1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

東大生は【身体的認知】から、自分は「心温かい人」「重要な人」と思われる術を知っている

OTONA SALONE / 2023年9月24日 21時1分

元国税芸人であり吉本芸人でもあるさんきゅう倉田さん。仕事の傍ら、受験勉強にも専念し、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。

東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。

前編に続き、東大生の意見や思想に触れて刺激を受けた出来事、そこから実感した東大の魅力についての【後編】です。

 

この記事の【前編】を読む
東大生への最高のほめ言葉は『キモい』!? 研究を極めているからこその理由とは

 

身体的認知でわかる、売れるトイレットペーパーの陳列

shutterstock.com

このVRの研究者は、VR空間での体験をより現実に近づけるため、心理学を学んでいました。
心理学は細かく分類されていますが、その中の「身体的認知」を研究に活用しています。

 

身体的認知の研究によると、トイレットペーパーやバスタオルなど触り心地が重要とされる商品は、実際に店頭で触れる状態にしてあるとより多く売れます。

どうしてなのかはわかりません。
実験によって有意な結果が現れたからといって、理由がわかるわけではないからです。

ただ、なんとなく「触れる方がよさそう」と誰もが思うはずです。
触ることで商品の印象が悪くなるところは想像しづらい。
ぼくらの直感と有意性が確認できた実験の結果が、こうして結びつきます。

 

また、温かい飲み物を飲んでいると、一緒にいる人に対し「温かい人」という印象を持ちます。
さらに、重たいものを持っていると、その“もの”や“一緒にいる人”を重要だと思います。

硬い椅子に座っていれば頑固になり、柔らかい椅子に座っていれば考えを変更しやすくなります。さらには、苦い飲み物を飲んでいるときは悪い評価を下す傾向があります。

 

どれも実験の結果によって得られていますが、どんな場合も通用するわけではありません。
例えば、全体の10%とか30%くらいの人はそうなるだけで、「みんながそうなる」と思わないでください。
心理学とはそういうものだし、それで十分のようです。

 

それでも、目の前の人に良い印象を持って欲しければ、温かい飲み物を一緒に飲んでみると良い。
自分のことを頑なに拒否する異性も、やわやわの椅子に座ってもらってから説得すれば、デートに応じてくれるかもしれない。

少しでもものごとが自分の望む方向へ転がる可能性があるのなら、身体的認知は人の役に立ちます。

 

重要なのは、身体が認知したものによって、人の思考や行動が変えられるということです。
「50%オフ」と黒字で書かれるより、赤字で書かれた方が買いたくなりませんか。
「1万円」より、「期間限定 半額1万円」の方が買いたくなりませんか。

 

人の行動はあらゆる認知の影響を受けます。
そういう勉強をしたくて、東京大学に入りましたが、それを勉強するだけなら大学に入らなくてもできます。
心理学や行動経済学の本や、Googleスカラーで検索できる論文を読むことで学べます。
意欲があればどこでも学べるところが、現代社会の優れた点だと思います。

ひとつ学ぶと、社会と自分の知識がネットワークを持ち、「面白い」と思うことが増えて、人生がより楽しくなります。

 

≪芸人・元国税局職員 さんきゅう倉田さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください