決め手は「年長から始めたくもん」。新6年の息子、迷って迷って「中学受験」を決めるまで【のほほん母さんの中学受験2024】#1
OTONA SALONE / 2023年3月19日 20時0分
はじめまして。フリーライターをしていますモコと申します。
簡単に自己紹介させてください。フリーライター歴は約20年。組織に属さない気楽さがある反面、何事も自分次第という職業柄、どうしても不規則な生活から離れられず、家族もそんな私の浮き草的ライフスタイルに振り回されながらも今ではすっかり慣れきって、なんとかまあ支え合ってやっている、という感じです。
家族構成は、私43歳、夫44歳、息子11歳、娘8歳、うさぎ1羽。
この連載の主人公である息子は、家からほど近い東京都内(23区)の公立校に通っており、2023年の4月から6年生になります。夫は都内企業に勤める会社員、娘は息子と同じ小学校で4月から3年生になります。
【連載・のほほん母さんとちゃっかり息子の中学受験@2024】第1話
息子はあまりに「数」が好きすぎた。保育園時代からその片鱗が
我が家の中学受験記ということで、まずは一番最初の記憶から振り返ろうと思ったのですが、恐ろしいほどに古い記憶が残っていませんでした(笑)。そんな忘却の彼方から極細の記憶の糸をたどって、なんとか思いだせた息子のエピソードが二つあります。
まず、息子は小さい頃からとにかく「数字」が好きな子供でした。今も算数が一番好きであり、得意科目です。保育園の年中の頃には一桁の足し算を覚え、年長になると二桁同士の足し算をしていました。
ですが、我が家で足し算力が鍛えられた理由は、今もそうですが「ケチだったから」。駄菓子屋さんに行った時、限度額ギリギリまでお菓子を買いたいという強い一心で、一人でブツブツ計算しながらお菓子を選んでいた記憶があります。好きなお菓子を買って10円余るぐらいなら、あまり好きではないお菓子を買ってぴったり使い切ることに快感を得るくらい、損をするのが嫌いな子でした(笑)。
ちなみに11歳になった今も、1000円渡してお遣いを頼み「余ったお金は好きに使っていいよ」と言うと、お釣りは3円ほどしか戻ってきません……。
もうひとつ、強烈に記憶に残っていることは、車でドライブする際の息子の時間のつぶし方です。それは「すれ違う車のナンバープレートの高速足し算」。4桁のナンバーを前後二桁ずつに分けて、車同士がすれ違う一瞬の間でその二桁同士を足し算。その遊びを飽きることなく、チャイルドシートにふんぞりかえりながら一人でずっとやっていたことを覚えています。
ちなみに私は根っからの文系。暇さえあれば計算ばかりしている5〜6歳の息子を見ながら、「世の中にはこんな子もいるんだー」と理解に苦しんでいた記憶があります。
疑問を持つより前、保育園時代に「朝勉強」の習慣化ができたことは最大のラッキー
息子は、年長からくもんに通い始めました。くもんを選んだ理由は、「得意な計算力を伸ばしてあげたい」という思いももちろんですが、どちらかというと「勉強習慣をつけさせたかった」から。1日5分でもいいので「当たり前に勉強をする」という習慣をつけるには、くもんがぴったりでした。
我が家は共働きで、子供たちの保育園のお迎えは毎日18時すぎ。帰宅から就寝までは「戦時のごとく」燃え盛っているし、親も子も疲れているため、「勉強しよう」という余力はありません。当然の成り行きで、くもんの宿題は朝ごはんの後にすることに決まりました。ラッキーなことに息子は寝起きがいい方だったので、7時に起きて朝食が終わるのが7時半、それからサクサクとくもんに取り掛かっていました。くもんが終わって保育園に出発するまでの時間はテレビを見ていい、という約束にしていたので、集中して15分ぐらいで終わらせていたと記憶しています。
今も「朝勉強」の習慣が続いているのは、「やらなくてもいい日」を作らなかったおかげかもしれません。夏休みに長期で祖父母の家に行く時や、大晦日や元旦、旅行先でも、朝食後にくもんを少しでもやる、というのは変えませんでした。「なぜやらなければならないのか?」という問題意識が発生しないくらい幼いうちから「洗脳」しておくことで、そのことになんの疑問も持たず今も継続できているのだと思います。
