2億人を魅了するシルク・ドゥ・ソレイユ『アレグリア』「いまだからこそ胸に響く」その理由を聞きました
OTONA SALONE / 2023年5月31日 10時51分
2000年にフジテレビに入社し、現在、シルク・ドゥ・ソレイユ(シルク)の日本公演『ダイハツ アレグリア―新たなる光―』(以下、アレグリア)の宣伝チーフを担っている有澤ひろみさん。前半では、『オトナサローネ』世代の有澤さんにご自身のお仕事のことを伺いました。後半のテーマは、有澤さんが入社以来、関わり続けているシルク、そして、現在、東京で上演中で、7月には大阪で幕を開ける『アレグリア』について語ってもらっています。
単なるサーカスではない。音楽・ビジュアル・技巧の「総合芸術」
──直球の質問ですみません。ずばり有澤さんが考えるシルクの魅力とは? 1984年カナダ・ケベックで誕生して以来、世界6大陸450都市以上で2億人もの人々を魅了し続けている要因はどこにあると思われますか。
有澤 シルクは単なるサーカスではなく総合芸術です。観ていただけばおわかりになると思うのですが、とても繊細に作られているし、色彩的にも美しいです。さらに音楽は生演奏という贅沢さ! そこに、サーカスならではの超絶技巧のアクロバットが加わります。
──東京公演は、日本公演用に特別に作られた仮設テント「お台場ビッグトップ」(以下、ビッグトップ)で行われています。
有澤 20年近く関わっている今でも、ビッグトップに入るとワクワクした気持ちになります。そして、その高揚感って、すごく大切なものだと思うんです。こんな風な気持ちになれる場所って、他になかなかないじゃないですか。これもシルク・ドゥ・ソレイユの醍醐味のひとつかもしれません。
──今回の演目である「アレグリア-新たなる光-」についても教えてください。
有澤 シルク・ドゥ・ソレイユを世界中に知らしめた、シルクを象徴する作品です。日本で、「アレグリア」が上演されるのは今回が3回目となるのですが、世界的なパンデミックを経て、新たなる「歓喜」を届けたいという想いから、同シリーズの上演が決定しました。
今回の作品は、アレグリア初演から25年を記念して「新たなる光」という副題がつき、衣裳や舞台装置などの演出も一新しています。「アレグリア」はスペイン語で「喜び」を意味する言葉で、「変化への渇望」「闇に対する光の勝利」が作品のテーマとなっています。コロナ明けに、これほどベストな演目はなかなかありません(笑)。
「もういちど見たい」その理由。挙げるときりがないのですが、強いて言うなら
──では、私のほうから簡単に今回の「アレグリア」のあらすじをご紹介します。
王を失った王国はかつての輝きをなくし、保守派と変革派が権力争いをしています。そんななか力のバランスを変えるべく立ち上がった若者たちが混沌とした世界に光と調和をもたらす──。
といったストーリーですが、事前に予習しなくてもじゅうぶん楽しめそうですね。
有澤 今回の「アレグリア」は、シルクのファーストステップとしても最適な作品です。お客さまの反応も素晴らしく、感謝の気持ちを込めて(誰にも頼まれていないのに)「完売御礼」の看板を作っちゃいました(笑)。ゴールデンウィークには風船を配布しました。私、勝手に盛り上がるのが、得意中の得意なんです(笑)。5月末には(2月からの延べ人数で)40万人目のお客さまをお出迎えできそうです。一度、ご覧になったお客さまが「もう一度観たい」と言って来場してくださるのもとてもうれしいことです。
──私も拝見しましたが、最初から最後まで見どころだらけ! ステージの奥に王冠のモチーフがあったり、さまざまなシンボルにあふれたセットにも圧倒されました。そんなわけで、難しい質問であることは重々承知していますが、あえて伺います(笑)。今回の「アレグリア」で、有澤さんが特に気に入っているポイントを教えてください。
有澤 たくさんありますが(笑)、やはり音楽は外せません。とてもキャッチーな音楽で、帰宅後、気づけば、口ずさんでしまうという人も多いとか(笑)。
──わかります。私も帰路の電車のなかで、脳内にずっと「アレグリア~♪」と流れていました。
有澤 ですよね(笑)。客席に向かって紙吹雪が放たれる「クラウン・スノーストーム」もすごかったでしょう?
──はい! あれほどまでに本気で来るとは(笑)。
有澤 ネタバレになってしまうのでくわしくは言えないのですが(笑)、客席に飛び散った紙吹雪をどう片付けるかという点にも注目していただきたいです。片付けも演出の一部になっています。
フィナーレ、その色彩と音楽の凝縮が見せる「アレグリア」のすべて
──これぞ、シルク! ですね。もちろん、大きなトランポリンの上での縦横無尽もバク転・バク宙や、約10メートルの高さで繰り広げられる空中ブランコ、ファイヤーナイフ・ダンスなど、もはやすべての演目がハイライト。息をつく暇がありません(笑)。
有澤 はい。そして、なんといってもフィナーレです。おなじみのテーマソングが流れるなか、舞台上にアーティストが集まってきます。色合いも美しく、あのシーンに「アレグリア」のすべてが凝縮されている、と言ってもいいかもしれません。いやおうなく高ぶってくる感情は、まさに“マジカルフィーリング”! 魔法のような時間を楽しんでいただきたいです。
シルクは、子どもから年配の方まで、世代を問わず楽しめるエンターテインメントです。上質なサーカスであり、キャッチーな楽曲とキャラクターでお客さまに鮮烈な印象を与え、お客さまをシルクならではの世界観へと誘います。
──1幕と2幕の幕間、いろいろなところから「すごかったね~」という声が漏れ聞こえてきました。確かにすごかったです。今度は母を連れていってあげようかなと思っています。決して難しい内容ではなく、それでいて鮮烈なメッセージが込められているのも素晴らしいと思いました。
有澤 東京公演では40万人近くのお客様に既にご来場をいただき、7月からは大阪・森ノ宮で公演がスタートします。いまだからこそ、より胸に響く「希望に満ち溢れた歓喜の物語」をぜひ多くの方に体感していただきたいです。
ダイハツ アレグリア-新たなる光-
■東京公演
公演期間:上演中 ~6 月 25日(日)
会場:お台場ビッグトップ
お問い合わせ:インフォメーションデスク 0570-050-469
(オペレーター対応 10:00~18:00)
■大阪公演
公演期間:7月14日(金)~10月10日(火)
会場:森ノ宮ビッグトップ
お問い合わせ:ダイハツ アレグリア-新たなる光- 大阪公演事務局0570-200-889
(オペレーター対応 11:00~18:00 ※日曜・祝日休み)
取材・文/長谷川あや
有澤さん撮影/ 松川 忍
Photos: Cirque du Soleil 2021 / Costumes: Dominique Lemieux
≪独女快楽ライフ研究家、ライフスタイルジャーナリスト 長谷川あやさんの他の記事をチェック!≫
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