半以上の女の人が怖いんだよね」と。その後もことあるごとに「結婚を迫ってくる女性は怖い」「自分の姉のように叱ってくるから嫌い」「大人の女性はキレるから怖い」などと、聞いてもいないのに呟いていました。今思えばこんなクズ発言はないのですが(笑)、当時の私にはその言葉の奥にあるものがいまいちピンと来ず、聞き流していました。
「俺も、もう歳だからさ」というのも口癖でしたが、大人とは思えない身勝手で甘えた言動が徐々に増えてきたため、「なんか違うかも…」と思うようになり、交際はお断りをさせていただいたのでした。
そのくせ、30になっても連絡が来た
その後、会うことはなくなったのですが、彼はたまに連絡をよこしてきました。誕生日やクリスマスなどの、分かりやすいタイミングで。返事は一切していませんでしたが、気がつけば、私は彼が怖いはずの「30歳」になっていました。
「私もう30ですよ〜」と画面を眺めながら、ふと思ったのです。もしかしたら彼は「女の人に熱烈に想われるのがイヤ、怖い」ということだったのではないかと。
女性は恋をした相手にこそ、ひどく感情的になる。なんとも思わない男性には、直接怒るのも面倒くさいし、感情を伝えてわかってもらいたい、とも思いません。私は熱烈に彼を想うことはなかったので、だからこそ彼を「脅かす」ことがなかった。そのため、30を超えても「大丈夫」な感じに見えたのかもしれません。
「でも、熱烈に恋したら、私も六条御息所みたいに怖くなるよ」と、30歳になった私はもう自覚していました(詳しくは過去の「初恋に戻る男( https://otonasalone.jp/31075/ )」の記事で…)。
実は、過去の恋愛でハデにこじらせたのが原因かも…?
単純にロリコンだったのかもしれませんが、あれほど「女が怖い怖い」とシリアスに連発していた男性は、後にも先にも、その男性しか知りません。もしかしたら、彼はちょっと綺麗な顔に生まれてしまったがために、姉や母や周囲の女性から「熱烈に愛される」経験が多かったのかもしれません。それゆえに、女性が内に秘めている「迫力」が怖くなってしまったのかも!?
極端な例はさておき、女性に一切の感情をぶつけられるのが嫌ならば、「たいして自分を好きではない女」としか付き合えなくなりますよね。嫉妬もせず、ひたすら可愛く献身的な愛情だけを捧げられる人もいるでしょうが、何があってもそんな態度で接することできる女性は、そうそう転がっていないはず…。
ここまで考えたところで、ハッと気付きました。あれはまさしく「こじらせ」という状態ではないかと。彼は彼なりに過去の恋愛でこじらせていて、がっつり向き合うような恋愛から無意識に逃げていたのではないか。だから、自分に惚れていない、かつ激しい愛情をまだ知らない年下女を追いかけては、寂しさを満たしていたのではないか…と。
年齢を重ねたら、少しだけ彼の気持ちが理解できた気がする
「女性が怖い」という男と、「男性を尊敬できない」という女との精神構造は、実は同じなのかもしれません。異性に大きな期待があって、でもそれを裏切られた悲しみがあって。本当は心から可愛いと思いたい、愛したい、という思いがあるからこそ、傷つくたびに異性が怖くなって(嫌いになって)しまう。ああ、ロマンチストの愚かな罪。
今なら彼の心の傷も、少しは理解できるような気がします。ねえ、つらい経験は人をこじらせるよね(だからといって、若い男性しか嫌なんて言いませんけど)。
ちなみに、六条御息所は嫉妬に狂う自分の醜さと愛を失った事実に気づき、最後は自ら彼のもとを去っていきます。そんな毅然とした姿勢を見て、源氏は改めて彼女を見直したりもします(そんなところがまた罪な男)。
誰かを熱烈に好きになれば、恥ずかしいことや愚かなこともしてしまうのが人間。自分の中に「そういう自分」がいることも、大人になれば否応なく知ってしまいます。でもそういうところにこそ、人間の深みや面白さがあるはずで、ウディアレンの映画を見ろと言いたい。どんな女も歳は取るんだからな! お前もな!(笑)てね。
「38にもなると、男でもこういうの塗らないと乾くんだよ〜」と言いながら、ハンドクリームをよく塗っていた彼。
「わかるよ。ハンドクリーム、夏でも使うよね」。今の私が伝えたいのはそれだけです。随分と時が経ちましたね。今の世界はどう見えていますか? どうかお元気で。
次回は「信号無視で怒る男」です。
「アラサー以上の女が怖い」という”こじらせ男”の末路【東京恋愛観察図鑑#8】
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