44歳、モデル美元が語る「あの離婚騒動の背景にあった」事実【1万字インタビュー】#1
OTONA SALONE / 2024年1月9日 21時0分
女優・モデル・ビューティ&ウェルネスコーチの美元(みをん)さん。2000年にミス・ユニバース・ジャパンの大会で準グランプリに選出され、国際的女優・モデルとして活躍したのち、2008年に髙嶋政伸さんと結婚。しかし、2012年の離婚後、表舞台からは忽然と姿を消していました。
その後、美元さんは単身シンガポールに渡り、ゼロからの再起を目指して現地でオーディションを受けるなどの活動を継続。2013年にシンガポール人のご主人と結婚して移住、2019年にはミセスシンガポールの大会に出場し、みごとグランプリを受賞。
考えられないほどの強いバッシングを受けながらも、これまでほぼ弁明をすることがなかった美元さん。『これからは、自分の経験を伝えて誰かの力になりたい』と言う彼女に、オトナサローネは「これから訪れる更年期への備え」と、「セカンドマリッジと海外移住に至るまでの経緯」について伺いました。最初にまず、あの離婚騒動の背景から。
「真実が伝わらない……」過熱報道で失ったもの
「真実と異なることが執拗に報道されました。ついには自分だけでなく父も兄も、亡くなった母まで悪口を言われました。仕事仲間や友達にまで飛び火していくさまを目の当たりにして」
これまで、自分だけに起きる試練ならば、でこぼこ道から得るものもあるよねと自分に言い聞かせて乗り越えてきたのですが…と、一言ずつ探し出すように慎重に続けます。
「私の仕事先や活動先だけではなく、父の会社に週刊誌の記者から電話がかかってきたり、同級生のブログに大量の悪質コメントがついたり。あたり構わず火の粉が飛び始めました」
次ページ▶あの騒動の裏で「実はこういうことが起きていた」全然聞いていた話と違う…?
仕事先にも押し寄せるマスコミ。歪曲されていく報道
報道では、美元さんが金の亡者で元夫の貯金を使い切ったと言われましたが、全く事実ではなかったそう。家の中でのWi-Fiすら別々に契約して自分で支払うように言われていたほど、家計はまったく別でした。
結婚当時はモデルや女優業のほか、ライター、ウォーキング講師などもしていた美元さん。ところが、「仕事を続けてほしい」と言っていた元夫から、結婚後に突然「仕事に行かないでほしい」と言われ、悩んだ末に実際にすべての仕事を休止しました。
10代の頃から貯めていた貯金を切り崩しながら生活費を捻出していたので、やがて離婚したいと別居を申し出た頃には貯金も底が見えていました。思い切って仕事に復帰したものの、離婚報道以降は一度確定した仕事さえ軒並みキャンセルに。
「やっと決まった舞台のお仕事も、稽古場や劇場にマスコミが来て共演者や観客の方々に迷惑をかけるので『次は使えない』と言われました。近所のレストランでバイトを始めたら、そこにも取材の電話がきて」
ついに結婚前から続けていた子ども支援のチャリティー活動にも火の粉が飛び始めます。一緒に活動してきた賛同者の人たちすら、あまりの過熱にやむを得ず離れていってしまったそうです。
「結婚前から続けていたチャリティー活動も、元夫のお金を使っているという事実と全く異なる報道をされました。一緒に活動していた仲間たちのブログなどにも悪質コメントが殺到して、彼らの本業にも支障をきたすほどでした。同じころ、家族や親戚が元夫のお金で生活していると事実無根の内容で批判されました。自分のせいで大切な人たちが傷つけられてしまうことが本当につらかったです」
次ページ▶「本当にそんな、ドラマみたいなことがあるんですね…」言葉を失うような裏切りにあう。決断は
裏切り、圧力、捏造…「誰を信じて良いのかわからない」
過熱していく報道を止めようとしても、事態はどんどん悪化していきます。
たとえば、マスコミ対応について相談した業界関係者が「美元に脅された」と週刊誌に話し、それが事実かのように報道されました。元夫の主治医が登場したことがご記憶にあるかもしれませんが、美元さんを一度も診察したことがないにもかかわらず、精神疾患があるかのように公の場で発言されたそう。それをきっかけに美元さんは「サイコパス」と大きく報道されます。
「『あなたを兵糧攻めにするのは簡単です』と、味方だと思っていた法曹関係者にも裏切られました。彼がしたことは、『利益相反』や『懲戒請求』にも相当する内容でした。その後、当時の所属事務所への謎の圧力も起きて、突然解雇されました。誰を信じて良いのかわからなくなりました。」
そう美元さんは振り返ります。そんなとき、美元さんのブログ管理をしていた幼なじみが、無断で自分が掲載されている過去の記事を削除していたことがわかりました。彼女のブログへも悪質コメントが大量に届くようになったことが原因でした。報道以前は「ブログに載せてもらえてうれしい」と言っていたのに。そんな現実を知ったときの美元さんの気持ち、想像できるでしょうか。
「『いつか生まれてくる子どもに読んでほしい』と、結婚前から書いていたブログです。騒動当時は1日のアクセス数が600万件を超えて、ランキングも1位になっていました。でも当時は捏造報道にSNSで反論することはよしとされていませんでした。ブログの一部を切り取って悪意を持って伝えられる記事や、それに誘発されて激増する悪質コメントに悩みに悩んで、結局はブログ自体を休止しました」
誰を信じればいいのかわからないばかりか、自分と関わりを持つことを迷惑に思う人すらいる。日本の芸能界での仕事を続けたい、そんなごく当然の思いが思わぬ足かせになり、芸能界の圧力や、「こう言わなければならない」「あれはタブー」という発言の制約にも苦しみます。
「ある日家に帰ろうとすると、自宅の前に大きなカメラを構えた記者の姿が見えました。今思えば堂々と事実を伝えればいいだけだったのですが、発言を不本意に受け取られることも、そのせいで誰かを傷つけてしまうことも繰り返したくなかったので、父に電話をして、パスポートを持ってきてもらい、着の身着のまま空港へ向かいました」
自分が日本からいなくなることで周囲の人たちを守れるのではと思っての、とっさの行動でした。そのときは、まさかそのままシンガポールに移住するとは考えてもいなかったそうです。
現在はシンガポールで家族を築き、モデルや起業家としても活躍する美元さん。次回は、その七転び八起きマインドを培った幼少期について伺います。
つづき▶「ネグレクト、いじめ、不登校」…華やかなモデルが過ごした壮絶な子ども時代
撮影/畠山あかり ヘア&メイク/kanagon。
≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫
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