ホットフラッシュと付き合い続けて20年。治療しても仕事を辞めても治らない、その道のりを告白【100人の更年期#96】前編

閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47－57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの？　みんなはどうなの？

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。（ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです）

【100人の更年期#96】前編

ユミコさん　52才

アパレル会社勤務。会社員の夫と二人暮らし。30代から子宮内膜症に悩み49才で卵巣を摘出。

30代でホットフラッシュが始まった。さらには子宮内膜症が見つかり…

はじめまして。現在52才のユミコです。30才から20年以上勤めたアパレル会社を昨年退職し、いまは別の会社で働いています。前職では、店長やマネジメント職を任せてもらうなどやりがいある仕事をしていましたが、50才を過ぎて、これからの時間をもっと自分のために使いたいと考えるようになり、思いきって退職しました。

 

実は、若い頃から生理痛やホットフラッシュと付き合いながら生きてきて、30才になったころ子宮筋腫が見つかりました。このとき筋腫を取らなかったせいか、生理痛とホットフラッシュはずっと続きました。仕事を辞めれば少しは症状が軽くなるかと思っていましたが、実際はぜんぜん軽くならず、つい最近までつらさと闘ってきました。1週間前からホルモン補充療法（HRT）を始めて、現時点ではかなり楽になっています。
今日は、長く続いた私の婦人科系の悩みと更年期のような症状について、お話したいと思います。

 

 

職場ではホットフラッシュを「汗っかき」だと言って笑い飛ばすしかなかった

私はもともと生理痛がひどく、高校生時代から痛み止めの薬が手放せない状態でした。けれども、生理痛は病気じゃないと思っていたので、病院へ行くことはしませんでした。社会人になっても生理痛は続き、27才のある日、仕事中にお腹が痛くてトイレで倒れてしまい、病院へ運ばれたことがありました。そのとき医師に「婦人科へ通って治したほうがいい」と言われ、婦人科で治療するようになりました。でも、思ったほど生理痛は軽くなりませんでした。

 

30才になったころ、会社で婦人科関連のセミナーがありました。おそらく、社員が仕事中に子宮破裂で救急搬送されたことがあったので、セミナーを開催したんだと思います。このセミナーで婦人科医が言った「いまは大丈夫でも、明日は分からないからね」という言葉がすごく心に刺さり、ちょうど結婚したばかりのタイミングでもあったので、いちど婦人科系の検診をしてもらうことにしました。

 

そのとき見つかったのが、子宮筋腫です。数ミリの小さなものから3センチにおよぶものまで、ぜんぶで20個以上の筋腫があり、合わせて子宮内膜症と診断されました。当時は結婚したばかりで子どもが欲しかったことと、絶対に摘出手術をしなければいけない状態ではなかったので、手術をせず、生理を遅らせたり止めたりしながら女性ホルモンの量をコントロールする治療を始めました。

 

治療は約1３年間続けましたが、この間も大量の経血と生理痛、そしてホットフラッシュが治まることはありませんでした。特に発汗量はすごくて、１日中汗をかきます。そのため、仕事中は薄着でしのぎ……と言いたいところですが薄着程度で、しのげるような汗の量ではありませんでした。誰が見ても滝汗をかいていたので、「私、汗っかきなの！」と公言して笑い飛ばすことで、なんとかやりすごしていました。おかげで、若いころからホットフラッシュの悩みが理解できるショップ店員として、一般的な更年期世代のお客様の悩みに寄り添った服選びのお手伝いができましたが。

 

▶つづきの【後編】はこちら
20年つづいた滝汗に終止符を打った治療、ホットフラッシュの症状をかかえながらの働き方について語っていただきます。

 

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