【後編】モラハラ夫は妻が病気でも無関心。心配するのは自分の食事だけ、という鬼畜ぶり
OTONA SALONE / 2023年10月31日 19時31分
夫婦問題・モラハラカウンセラーの麻野祐香です。経済的に自立した「働く女性」であってもなお逃げ切れずに苦しむ夫のモラハラについて、長年に渡りカウンセリングを続けてきた私なりの対策をお伝えしています。
今回は、モラハラ夫の特徴と言える「妻が病気になった時」のモラ夫の言動について書かせていただきます。このモラハラ夫の言動は、モラハラのご相談者の皆様が「うちと同じ」「あるある!」と口を揃えておっしゃいます。
今回は30代Eさんご夫婦の例の【後編】です。
▶この記事の【前編】を読む
「具合が悪い」というと自分のほうがつらいと張り合おうとする、妻や子よりも自分のことが最優先…という、モラハラ夫の共通の特徴について。
モラハラ夫と暮らしていると感情がなくなる
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モラハラ夫に気を遣いながら暮らしていると、Tさんのように感情が無くなっていってしまうのです。
相手に期待している時は、怒りや失望感もあります。
しかし、期待して裏切られる、こうして欲しいと言うと怒鳴られる…そんなことの繰り返しの毎日です。しだいに自分の心を守るために、自分が傷つかないために、モラハラ夫に期待をせずに暮らすことが当たり前になってしまうのです。
「やっぱり何もしてくれない」と思うだけで、怒りや悲しみの感情も湧かなくなってしまうのです。
「友だちに『どうしてTさんは夫に対して怒らないの? おかしいよ』と言われたことで、夫の言動に対して、自分は感情が無くなっていることがわかりました。
結婚してから夫は変わってしまい、私への思いやりや優しさがなくなっていました。
最初の頃は夫に対して文句も言いましたし、泣いて抗議しました。
その度に『うるさい』『俺が養ってやっている』『俺に文句を言いたいなら、俺以上稼いでみろ』『いつでも離婚してやる』と言われたのです。
私には頼れる実家もなく、離婚されるのが怖かったんです。だから、夫に逆らってはいけない、夫を怒らせる自分が悪い、夫の機嫌を悪くしてはいけない…といつの間にか洗脳されていたのです」
友人が病院に連れて行ってくれたその日、モラ夫は22時過ぎに帰宅しました。
長女さんが「ママは大変だったんだから! なんでパパはママのこと心配しないの!」と泣きながら抗議してくれました。
でも、モラ夫は「パパも具合が悪くて、会社の途中で病院に行ったんだ。ママにうつされたのかな」とやはり自分は具合が悪いとアピールをし、Tさんの心配なんて1ミリもしなかったそうです。
モラ夫は「ママ、具合が悪かったら明日も寝てればいいじゃない。俺は体調悪いけど、明日も仕事だけどね。本当に女はいいよな。明日も早いから寝るけど、朝は起こしてくれよ」と言い放ったそうです。またしても “ 自分は大変だアピール ” をして、Tさんの様子を気にかけることもせずにさっさと布団に入ってしまったんだとか。
翌朝、Tさんの熱はまだ下がっていませんでしたが、やっとの思いで夫を起こし、朝食の用意だけはしておきました。
するとモラ夫は「もう動けるんじゃない。俺はだるくて熱っぽいけど、会社に行かないといけないんだよね。夕食は具合の悪い俺が元気になるものを作っといてよ」と言い残し、家を出て行きました。
「そのやり取りを見ていた長女は
『ママ、あんなパパとはもう離婚した方がいい。ママいつか殺されちゃうよ』
と、私のことを心配をしてくれます。
でも、子どもが父親を尊敬できない状況を作るなんて、自分が悪いんだ…とまた落ち込んでしまいました」
自分が悪いと思うのはモラハラ夫に心を支配されている
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Tさんのようになんでも自分が悪いと思ってしまうのは、自分に対して自信がなくなってしまったからです。
モラ夫と暮らしていると否定と罵声ばかりなので、いつの間にか自信が奪われてしまうのです。
離婚を選択する勇気もなく、夫に怒られないように気をつけ、機嫌をとることばかりを考えているという方。それは、あなたが弱いからではありません。
モラハラ夫に心を支配されているからです。
Tさんの具合が良くない時に、『私なんだか調子が良くないみたい』と夫に話しかけると、『俺のほうが具合が悪い』といった調子で、必ず自分のほうが具合が悪いと言うのだとか。
「私が38度の熱があって寝込んでいた時、モラ夫は冷凍うどんを買ってきて『これなら作れるだろう』と言った時もあります。私は逆らうのも面倒なので黙って夕食を作りました。
夫は『うどんを買いに行ってきてくれてありがとうも言えないの?』と私に言いながら夕食を食べていました。
それ以外でも私が具合が悪くなるたびに、
『この前、友達と出かけたからじゃないの?』
『自分が具合悪くなるのは自業自得だよね』
『自分の行いが悪くて具合悪いのに、俺に面倒見ろって言うのおかしいだろ』
と必ず原因は私にあると責め立てるのです。
だから夫の前ではどんなに辛い時も平気なフリをするのが当たり前になっていました。」
Tさんはカウンセリングの間も、夫に怒られるのが怖い、自分が悪いから夫が怒る、といった内容をたびたび口にしていました。
モラハラ夫に心を支配され、能力のない自分は離婚をしたら生きていけない、夫に養ってもらうことしか自分の生きる道はないと思い込んでいました。自分で自分の心にマインドブロックをかけていたのです。
カウンセリング後、自分のされていることはモラハラだ、Tさんが自分自身を大切にすることが子ども達の幸せにつながる、自分をもっと大切にしたい…と希望を持ってくださいました。
今後は自分を大切にしながら、離婚のために計画をたて動いていくそうです。
モラハラ夫と暮らしていると、正常な判断力がなくなってしまいます。どんなに責められても自分の心は支配されずに
「私は絶対に悪くない」と自分に言い聞かせてください。
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