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【後編】「東大」は本当にすごいのか?現役東大生になって初めてわかった、その賛美の意味とは

OTONA SALONE / 2023年11月26日 21時1分

さんきゅう倉田さんは、オトナサローネでの連載をまとめた書籍(電子)『お金持ちがしない42のこと』がロングセラー人気の、元国税芸人であり吉本芸人でもあります。この3年間は仕事の傍ら、受験勉強にも専念する多忙な日々を送り、23年4月に晴れて東京大学文科二類に合格。各メディアで大きく報道され、話題になりました。

東大生たちに囲まれる暮らしが始まり、彼らの瞬時の判断力や教養、その合理性は「学ぶことばかりだ」と言います。そんな東大生たちの知られざる世界を、さんきゅう倉田さん独自の視点で語っていただきます。

今回は「東大」という学校名が持つ威力について紹介する【後編】です。

 

この記事の【前編】を読む
なぜ、世の中のみなさんは東大合格を「すごい」というのか?

山に登らないと山の高さは分からない

shutterstock.com

日本人ならほぼ誰もが「東大に合格するなんてすごい」と“なんとなく”思う。

東大卒の吉本の社員も、ぼくより1年早く東大に合格した京都大学卒の女性も「倉田さんすごいですね」と言っていた。

東大に入った人からすれば、自分が達成できたことだし、周りには東大生がたくさんいるので、東大合格は普通のことだと認識していると思っていた。

しかし、そうではない。
山に登ったからこその山の高さが判断でき、その山を登った仲間を讃えるのだ。

 

一方で、受験と無縁だったらどうだろうか。

ぼくだ。

小学校も中学校も地元の公立、推薦で高校に行き、大学は内部進学だった。受験の苦労も難度も分からない。

芸人になって吉本の同期に東大卒がいたが、彼を賢いと思ったことがなかった。
「東大卒でも普通だな」くらいに思っていた。

だが、彼が賢さを発揮する場面がなかっただけで、謎解きイベントに参加したときに彼の賢さの片鱗を見た。素早い情報処理、倫理的で明快な説明、豊富な知識。

恐ろしささえ感じた。

彼は灘中・灘高出身であることをよく漫才のつかみに使っていたが、その意味を理解していた芸人がどれほどいただろうか。

ぼくは全く分からなかった。ただ、「クイズの強い高校だな」くらいに思っていた。

 

今なら分かる。彼のすごさが分かる。

東大合格者の中でも灘や開成の出身者は特別視される。ほとんど全員が中学受験を経ているので、そこに入る難しさを知っているのだ。

挑戦した者だけが、その難しさを知ることができる。だから、東大受験をした者だけが、東大合格の正確な“すごさ”を測ることができる。

受験勉強をする前の自分にとって、早稲田と慶應は同じレベル、京都大学と東京大学も同じ偏差値だと思っていた。

ICUがどれほど賢くて、東工大と一橋大と東京外国語大とお茶の水女子大の差異は分からなかった。

 

しかし、実際にはそれぞれに差があって、下から上へと差を埋めるためには相当な努力と才能が必要だった。

そこに気づかなければ、例え親友が東京大学に受かったとしても、「すごいね。今度お祝いするね」とレストランでワインを振る舞って軽く済ませただろう。

その人にどれほどの記憶力と論理的思考力と速やかな情報処理能力が備わっているかなど考えもしなかっただろう。

乱雑に「賢かったんだな」と思うだけだったかもしれない。

 

「すごい。おめでとう」と言われると、やはり嬉しい。他者を不快感なく驚かせることができると、人は達成感や満足感を持つ。サプライズで他人の誕生日を祝った瞬間に似ている。

これからも他者を驚かせる人間でありたいと思う。

 

≪芸人・元国税局職員 さんきゅう倉田さんの他の記事をチェック!≫

 

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