もう、一生セックスしないのかも…。【40代、50代の性のリアル】#1(前編)
OTONA SALONE / 2023年4月21日 22時30分
したい・したくない、する・しないーーセックスについての選択や可能性はいつだってこう単純に分けられるものではなく、幅広いグラデーションがあり、その日そのときの気分でも変わるもの、相手あってのことなので、自分のひとりの思いだけではどうしようもできないことも、多々ある。
それは年齢や、これまでの人生経験値にも大きく影響される。40代を迎えた女性たちの、性の現在地はどこにあるのか。そしてこれからどこへ向かうのか。
OTONA SALONEは、「幸せの尺度は、それぞれ違う。大切なのは『自分』が心地いいかどうか。他人や世間から、どう思われるかじゃない」と謳うメディアです。セックスすればきれいになるとか、しないと女として終わるとか、そんな言説はどうでもいい。したいしたくないを自分で見極め、するもしないも自分で決められるヒントを探るための【40代、50代の性のリアル】、リバイバル配信スタートします。
セックスがなくても、困らない。
「もう、私は一生セックスしないのかもしれない。最後にセックスしたの、いつだっけ?」
--44歳、未婚のミナエさん。同じく独身の女友だちとの食事中に、そんな話になった。そのときは酔いも手伝いはっきり思い出せなかったけど、帰り道に指折り数えたところほぼ10年。32~34歳のあいだ交際していた恋人としたのが最後だった。
「私はおつき合いしている人以外とはしないので、彼と別れて以降はまったく。40歳を迎えたころから、漠然と『私はこの先も結婚しないし彼氏も作らないだろうな』と思っていて、だとしたら今後、セックスすることはもうないのかもしれない。そう思いながらふり返ってみたら、最後から10年も経っていました。少し驚きましたが、していない状態が日常になっているので、特に困ったことも思うところもないんですよね」
セックスが好きだったことは、これまでに一度もなかった。年齢なりに男性と交際経験があり彼らとはベッドを共にしてきたけれど、いつもどこか冷めていた、とミナエさんは話す。セックスに夢中になる、快感に身を委ねるということがまるでわからなかった。
幼少期の体験が影響?
「一般的にセックスってすてきなことだとされていますよね。でも、私にはあまりそう思えないんです。最中に、自分が天井から見下ろしているような気分になることがあって、そしたらベッドの上でふたりそろっておかしな体勢で絡み合っている。美しくない! って思っちゃうんですよ。なんて滑稽なんだろうって。だから相手には悪いですが、早く終わらないかな、とばかり考えていました」
こう聞くと、とても消極的な女性をイメージされるかもしれない。しかしミナエさんの第一印象は、都会的で洗練された、働く女性。話しにくいと思われる内容も言いよどむことなく、率直な言葉で伝えてくれる。「周囲の人からはサバサバしたキャラだと思われている」と教えてくれた。
「小さいころから女の子に見られたくなかったんですよ。幼稚園に入ってすぐ、男の子2人からスカートめくりをされて、それが心からイヤだった。幼いながら一生懸命考えて出した結論が、スカートを履かなければいいんだってこと。小学校ではもちろん、中高に通っているときも制服以外ではほとんどスカートを履きませんでしたね。家でも学校でも、いわゆる“女の子らしい”といわれることは極力避けていて、家庭科の実習はいつもふざけてごまかしていました。ずっとショートヘアで、小学校高学年になっても毎日外で遊んで真っ黒に日焼けしていたから、よく男の子に間違われましたよ」
恋愛は、遠い世界の出来事
当時の写真を見せてもらった。細い身体はこんがりと焼け、無邪気な笑顔は思春期の屈託とは無縁に見える。思春期にさしかかると、友だち同士で少女漫画を貸し借りすることも増えてきた。主人公の恋愛にドキドキはしても、自分とは違う世界のことしか受け止められなかった。恋愛なんて自分とは関係ない。
