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43歳「異常なほどのイライラ」は更年期かな。ピルを勧められたけど、HRTじゃなくていいの?

OTONA SALONE / 2023年6月23日 21時0分

40~50代になり、「激しいイライラが止まらない」「気分のアップダウンがひどい」などの悩みがありませんか?

日本の女性は、平均で50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。
この時期はホルモンバランスの影響で、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。
更年期女性によくある悩みのひとつに「激しい気分変調」があります。

今回は、激しい気分変調を改善する方法について「あんしん漢方」の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

 

突如人格が変わる!?異様なほどの気分の変調

イラスト/lely

43歳のあや子さんは、生理周期による気分の激しいアップダウンに悩んでいます。

「普段はそんなことないんですけど、ときどき激しいイライラに襲われるんです」

普段はおとなしく物静かなタイプのあや子さんですが、イライラのスイッチが入ると人格が変わってしまうようです。

「駅で人と軽くぶつかっただけでも激しい怒りが沸いてくるんです。つい睨みつけてしまったりもします」

ひどいときでは、部下の些細な冗談にさえ怒りが沸くのだそうです。

「こんな自分は嫌です。何でこんなにイライラするんでしょうか。こんなことで怒っている自分が情けないです」

激しいイライラに悩まされているあや子さんですが、1人になると激しく落ち込んで鬱々としてしまうのだそうです。

心療内科で指摘されたのは「ホルモンバランス」

イラスト/lely

あや子さんはあまりにひどい気分変調に嫌気がさし、症状についてネットで調べました。

「もしかしたらわたしは、精神的な病気なのかもしれない」

ネットの情報によると、双極性障害や発達障害、気分変調症などの精神疾患でも同じような症状が出るとのことでした。

あや子さんは心療内科を受診することを決めました。

受診の結果、医師から指摘されたのは、あや子さんのホルモンバランスの乱れでした。

「更年期に近づくと気分のアップダウンやイライラ、落ち込みが激しくなることがあります。精神薬を飲む前に、ホルモンを安定させる治療をして様子をみましょう」

あや子さんはこのとき初めて、自分が更年期に差しかかっていることを自覚しました。

 

ホルモンバランスを調整する「低用量ピル」

更年期において、低用量ピルはホルモンバランスを安定させるために用いられます。

この章では、低用量ピルのメリットや入手方法などをご紹介します。

1. 低用量ピルってどんな薬?

低用量ピルは、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを含んでおり、避妊だけでなく月経困難症の緩和や月経不順の治療などに用いられます。

更年期に入ると卵巣からのエストロゲンの分泌量が減少し、ホルモンバランスが崩れることでホットフラッシュや夜間の発汗などの症状があらわれることがあります。

気分の落ち込みや不安感もよく見られます。

このような症状を緩和するために、低用量ピルが使用されることがあります。

2. ピルを使うメリット

低用量ピルの服用により、ホットフラッシュや発汗、気分の落ち込みや不安感などの改善が期待できます。

通常、更年期においてはホルモン補充療法(HRT)で治療を行いますが、低用量ピルには排卵抑制効果があるため、閉経前で排卵がある人の更年期症状には低用量ピルを使うことがあります。

低用量ピルを使うことで、ホルモンバランスの乱れを整え、月経周期の乱れや月経前症候群(PMS)なども同時に緩和することができます。

3. ピルの入手方法

低用量ピルの入手方法としては、医師からの処方箋を持って薬局で調剤してもらう方法が一般的です。

医師の診察を受け、処方箋を出してもらってから使用するようにしましょう。

更年期において低用量ピルを使用する場合は、自分自身の健康状態や体質について医師と相談することが重要です。

吐き気や血栓症の可能性が高まるという副作用やリスクについてよく理解し、医師の指示に従い正しい用法を守るようにしましょう。

喫煙や肥満などは副作用リスクを高める要因となるため、適度な運動や食生活の改善もあわせて行いましょう。

ホルモンバランスの乱れには漢方もおすすめ

漢方薬は不調の根本改善と体質改善により理想の健康へ導くことを目的としており、医薬品として効果も認められています。

「更年期症状がつらいけれど、低用量ピルの服用には抵抗がある」

「イライラや落ち込みなどの気分変調が起こりにくい体質になりたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。自然の生薬で作られた漢方薬は、毎日のむだけでからだにやさしく作用していき、健康を目指せます。

更年期のイライラや落ち込みなどの気分変調には、

・ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える

・鎮静作用で心を穏やかにする

・消化・吸収機能を回復させてからだの内側から心を元気にする

・肉体的な疲れを軽減することで、落ち込みや不安を改善する

・などの生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。

漢方薬は心とからだのバランスを整えることで、イライラや気分の落ち込みだけでなく、冷えや倦怠感などさまざまな不調を同時に改善することにも期待ができます。

 

<ホルモンバランスの乱れによるお悩みにおすすめの漢方薬>

加味逍遙散(かみしょうようさん):感情をコントロールしている肝のエネルギー循環を改善させて、精神を安定させます。

気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状、ホットフラッシュに用いられます。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):精神をコントロールする心にたまった熱を冷ますことで脳の興奮を抑えます。

精神不安、動悸、不眠などに用いられます。

漢方薬を選ぶ際には、その人の状態や体質に合っているかという点が重要です。

うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、専門家に力を借りるのがおすすめです。

 

更年期には、イライラや落ち込みなどの気分変調があらわれることがあります。

低用量ピルをうまく使うことで、ホルモンバランスを安定させて症状の改善を目指すことができます。低用量ピルのメリットや注意点を理解し、正しく使用しましょう。

また、漢方薬もホルモンバランスを調整するのに役立ちます。

自分自身の体調をよく観察し、必要に応じて医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師

碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学) 

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

 

≪薬剤師 碇純子さんの他の記事をチェック!≫

 

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