「いいひと」だけど「セックスはしたくない」。婚活でネックになっているこの感情は【40代、50代の性のリアル】#6(後編)
OTONA SALONE / 2023年4月26日 22時31分
セックスは結婚生活において重要だけど一部でしかないからそれも道理で、しかしこれが一致しないことで苦しい思いをしている夫婦、カップルは世の中にごまんといるし、離婚の原因にもなる。
<<この記事の前編:「婚活中のセックス、傷つくことも多かった」
いい人だけど、できない。
山梨県在住の男性も、すぐに会いにきてくれた。遠距離恋愛になるがそこから結婚までどんなふうに交際していくかのプランを事前にきかせてくれるなど、誠意を感じた。が、やはり顔がダメで交際には至らなかった。
「いい人だけどセックスはできそうにない、って思っちゃうんです。お友だちとしては申し分ない方なのですが」
元夫は、沢村一樹似のイケメンだった。自分にとって相手の容姿はとても重要なのだと、アオイさんは婚活をとおして初めて気づいた。けれど程度の差こそあれ、多くの人がそうではないか。イケメンがいい、というのではなく、ひとりひとりの好みがある。
「私だって美人というわけでもないし、容姿だけで選ぼうと思っているわけではないのですが、無理な人は本当に無理……。かといって容姿の問題もなく、フィーリングも合いそう。だからセックスもしたけどそれでうまくいくともかぎらないのが、婚活のむずかしさですね」
安易にしないほうがいい?
アオイさんにそう思わせたのは、同じく東北在住の男性。会ってまもなく身体を求められたが、同じ轍は踏むまいとすぐには応じず、4回目のデートで受け入れた。
「そこから本格的に交際しようということになったのですが、以後はとにかく関係を迫られるようになりました。それでもいい方だし前向きに考えたいなと思っていたところ、2カ月後に先方からフラれちゃいまして。理由はよくわからないのですが、メンタルがかなり弱い方だったのでこちらも深く追求するのはやめました。でも、それでよかったと思っています。交際中もなんとなく物足りなさを感じていたので、結婚したら私、浮気に走ることになっていたかも」
その後も数人の男性と会い、なかにはアオイさんのほうから好意を寄せた男性もいた。しかし、彼からもフラれた。未練はあるがどうしようもない。
「婚活といっても大人の女と男が出会えば、数回合えばセックスを考えます。そこにまで至らない人も多いのですが、そうなりそうなときこそ慎重にならないとダメですよね。なのに安易に応じてしまったことを後悔しています。ネット婚活は気軽に出合える一方で、別れるのも簡単。深い仲になったうえで関係を築こうと思っていても、あっさり終わりになってしまいます」
▶別の結婚紹介所に登録しなおし、再スタートするが…
正解は、いまはわからない。
いまアオイさんは、以前登録していたのとは別の結婚相談所に入会している。
「苦戦中です。この年齢になって婚活をすると、現実をイヤというほど突きつけられます。つい自分を卑下してしまって、特別好きでもない相手につい合わせてしまうこともしばしば。まだ早いと思っているのにセックスをしてしまうのも、相性を見極めたいというのももちろんありますが、そんな自分の弱さからだと思います。ぬくもりもほしいです。そして、したあとは必ず不倫の彼と比較して物足りなさを感じ、もっと合う人がほかにいるんじゃないかと思ってしまう。それだけ私にとっては大きな存在だったのだと、いまさらながら思い知らされました」
セックスをすればいい方向に進むとはかぎらない。ただ、セックスをして初めてわかることもある。「これがベストのタイミングだった」というのは、その時点ではきっとわからない。
ただアオイさんは「気持ちよくなれないのは、自分が悪いわけじゃない」ことを知っている。これがベースにないまま、会って日の浅い相手とセックスするのは、きっとハイリスクだろう。
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