40代50代女性が出会い系サイトを使う背景にきっとある「うちもだよ」と肩を叩き合いたいこんな理由
OTONA SALONE / 2023年12月30日 16時31分
ハルミさんは生まれたときから九州在住の、現在53歳。ときおり博多弁が混ざるのも、陽気な印象を後押ししている。同郷の夫との結婚生活は、今年で26年になる。長男はすでに社会人となって大阪でひとり暮らし。現在は、夫と大学生の次男との3人暮らしだ。
そんな彼女が出会い系サイトを利用するまでを聞いた『40代、このままセックスレスでは生き甲斐もない。思い切って登録した「出会い系サイト」の体験一部始終』に続く後編です。
【40代、50代の性のリアル・リバイバル】
独占欲の強い男性が「やらかした」驚きの事件とは?まさかそんなことがあるなんて
「女性がしてほしいことを、さらっとしてくれるタイプです。少女漫画でも読んで勉強でもしてるのかな、ってぐらいに。ベッドでもそれは大いに発揮されていて、女性の感じるところを察知するのがすごく上手なんですよね」
ところがこの男性、自分の財布は決して開こうとしない。富裕な女性と会ってお小遣いをもらうこともある、とハルミさんは本人から聞かされた。彼とのセックスを考えるとまた会いたいという気持ちはないわけではないが、お金を払うのは気乗りしない。
「彼から『もう他の人には会わないでほしい』って言われたんです。それには適当に答えたんですが、不思議なことが起きるようになりました。彼が、常に私の位置を把握しているんです。勤め先の社屋が移転したので通勤ルートが変わったとき、すぐに『何かあったのか』と彼から連絡がきました」
ほかにも、近道と思ってラブホハルミ街を横切っている最中に連絡がきたり、息子の住む大阪に向かう新幹線の車中で「どこかに旅行?」とLINEが届いたり……。怖くないですか、と筆者が尋ねると、
「スマホにGPSのアプリか何かを入れられたのかもね。悪い男なんです、ほんと悪い。でもそれ以上に魅力的な人だったんですよね」
と、からっと笑い深刻さは感じられない。ここを超えたら本当に危ないという一線がどこにあるかは人それぞれだが、ハルミさんのなかで彼はまだそこに引っかかっていないということなのだろうか。彼との交際は5年以上に及んだ。
そんなハルミさんだったが、50歳を過ぎたころから欲求が下り坂に入ったのを感じる。
ハルミさんの背景に横たわるもの、それは… 次ページ
そもそもどうしてこういうことになったのか。背景にある「家庭の事情」
「以前みたいに『したい!』という気持ちが沸き上がってこないんですよね。性的な欲求だけでなく、体調がいいときもあるけど、悪いときはほんとしんどい。私はセックスでもつい相手に一生懸命やってあげたくなるので、疲れるんですよ。だからいまは手当り次第会うのはやめて、相手はひとりだけ」
その彼とは住む地域が離れているので、セックスもしょっちゅうするわけではない。LINE友だちのようなものだという。
現在、ハルミさんが気になっているのは夫との関係だ。
「いまさらなんですが、夫の私に対する態度はモラハラなのではないかと思いはじめたんですよ。たとえば、私は話好きだから家でもずっとおしゃべりしているのですが、夫はろくに聞かずに『くだらん話だな』なんて言ってくる。私は他愛のない話をしたいだけなのに……そういうことがあると、傷つきたくないからもう夫と会話はしたくないなと思います」
はじめて話す筆者にも明るくのびのびと話しているハルミさんが口をつぐむとは、よほどのことではないか。次男が独立する日はきっと遠くない、そうすると会話できない夫とふたりきりになってしまう。
「弁護士さんに、離婚について相談に行ったこともあるんです。経済的な理由から別居をすすめられたので、いまはその可能性を探っています。経済的なことを考えても、何か新しいことをはじめるなら早く行動しないとね。起業を考えたこともあるんですよ」
起業については、夫にも話してみた。あくまでアイデアレベルのものだったのに、夫からは全否定に近い言葉しか返ってこなかった。銀行に融資の相談をしたわけでもないのに……。そもそもお金に対して「ケチ」といっていいほどに渋い夫だった。
「私は20年以上、男の子3人を世話してきたようなものです。夫は、大きなお兄ちゃん。お父さんでいてほしかったな、って思います。気持ちがおかしくなりそうなことが何度もありました。でも周りの友だちとおしゃべりしてると、環境や事情がそれぞれ違いながらもみんな家で辛抱してきてるんだなぁと気づかされます。話を聞くと、アンタよくそんなんで辛抱してるねぇ!と驚いたりね」
同じような思いをしている女性はたくさんいるのでは… 次ページ
同じような思いをしている女性、きっとたくさんいるのではないでしょうか
ハルミさんが家庭の外に出会いとセックスを求めたのと、四半世紀近くの無償ケア労働は決して無関係ではないだろう。
「女性として求められたかったんですよね。 “お母さん”としては十分求められてきた。大変だったけど、夫とのあいだにセックスがあるうちは、ひとりの女性に戻れる時間があると思えて、そのしんどさをチャラにできていたんです。でも、それができなくなったからね」
きっと、ハルミさんの行動力は結婚以来ずっと、家族のために使われていた。これからは、自分のためだけに使っていい。ハルミさんに共感する女性は、この日本に大勢いるだろう。
▶▶『40代、このままセックスレスでは生き甲斐もない。思い切って登録した「出会い系サイト」の体験一部始終』
【編集部より】
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