「中学受験」を決断できた最大の決め手は、親から見た「精神年齢の高さ」
今回は息子の保育園時代までの勉強遍歴をお伝えしましたが、小学校に入ってからの我が家の怒涛の変化や、息子の勉強の仕方は次回またお話しします。
息子を私立中学を受験させようと決めたのは、まず「受験勉強に耐えられるタイプ」だと判断したからです。これは意外と大事なこと。いくら親が望んでも、子供が望んでも、そもそも「勉強が嫌い」「飽き性でひとつのことが続かない」というタイプだと、厳しい中学受験を乗り越えることは大変なのでは、と思います。もちろん子供は成長するので、最初は向いていなくてもみるみる変わっていくことがあるのも承知しています。
その点息子は、
- 勉強が好きだった(特に算数)
- じっと机に向かえるタイプだった
- ゲーム感覚でテストの点数を伸ばそうとするタイプだった
- 親の言うことを受け入れるわりと「素直」な性格だった
- 損得勘定で判断ができる「大人な」考えの持ち主だった
こういった彼の特性を感じて、「これならメンタル的にも中受を乗り越えられるのではないか」と判断したのです。案の定、入塾を勧める際も、親の方から中受をするメリットを理路整然と伝えて、本人もすぐに納得してくれました。
「中受は精神年齢が高くないと難しい」とはよく聞く理論ですが、まさにその通りだと思います。「遊ぶ方が楽しい。でも遊んでばかりいると、後でツケが回ってくる。そのためには今勉強しておいた方があとあとお得」という考えができる「ちゃっかり息子」だからこそ、違和感なく塾通いを始めることができたのだと思います。
そんな息子は着実に「算数男子」としての道を邁進中
現在5年生(次の4月で6年生)の息子は、小学4年生の4月から自宅からほど近いところにある「早稲田アカデミー」に通っています。早稲田アカデミーを選んだ理由は、単純に「自転車で通える距離だったから」。我が家の立地的に、電車に乗ればサピックスなどの大手塾に行くことも可能ではあったのですが、やはり入塾してしばらくは親の送り迎えが必要。共働きの身としては現実的に「無理」ということになり、一人で自転車で行ける距離にある近所の早稲田アカデミーを選びました。
4年生の4月に入塾した時はBクラスからのスタート。算数は好きではあったのですが、それまで「受験的な」算数に触れたことがなかったので、しばらくは平均的な点数しか取れませんでした。中でも一番苦手だったのが社会。詳しくは次回にお話ししますが、我が家は3年生が終わる頃まで2年間アメリカに住んでいたために、息子の日本の地理に関する知識はゼロ。小4の4月の時点で、都道府県、県庁所在地はひとつも知りませんでした。
帰国後すぐ早稲田アカデミーの入塾テストを受けて、衝撃的な社会の点数をつきつけられた時、親子で「都道府県なんて一生覚えられる気がしない」と冷や汗をかいたのを覚えています。あ、あと当然漢字も書けませんでしたね(笑)
その際に塾の先生が「大丈夫ですよ。漢字も地理もすぐに覚えられますよ」と励ましてくれ、「帰国生だから」という条件付きで入塾を認めてもらいました。そんな風にして、彼の中学受験の旅はBクラスからスタートし、「受験としての勉強」に慣れるまでだいたい半年かかりました。組み分けテストを受けてもなかなかBクラスから抜け出すことができず。初めてCクラスに上がれたのが、4年生の11月。ゼロからスタートした社会と漢字がなんとか人並みに追いつき、テストでいい点を取るための勉強の仕方を覚えたきたのが、この頃だと思います。
第一回目は、親子で中学受験を決意するまでの勉強遍歴をお伝えしました。進学塾は2月で学年が変わるため、現在彼は6年生として勉強に励んでいるわけですが、今はなんとかSクラスで頑張っています。
次回は、Sクラスに入れた息子の「ちゃっかり勉強法」と、隣から「いよっ、がんばれっ!」と応援するしか術を知らないのほほん母さんのお話をお届けします。
●今週のおしゃべり●
私「志望校、男子校じゃなくて共学にしたら? 彼女できるかもよ」
息子「え、別に男子校に行って彼氏ができてもいいじゃん」
私「たしかに。そりゃそうだ」
息子の中のダイバーシティは、私が思っているより進んでいるようです。
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