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年をとると、デリケートゾーンも顔と同じようにたるんでいくんです。そこで起こる問題とは【宋美玄×アルテイシア】7

OTONA SALONE / 2023年5月26日 20時30分

更年期世代から始まり、閉経後の女性の約半数に起こると言われている「GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)」。

ひらたく言うと尿漏れ、頻尿、性交痛など「おシモ」の諸症状のことですが、なかなか周囲に相談しにくく、ひとりで悩んでいる女性も多い問題です。

そこで今回オトナサローネでは、産婦人科医の宋美玄先生と作家のアルテイシアさんをお招きし、読者50名の皆様と一緒に「おシモ」の問題に関してオープンに話す公開オンライン取材を開催しました。

1時間半の取材を13本の記事に起こし、丸ごとお届けする本連載。この記事は7本目です!

【宋美玄×アルテイシア公開取材全文ログ#7】

更年期のシモのお悩みトップ3とは

編集部:更年期って、肩こり等のいちばん多い症状から始まって、指が痛いとか、本当にありとあらゆる症状が出るんだなと認識しています。40、50代で婦人科にかかってくるときのお悩みのコアはどんなものが代表的なんでしょうか?

 

宋先生:シモのお悩みでいくと、かゆみ・性交痛・尿もれという感じかな。尿もれは泌尿器科に行っていらっしゃる場合もあるから、婦人科で拾えていない部分もあるかもしれないけど。

 

編集部:性交痛の発生頻度というのは謎な部分があります。読者アンケートで性交痛について聞くと、あまり意見が上がってこないんです。尿もれも思ったほどは上がってこない。性交痛に関しては、そもそもレスだから本人が気づいていないという説もあります。更年期世代は「してみたら痛い」のが普通なのでしょうか?

 

宋先生:普通まではいかないけど、他の世代よりは増えますね、性交痛は。

 

編集部:膣が萎縮する、粘膜が薄くなる等は普通に起きているのだと?

 

宋先生:女性ホルモンが減ると、骨盤内を栄養する血管が減っていくので、まず乾いてくるんですよ。で、もっと年をとると、さらに萎縮してくる。なので、そういう意味では、最初乾いてきて、かゆみとかの症状が出て、そして性交痛どころか、性機能障害が出てくる感じです。

 

編集部:何歳くらいから出始めるんでしょう?

 

宋先生:閉経間際ですね。50歳前後。分泌物とかも減ってくるし、膣も乾くし、デリケートゾーンもカサカサになってくるんですよ、そのせいでかゆくなる。でも、かゆみって原因の判別が難しくて、おりものでかぶれてもかゆくて、乾燥でもかゆい。

 

アルテイシアさん:夏は蒸れてかゆいし、冬は乾燥してかゆいし、春夏秋冬かゆいのでは?

 

編集部:かゆみのホルモン治療は、経口ですか?それともジェルを直接塗る?

 

宋先生:全身に投与した場合でも、もちろんデリケートゾーンに効きます。それで足りない場合は膣に直接タブレットを入れたり、処方薬ではないけれどエストロゲンの入ったクリームや軟膏を塗ってもらってます。ヒメロスとバストミンです。

 

アルテイシアさん:フェミニーナ軟膏みたいな?

 

宋先生:フェミニーナはヒスタミンブロックだけど、(先のクリーム・軟膏は)女性ホルモンが入っている。うるピチになるよ。

 

編集部:65歳くらいの先輩に伺ったのですが、「膣まわりの皮膚がカサカサになるのよ」って言われてエッと思いました。

 

宋先生:カサカサになるし、肌の弾力性が損なわれるから、器具がうまく入らないこともあります。

 

アルテイシアさん:最近読んだマンガにも出てきましたけど、「しなびたみかんの房」みたいになるって…。

 

宋先生:そう、みかんを大量にもらって食べきれずに最後の何個かの中が痩せてシュ~ってなる、あんな感じなります。

 

編集部:もれなく皆さんそんな感じになるのでしょうか!?

 

宋先生:なりますね。だって、顔もそうなるでしょ?

 

アルテイシアさん:みんなでみかんになって、シスターフッドですね(笑)

 

デリケートゾーンも、顔と同じでたるんでいく

編集部:以前機会があって、70代の女性の陰部の医療写真を拝見したときに、みなさん大陰唇が消失してツルッとしたおまたになって、尿道口がぽっかり大きく開いていました。あれはみなさん、そうなられる?

 

宋先生:基本は、なっていきますね。皮膚の下のコラーゲンが減っていくから。寝転がると大陰唇が下に垂れるんです。ほっぺたが落ちてきて、ほうれい線ができるじゃないですか、それと同じで大陰唇がダルんってなる。尿道口が開いて見えたのは、そうやって尿道がむき出しになるからじゃないかな。

 

アルテイシアさん:セックスって薄暗いところでやるから、見せるわけじゃないし、べつに困ることないと思うんですけど。

 

宋先生:男性も硬さが減ってきたりするので、昔と同じ角度で挿入できなくなる。「こう入れよう」と思ったときに男性がフニャっとなってるし、自分のデリケートゾーンの入り口の角度とかも変わってて、スムーズなセックスができなくなるっていうのはあると思う。もちろんそれは痛みにも繋がるし。

 

アルテイシアさん:角度を工夫すればいいというものではないの?

 

宋先生:日本ってさ、特にお年寄り世代で「今こういう状態だから、こうやって!」って自分で把握して、相手に言える人はあまりいないです。やたらと阿吽の呼吸が求められへん? それでスムーズにいかなくて、なんとなく雰囲気が悪くなったり、そういうのはあるよね。

 

アルテイシアさん:そうですね。自分でひらりとまたがって、自分で角度を調整して入れる…みたいのだったらうまくいくのかもしれないけれど(笑)

 

▶▶次ページ「介護脱毛は本当に必要なの? 自分の体のことは『他人のため』にではなく『自分のため』に決めたい」に続きます

 

 

 

(文/星雅代)

 

≪主婦の友社 OTONA SALONE編集部さんの他の記事をチェック!≫

 

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