セックスレス。したい私と、したくない夫。【40代、50代の性のリアル】#5(前編)
OTONA SALONE / 2023年4月25日 22時30分
日本はセックスレス大国だ、とよくいわれる。一般的に、健康な男女のカップルに「1カ月以上、性交渉やセクシャルコンタクトがないこと」をセックスレスという。国内の既婚男女におけるセックスレス・カップルの比率が50%弱、つまり2組に1組がレスになっているとする調査結果もある。
したい理由は、人それぞれ
数字だけ見るとセックスレスはちっともめずらしくない。双方ともにしたいと思っていなければ特に問題はないが、片方がしたいけどもう片方はしたくない、という場合が困る。セックスがないことでふたりの関係そのものに影響を及ぼすことも少なくない。
性生活に関する調査を見ると、「なぜしないのか」を訊ねる項目が必ずある。「面倒」「疲れている」などがメジャーな回答で、日本の労働事情を考えるとそれも無理はないと思わされる。
その一方で、なぜか「したい」理由を問われることは少ない。したいのは「性欲」ゆえだと思われているのだとしたら、とんでもない。したい人の背景だって、いろいろある。
サトミさん(40歳)と3歳下の夫とのあいだには、いまはまだセックスがある。いまはまだ、というのは、今後なくなってしまうかもしれないとサトミさん自身が予感しているからだ。現在は、月に1回あればいいほう。サトミさんはこのペースを不満に思っている。
「10年前に結婚した当初は、週2ぐらいでした。でも、夫にその気がなくなっちゃって」
夫婦仲はいいけど、セックスレス
「周囲の友人に聞くと、家事育児に追われている妻のほうがしたがらないっていうのがパターンみたいですけど、ウチは逆。まだ手のかかる子どもが2人いて私が育児に追われているぶん、夫は家事をかなり引き受けてくれます。仕事もフルタイムでしているうえでの家事労働なので、疲れているのが原因かも……。でも、夜中にずっとゲームしているときもあるんですよね」
そう話すサトミさんにも仕事がある。近隣にきょうだいが経営する飲食店があり、そこを手伝っているが、子どもを保育園に送ってから仕事、子どもを寝かしつけてから仕事、場合によっては早朝から仕事……といった調子で自分自身の時間はほとんどない。
「お互い忙しいせいもあるのか、夫とのあいだに子どもの両親としての会話はあっても、大人の男女としての会話はほとんどないですね。ふたりで出かけるのは3カ月に1度あるかないか。どこの家庭もそんなものなのでしょうが、こんな調子だからたまにセックスするときもムードはゼロで、『今夜する?』『ああ、いいよ』で始まって、終わったら『じゃ、おやすみ』といって寝る。私はもともとムードを必要としていないのですが、それでもあっさりすぎだなぁと苦笑することがあります」
ハウツー本には「話し合いが重要」とあるが、サトミさんの場合は
何度もふたりで話し合った
筆者はこれまでハウツー・セックス本を何冊か作ってきたが、そうした本では「セックスレスになってから復活させるのはとてもむずかしいので、そうならないように予防を」と書いてある。さらにはセックスレスにならないためにも、「ふたりでよく話し合いを」と続く。けれど、話し合うべきだとわかっていてもそう簡単に話せない、という声が多い。しかしサトミさんは、
「ウチは膝を突き合わせて話し合いましたよ、何回も。けれど、どれだけ話しても平行線。する日程をあらかじめ決めておこう、っていう案も出たんですけど」
忙しいふたりだから、その日に向けて予定を調整していくという考えなのだろうか。
「はい。でも、それって味気ないねって話になっちゃって」
そしてこの方法では、セックスレスになった理由の根本的解決にはつながらない。
「夫は、もう性欲がないそうですよ。私も結婚当初と比べると減ってきてはいますが、それでも週1ぐらいではしたい。いまのままでは欲求の持って行き場がないから不倫するしかない、と考えたこともあります。マッチングアプリを試したこともあるんですが、会うまでにも至りませんでした……それというのも、私が潔癖症だからです」
子どものころの影響が今も
恋愛やセックスに対して潔癖で、それは子どものころの体験に根ざしているーーとサトミさんは自分のことを分析する。サトミさんの母親は、常に男性に依存して生きていた。家にもしょっちゅう男性を呼び入れ、子どもの前でもお構いなしでイチャイチャしていた。小学生だったサトミさんは、母と男とのセックスまで目撃している。
これだけでも虐待に相当するが、母の再婚により義理の父親になった男性から性虐待を受けた。サトミさんはそのときから男性を信じられなくなった。
「10代のころは意識して男性を遠ざけたこともありますが、そのうち彼氏ができ、セックスを知って潔癖症も少しはやわらぎました。だけどいまも、すごく性にとらわれてしまうところがあるんです。性虐待を受けた人によく見られる現象らしく、潔癖症になったり依存症になったりするそうです。私の場合はその両方。仕事にはずっと依存しているし、若いころからセックスにも依存してきました」
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
医師に聞く!「更年期セックスレス」の解決策&対処法
ハルメク365 / 2024年6月28日 22時50分
-
共働き“子なし”夫婦のすれ違う日常。食事も寝室も別、週末も別行動の妻とは「2回だけ…」
オールアバウト / 2024年6月17日 22時5分
-
セックスレス「話し合ったことがある」夫婦の割合は? - 「もうしなくていい」の声も
マイナビニュース / 2024年6月3日 17時5分
-
里帰り出産中に怪しい気配を感じました… 家事代行サービスの依頼をきっかけに「夫婦の信頼関係が崩れたきっかけ」【前編】
ananweb / 2024年6月2日 20時45分
-
パートナーと1年以上レス 既婚男女200人に聞いた 「疲れることをしたくない」「川の字で寝ているので難しい」
まいどなニュース / 2024年6月2日 19時45分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2「モノ屋敷の実家を片付け」嫌がる母と攻防の顛末 「絶対に捨てられない母」をどう説得したのか
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 13時0分
-
3朝ドラ「虎に翼」後半戦がますます面白くなる根拠 「パイオニアとしての成功物語」からどう変わる?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 11時0分
-
4まもなく上場「タイミー」やって見えた本質的課題 ガチの隙間時間ではできず、微妙に使い勝手に難?
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 12時0分
-
5「A-10を退役させろ」ついに年貢の納め時? スーパー攻撃機も「現代戦では使えない」を示したロシアのライバル機
乗りものニュース / 2024年6月29日 6時12分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)