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短鎖脂肪酸でダイエットが成功する!? 太りにくい体をつくる食生活とは【専門家に聞きました】

OTONA SALONE / 2023年10月29日 12時0分

あれほど過酷だった夏がさらりと終わり、一気に冷え込んできました。体調不良にならないよう「栄養があるものを、でも太らないように気を付けて食べよう!」と思いつつ、食欲の秋ということもあり、ついつい美味しいものにあれこれ手を出してしまいます。

気をつけなきゃいけないのが、更年期ともなると、一気に脂肪がつきやすくなること。女性ホルモン分泌低下と基礎代謝&筋肉量低下の影響などに加え、加齢と共に腸内環境のバランスが崩れがちになることも、太りやすい原因として大きいのだとか。このまま欲望のままに食べていては、不健康なデブ一直線です……。

短鎖脂肪酸とは?

そこで、今話題の「短鎖脂肪酸ダイエット」に注目してみました! “タンサシボウサン”、最近ちょこちょこと聞くワードですが、そもそも何なのか?
慶応義塾大学先端生命科学研究所特任教授の福田真嗣先生に伺いました。

 

「腸内環境はさまざまな腸内細菌と、それらが作り出す代謝物質によって複雑に構成されていますが、特に有用な代謝物質として注目を集めているのが、『短鎖脂肪酸』です。これは、大腸内でビフィズス菌などの大腸細菌が、水溶性食物繊維やオリゴ糖などをエサにして作り出す酸(有機酸)の一種です」

短鎖脂肪酸を作り出す元の腸内細菌はそれぞれ異なっていて、それぞれが直接的あるいは受容体などを介していろいろな機能を発揮するそうです。

 

「例えば、炎症抑制効果、免疫機能や腸管バリア機能を高めたりすることに加え、O157感染症の予防効果や、持久運動パフォーマンスを向上させる効果も証明されました」

 

 

なぜ短鎖脂肪酸がダイエットに効果的なのか?

そんな短鎖脂肪酸、なぜダイエットに効果的なのでしょう。

 

「短鎖脂肪酸には、肥満抑制、血糖値コントロールや便秘解消、基礎代謝の向上といった効果があるため、太りにくい体質になるには良好な腸内環境をつくることが不可欠なんです」とのこと。
腸活流行りですが、ダイエットでも大事なんですね。

 

「近年の研究から、腸内環境が私たちの心身の状態に密接に関わっていることが次々と明らかになってきていますが、重要なのは、腸内環境は遺伝的な要因よりも、長期的な食習慣や生活習慣を主とした環境要因だということです。

その腸内環境を左右するのが、腸内フローラ(腸内細菌叢〈ちょうないさいきんそう〉)。腸内には、約1,000種類・一人あたり約40兆個の腸内細菌が生息しています。この腸内細菌の集団が “ 腸内フローラ ”。多種多様の腸内細菌が密集している様子がお花畑のように見えることからそう呼ばれるようになりました」

 

 

理想的な腸内フローラをつくるには?

では、どうすれば理想的な腸内フローラをつくることができるのか、とても気になります。

 

「腸内フローラのバランスは人によってさまざまですが、大切なことは、腸内フローラの多様性と、なかでも短鎖脂肪酸をつくる菌と、その菌にどんなエサを与えるかです。

多種多様な腸内細菌が互いに作用しあうことが健康維持には不可欠ですが、特に短鎖脂肪酸を作り出す腸内細菌が多いことが重要なんです。その短鎖脂肪酸をたくさん産生できる理想的な腸内フローラを目指すには、短鎖脂肪酸をつくるビフィズス菌などいろいろな種類の腸内細菌がいる状態を作ること、そして腸内細菌のエサになる食物繊維が豊富に含まれる食材や素材を継続的に摂取していくことがカギとなります」

 

ただし、短鎖脂肪酸をつくるビフィズス菌などを増やすだけではダメ。食物繊維が大腸に届くことでそれがエサとなり、短鎖脂肪酸が作り出されます

「特に、チコリやごぼうなどに多く含まれるイヌリンや、バナナなどに多く含まれるフラクトオリゴ糖などの水溶性食物繊維やオリゴ糖が、短鎖脂肪酸の産生に有効です」

 

 

短鎖脂肪酸ダイエット、食生活のコツは?

