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「お金に苦しんだ私だから言える」梅宮アンナが語る、子どもを自立させるために大切なこと#4

OTONA SALONE / 2023年6月16日 21時0分

「アンナ流」お言葉をもっと読む

モデル・タレント、梅宮アンナさん。20歳でファッションモデルとして芸能界にデビュー。ファッション誌『JJ』の表紙を飾り続け、CMにもひっぱりだこに。30代では活躍の場をTVバラエティ番組にも広げ、まさに老若男女問わずお茶の間の話題をさらい続けてきました。モデルとしてこれだけ全年齢に認知度の高い人は他にはいません。

 

プライベートでは、時代を象徴する人気モデルでありながら恋愛事情を隠さず、そのつど自分の気持ちをストレートに吐露するスタイルに賛否両論が集まり続けます。28歳で結婚、29歳で長女を出産、そしてシングルマザーに。

 

そんなアンナさんが47歳のとき、父で俳優の梅宮辰夫氏が死去。偉大なる父とカリスマの娘、親子でお茶の間に愛されたファミリーの「看取り」は世間の耳目を再び集め、最近では「親が亡くなった後の始末」についての壮絶な体験を語る機会を求められることも増えました。

 

百々果さんのお受験体験から、不登校の問題、お金の教育や自立して生きる人間にするための教育方針など、アンナさんが文字通り七転八倒しながら取り組んできた数々の子育てエピソードを語ってくれました。4話目は「お金のお話」。

 

世間を知るため、お金の価値を知るためアルバイトをした

――百々果さんを育てるにあたって、アンナさんが考えた教育方針についてお聞かせください。こまかくあれこれと考えましたか?

 

私の教育方針はシンプル、「20歳過ぎたら、経済的にも精神的にも自立して生きていけるようになること」です。そのためには、お金の価値や、お金を稼ぐことの大変さも知ってほしいと思っていました。

 

——アンナさんご自身、すごく自立心旺盛で、高校生のときからあらゆるアルバイトをしていたんですよね。アンナさんを溺愛するお父さま、梅宮辰夫さんにお願いしたら、お小遣いをたくさんもらえそうなイメージもありますけれども。

 

世間のイメージと違って、私、甘え下手なんです。うちは、月額のお小遣い制度はなくて、父が「お小遣い足りてるか?」と聞いてきて、ないと答えると1万円くれるという制度でした。ただ私も、案外遠慮して「いいよ、悪いよ、この間もらったし」なんて言って断るんですよね。もらおうと思えば、毎日だって1万円もらえたと思うんですけど。

 

その点、母、クラウディアさんは甘え上手なんですよ。その才能を、私は引き継いでないんです。

 

高校からアルバイトをした理由のひとつに「自分でお金を稼ぐ」ことに興味があったというのもあります。自分が恵まれた環境で育っているということはわかっていたので、世間を知りたい!という気持ちが強かったんです。

 

初めてのアルバイト先はアイスクリーム屋さんだったかな。当時、時給は800円で、「え? 8時間働いても、パパがいつもくれる1万円すら稼げないんだ」って驚いたことを覚えています。

 

きつかったのが神宮球場でのビールの売り子です。タンクを背負って、急な階段を何度も上り下りしてもうクタクタ。渋谷の家まで比較的近かったこともあって毎回タクシーで帰っていたら、父に「おまえ、働いた金額からタクシー代引いたらいくら残るんだ?」と聞かれて、ハッとして。そこからは自転車で行くようになりました。それくらい、私もお金の価値をわかっていなかったんです。

 

——夜間のビルの掃除のバイトもされたことがあるとか?

 

そうそう。高校の友達と卒業旅行でグアムに行こうという話になったんです。必要なお金は5万円くらいだったかな。父に行きたいって言ったら「子どもだけで海外旅行なんて絶対ダメだ!」って言うわけ。

 

だったら、自分で稼いで自分のお金で行ってやる!と思って、大至急お金を稼ぐため週末に、割のいい、ビルの夜間清掃バイトに入ったんです。

 

——お小遣いや、アルバイトで稼いだお金は何に使っていましたか? お洋服?

 

いえ、ほとんど食費に消えましたね。学校帰りに、毎日のように仲良しグループでなんか食べて帰るんですけど、持ち回りでおごるので、まあ、あっという間になくなりますよね。あと、人に気をつかって遠慮しながらメニューを選ぶということをしたくなかったので、おごる回数も多かったかもしれません。

 

学校を卒業してからは、1日だけキャバクラで体験アルバイトをしましたけれども、自分にはつくづく水商売の才能はないと実感しました。何か欲しいものがあって、コツコツ貯金とか、そういうことはほとんどしなかったな。ぱっぱと使ってしまうタイプでした。

 

愛娘・百々果さんに対するお金教育、どうしてますか?

——百々果さんのお小遣い制度はどんな感じですか?

 

高校生までは、欲しいものや、行きたいところがあれば申告してもらって、そのつどお金をあげていました。でもお金の使い方で叱ったことはありません。

 

なぜって、娘世代の特徴なのか、私たちの世代に比べて、ブランドものに憧れて身につけたがるということもないし、友達と旅行に行きたいとか、いいレストランで食事をしたいという欲もあまりないようですし、とても堅実ですね。実際、何か欲しいものないの? って聞いても「別にない」って返ってくるんです。

 

私はアルバイトの経験がすごく楽しかったし、お金の価値や世の中のことを知る上でもいい経験だったので、娘にもアルバイトをしてほしかったんです。でも学校がアルバイト禁止だったので、その願いはかなわずじまいでした。

 

それに百々果はバレーボールに夢中だったので、アルバイト禁止じゃなくてもそれどころじゃなかったかな。

 

でもね、そのおかげで、私も第二の青春を体験できたんですよ。私はクラブ活動というものを一回も体験したことがないから、百々果の試合の応援に行くたび、手に汗にぎるほど夢中になって声援を送って、すっごく楽しかった。あんな経験をさせてもらえたことを、百々果に感謝してます。

 

——百々果さんは、バレーボールの実力を買われてアメリカの大学からスカウトがきたとか。

 

そうなんです! でもね、百々果は「私は背も低いし、アメリカで自分が通用するかと言ったら難しいと思う。それに、朝から晩まで練習漬けで、他のことは何もできない学生生活はもういいかな」と言って、そのお話を断ったの。あの子、地に足ついているのよね。

 

 

「私の娘は、父の娘にもなっているんです」法定相続人になるため梅宮辰夫氏の養女になった娘

――相続を円滑に行うために、百々果さんは辰夫さんの養女になっているんですよね?

はい、その通り、百々果が18歳のときに私の父、梅宮辰夫の養女となり、法定相続人になりました。早めの遺産相続、父の終活のひとつですね。このとき、百々香に、今から自分の財産の管理を自分でするか、20歳まで私が預かっておくか、どちらか選ばせたんです。

 

本人が、自分で管理したいっていうので、あとはノータッチ。財産を何に使おうが、すべて失おうが彼女の責任です。

 

ただ一度だけ、口を出したことがあります。それは、彼女がFX(外国為替証拠金取引)をやろうとしたとき。かなりギャンブル性が高い取引なので、じいじが一生懸命働いて稼いだお金をそこにいきなり使うのはやめて、将来、自分で稼いだお金でしなさいともアドバイスしたら理解してくれました。

 

――百々果さんのお金回りは? お小遣い制ですか?

 

今、百々果はアメリカで勉強しているのですが、人生で初めてのアルバイトにもチャレンジ中なの。カリフォルニアの、おすし屋さんでウェイトレスをしてるんです。アメリカに行ったときに顔を出したらすごく頑張っていた。

 

「ママ、カリフォルニアロール好きじゃないでしょ。お願い頼んで」と言われたので、「??」と思いながらオーダーを入れたら、それをバックヤードに持って行って、みんなで食べてるの。もちろん、そんなことが許されている職場とはいえ、しっかり、ちゃっかりしてるなって感心しちゃった。

 

それにね、百々果が職場の、先輩方にすごくかわいがられているのもわかってうれしかったです。

 

実は、私、アルバイト先の方々に、百々果のことをすごく褒められたんですよ。「サービスがこまやかでスマートだ」、「余計なことを言わない」「現場をよく見ているのでお客さんから評判もいい。言葉づかいや対応もしっかりしている」って。

 

これは、小さいときから、高級店から気さくなファミリーレストランまでたくさん外食をし、その都度、サービスのよしあしについて語り合ってきたことが関係あるのかなと思って。子育てに無駄なことってないんだなってうれしかったですね。

 

――そんな外食のたびに、お二人はレストランでどんな話をされてきたんですか?

 

オーダーを取るタイミングとか、席への案内の仕方とか、メニューの説明とか、ちょっとした声掛けとか。あの人はすごく感じがいいねとか、顔を上げたら、すっとテーブルの方に来てくれるとか、そういったこと。

 

そして今は、彼女にこんなアドバイスをしています。

 

「来年21歳になって、お酒が扱えるようになったらチップがもっともらえるレストランにステップアップして、あなたはもっと稼げるようになると思う。でもそうなると嫉妬もされるでしょう。とにかく腰を低くして、謙虚に、自分の言動にはくれぐれも気をつけるようにね」って。

 

人から買う念の怖さは、私を見てきて感じている子なんだけれども……。調子のいいときほど腰を低くということは、ことあるごとに言ってるかな。

 

つづき▶梅宮アンナ、娘に「口すっぱく」言ってきた3つのこと「あいさつ」「言葉づかい」意外なもうひとつは#5

取材・文/斯波朝子(オフィスCuddle) 撮影/廣江雅美

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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