中学に上がれば現実に男女交際するクラスメイトが出てくるが、ミナエさんはこれまでどおりスポーツに励み、男子生徒ともよく遊んでいた。彼らから“女の子”として扱われることはなかったという。
「私の恋愛観やセックスについての考え方って、思春期のころで止まっているのかな。好きな人ができたら、手をつなぎたいとは思います。男性と女性とのあいだで起きる接触で、それが一番キュンとするから。それ以上を求められても拒否はしないし経験もあるけど……私にとっては手をぎゅっとされるのが恋愛のクライマックスで、キスもそんなにしなくていい。すごく少女漫画的ですよね。いまどきの中高生のほうがもっとオトナかも」
自分の「キャラ」を裏切れない
それでも、大学生になって初めての彼氏ができた。初体験の相手も、その男性。したいわけではなかったが、「そういうものだ」という思いもあった。いざその場になると、日ごろの“快活なサバサバキャラ”を崩すことができず戸惑いを覚えた。
「こういうキャラを期待されているんだろうと感じると、そう振る舞ってしまうんです。これは、いまでも変わりません。20代のときつき合った彼も、風俗店に行ったことを平気で私に話してくるんですよ。彼氏彼女になる前からそういう話を聞いていて、私がそれに対して好奇心からアレコレ訊いたからだと思うんですが……でも、それも“ミナエはこういう話を面白がるキャラだ”と思われているのを感じたからなんですね。本音ではイヤだったけど、いえなかった。結局彼は『僕のことそんなに好きじゃないでしょ』といって去っていきました。そりゃそうですよね、彼の気持ちもわかります」
その後も性的な物事とは距離を置いてきたミナエさんだが、お話を聞いていても「セックスから逃げている」とは感じない。むしろ、その距離感を主体的に選んできたように見える。
≪フリー編集&ライター 三浦ゆえさんの他の記事をチェック!≫
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「嫌われて上等!」ファンに「うるせぇな!」彼氏や“フレンド”がいることも公言するシン・炎上アイドル・胡桃そらはなぜ全てをさらけだすのか…港区育ちの箱入り娘も「初めての相手は暴走族でした」
集英社オンライン / 2024年7月6日 12時0分
-
初めて「大切にされている」と感じた40代。5歳下の彼とスピード結婚。今の幸せがつかめたのは「初対面で○○しなかった」から
OTONA SALONE / 2024年7月3日 18時1分
-
30歳で初体験後、男性とは「割り切った関係」のみ。彼氏なしでも満足してたのに、結婚したくなったキッカケとは
OTONA SALONE / 2024年7月3日 18時0分
-
独身は職場で半人前扱い…「指輪」のために恋愛・セックス無しの"友情結婚"をしたアセクシャル女性の8年後
プレジデントオンライン / 2024年6月30日 16時15分
-
〈6月28日初公判〉「JCの“初めて”売ります。1万円」殺人未遂で逮捕の元“パパ活女子”が綴った苦難に満ちた28年。「中学生というだけで自分に価値があると思った」売春との出会いが彼女の人生を変えた
集英社オンライン / 2024年6月27日 17時0分
ランキング
-
1「ユニクロ・GU・COSのTシャツ」全部買ってわかった“本当にコスパが高い傑作アイテム”
日刊SPA! / 2024年7月17日 18時37分
-
2イケアのモバイルバッテリーに“発火恐れ” 製造不良で一部自主回収…… 海外では事故も発生
ねとらぼ / 2024年7月17日 20時10分
-
3第171回芥川賞は朝比奈秋さんと松永K三蔵さんがダブル受賞
産経ニュース / 2024年7月17日 18時4分
-
4なぜ?「N-BOX」新型登場でも10%以上の販売減 好敵「スペーシア」と異なる商品力の改め方
東洋経済オンライン / 2024年7月17日 9時30分
-
5ドラマ「西園寺さん」ヒットの予感しかない3理由 「逃げ恥」「家政夫ナギサさん」に続く良作となるか
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください