「更年期世代があと1つ何かを味方につける」なら。キウイもいいなとメノポーズカウンセラーが思ったワケ
OTONA SALONE / 2023年5月20日 10時0分
メノポーズカウンセラーでもある、オトナサローネ井一です。この4月、キウイの収穫シーズンの入り口に、ニュージーランド(以下NZ)産地訪問の機会を得ました。キウイが持つ多様な魅力の中でも「健康」にフォーカスしたツアーで、40代50代働く女性に有意義な情報をたくさん教えていただきました。
中でも現在オトナサローネが注力する「閉経前後の女性が見舞われる健康問題への対策」について、耳よりなお話をお届けします。
更年期世代が「1日あともう1つ」フルーツを摂取できると非常によいワケ
まず、日本の更年期世代に「足りていない」栄養素のお話から。
令和元年「国民健康・栄養調査」によれば、40代の摂取基準量に対する充足率が100%を切るのが上表のうちオレンジ色のついた部分です。ちょっと意外に感じるものがないですか?
【足りない栄養素】 【栄養素を含む主な食品】
食物繊維 野菜、果物、穀類
ビタミンA 緑黄色野菜、レバー
ビタミンB1/B2/B6 豚肉、穀類/レバー、ハツ/にんにく、肉、魚介
ビタミンC 野菜・果物
ビタミンD 魚、きのこ
カルシウム 乳製品、魚
マグネシウム 藻類など
鉄 肉、魚介
亜鉛 肉、魚介
えっ、カルシウムって足りてないんだ? ビタミンAもちょっと意外、やっぱり鉄もか! でも、タンパク質は足りてるんだ……?
さて、この情報を踏まえて、私が自分の生活を改善する場合を考えてみます。
肉や魚はお刺身やお惣菜の活用で摂取量を増やせそうですが、それ以外は調理の手間がそのまま増えていくため、毎日の習慣に乗せるのがなかなか難しそう。
中でも難しく感じるのが以下の2つです。
「ビタミンC」は言うまでもなく、野菜や果物からの摂取が中心です。体内で生成することができないビタミンで、皮膚や軟骨、組織を形成するコラーゲンの生成に必須。また、活性酸素の消去によって細胞を保護し、免疫機能にも関与する重要な栄養素です。1日摂取推奨量100㎎に対し、40代の平均摂取量は74㎎。あと26㎎足りない。
「食物繊維」も同様に、野菜や果物からの摂取。じつは食物繊維は20代から70代までの全世代で足りていません。1日摂取推奨量18gに対し、40代の平均摂取量は16g、あと2g足りないのです。
この「ビタミンC26㎎・食物繊維2g」を手軽に、うまくカバーしてくれるものは何だろう?
たとえば「干し芋」はビタミンC9㎎・食物繊維5.9g、繊維は抜群です。「バナナ」はビタミンC16㎎・食物繊維1.1g、充足には小2本必要。食べきれないな。「みかん」はビタミンC32㎎・食物繊維1g、中サイズ100gを2コ食べればカバーできてコスパも優秀だけど、夏場はどうしよう? (数値はすべて可食部100gあたり)
もちろん、どれもプラスするとメリットのある食べ物です。でも、NZに行ってみてわかった。キウイが答えでした。「キウイ(緑肉種)」はビタミンC 71㎎、食物繊維2.6g。1つ100g前後なので、1日1コで充足!
では、このキウイはどのようにNZで育ち日本まで届けられるのか、その姿と、現地で教わって「これはよいかも!」と思ったレシピをご紹介します。
知っておきたい「ゼスプリ」のこと。じつはキウイ生産者が株主の会社なのです
NZ原産のイメージを持っていたキウイですが、もともとは中国が原産地と言われ、和名「サルナシ」の近縁です。マタタビの仲間です。1904年にニュージーランド人教師が中国から種を持って帰国、改良種「チャイニーズ・グーズベリー」が作り出され、栽培が始まりました。
「ゼスプリ」は一般的な会社とは異なり、キウイ生産者の協同組合としての性質を持ちます。高品質なキウイを輸出するため、ニュージーランド国内の約2800の現キウイ生産者と過去の生産者が株主となって運営する会社で、それぞれの生産者は出荷のための品質チェックを受け、合格したら収穫し出荷する仕組み。
地元ではキウイ生産者は憧れの存在なのだといいます。生産者のひとり、スティーブン・ミルンさんのお宅にお邪魔しました。このイケてるキウイ農園園地を見れば理由もわかる!
スティーブンさんはマオリ・オールブラックスにも選ばれたことがあるラグビー選手。来日し、マツダやホンダで選手としてプレイ、のちマツダで長らくコーチも務めていたスター選手です。
スティーブンさん宅。「オフィス」とおっしゃっていましたが、建築もインテリアも、とにかくすべてがステキ。住みたい。
テラスからは見渡す限りのキウイ畑です。美しい空、心地よい秋の風。きっと誰もが「こういう人生を送りたかった」と思うような、ゆったりと豊かな暮らしがここにある。
スティーブンさんが育てたキウイの姿がこちらです。このキウイを出荷するには第三者機関であるラボで品質チェックを受けるのですが、これがかなり厳しく、一度に一つの園地から90個のランダムサンプルを提出。糖度、味、サイズなど6項目が基準に達していなければ収穫不可だそうです。
とにかく品質が重要なので「ぼくは1年に366日畑に出ているよ」というレベルで大切に育てているのだそうです。ちなみに、この園地のグリーンキウイは2回目のチェックで通り、この翌日に収穫される予定。隣のサンゴールドキウイは3回目でチェックを通ったと話していました。
チェックを受けるラボも見学しました。日本の店頭で手にするキウイの品質が「極めて均一」なのはこのチェックのおかげなのね、と納得する緻密さでした。日本だと、例えば夕張メロンのような高級ブランド果物が同じようなチェック体制を敷いていますね。
キウイのパッキング工場も見せていただきました。収穫したキウイはすみやかに工場へ出荷、グレードを仕分けてトレイに詰めます。キウイは保冷船で輸送され、日本に到着後に追熟させるため、追熟後の姿までを想定してベストな収穫日に一斉に収穫するというわけです。現在ゼスプリNZの出荷先1位は中国圏、2位が日本でなので、きっとこの写真に写っているトレイがいま私たちの手元に届いているんです。
さて、ツアーを通してさまざまな料理デモンストレーションを見せていただいきましたが、中でも印象に残ったのはサラダでした。最後に、持ち寄りパーティの時などに試してみたい3つのレシピをご紹介します。
つづき▶【まじですか】ニュージーランド現地の人たちに聞きました!「意外すぎるキウイの食べ方」こんなのあり?
≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫
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