太りにくい体になるために、短鎖脂肪酸の効果を期待するなら、ビフィズス菌などの腸内細菌と、そのエサとなる食物繊維が必要とのこと。具体的にどんなものを食べればいいのでしょうか。

 

「まず、短鎖脂肪酸をつくる元となるビフィズス菌が入ったヨーグルトを選ぶことをおすすめします。ビフィズス菌は乳児期に最も多く、加齢やストレス、運動不足などの影響で減少してしまうので、毎日、“ ビフィズス菌100g+水溶性食物繊維2g ” を摂る習慣をつけるのが、簡単だと思います」というのは、管理栄養士の金丸絵里加さん。

 

>>> では、水溶性食物繊維2gをとるには何をどれくらい食べればいいのでしょうか?
【目安量つきの食材リストで解説】

水溶性食物繊維2gって、どのくらい?

食材に置きかえると、どんなものをどれくらいとればいいのでしょうか。金丸さんに目安を教えてもらういました。

 

「アボカド 1/2 個、オートミール 65g、中くらいのサツマイモ1本、りんご1.5個、にんじん 1.5本、ほうれん草1.5把(わ)、 納豆2パックなどに相当します。実は、意識しないと摂りづらいのが水溶性食物繊維です。
きのこなどの便秘解消などでおなじみの不溶性食物繊維は比較的摂りやすいものの、水溶性食物繊維は含まれている量がとても少ないので、2g摂るのは意外に難しいんですよ。

今回紹介する水溶性食物繊維を含む食材の中から自分で取り入れやすいものを覚えておいて、ビフィズス菌入りヨーグルトと共に、毎日の食事に取り入れてみましょう!」

 

 

「ビフィズス菌入りヨーグルトを食べる効果的な時間帯は、胃酸の影響を考えて、食後が理想的です。また、寝ている間に腸内細菌による体内発酵を促したり、体内時計のリセットにつながるので、無糖のものを夜に食べる習慣をつけるのもいいですよ」と金丸さん。

 

加齢に加え、寒くなると更に代謝が落ちてきます。少しでも太りにくい体に整えるために、今から短鎖脂肪酸をふやす腸活を始めませんか。

 

 

お話

福田真嗣 先生 (ふくだ しんじ)

博士(農学)慶應義塾大学先端生命科学研究所特任教授。世界から注目を集める「腸内環境」の最先端研究を行う。株式会社メタジェン代表取締役社長CEO。明治大学大学院農学研究科を卒業後、理化学研究所基礎科学特別研究員などを経て、現在は慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任教授。複数の論文が世界的な学術雑誌「Nature」に掲載される。腸内環境を適切にデザインすることで病気ゼロ社会を実現するため、2015年(株)メタジェン設立。主な著書に「改定版 もっとよくわかる! 腸内細菌叢〜“もう1つの臓器”を知り、健康・疾患を制御する!~」(2022年/羊土社)他がある。

 

■金丸絵里加さん

管理栄養士・料理研究家・フードコーディネーター。テレビ出演、雑誌取材、書籍の出版のほか、旅館やレストランのメニューコンサルタントにも従事。毎日食べても飽きずに「おいしい!」と顔がほころぶ、食べてホッとするような「お家ごはん」が得意。書籍、雑誌、テレビなど多数メディアで、栄養価計算(カロリー計算)や栄養指導、ダイエットアドバイスなどを加えながら、健康的な食生活のための料理レシピを提案している。著書に『女子のやせ定食』(光文社)、『365 日のサラダ』(永岡書店)他多数。

 

≪ビューティライター 中尾慧里さんの他の記事をチェック!≫

 

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