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47歳のママ友に「更年期の準備」を質問されたので、いまから5年に「起きそうなこと」を53歳の私が考えてみた

OTONA SALONE / 2024年9月28日 20時0分

こんにちは、オトナサローネ井一です。53歳、そろそろ閉経かな?どうかな?のタイミングで、現在メノポーズカウンセラー2年目です。

 

先日、ママ友飲み会中に「更年期障害の啓蒙プロジェクト」(アフタヌーンエイジプロジェクトby主婦の友社)について話したところ、「聞きたかったことがあるの!!」と声が挙がりました。

 

そのうちの一人、香織さんはいま47歳。国内メーカーで役員秘書としてキャリアを継続しています。超マルチタスクを要求される各種管理のほか、社の顔として表に出るシーンも多々あるため、気を抜ける瞬間がほとんどないハイストレスなお仕事です。

 

「気になるのは、最近気持ちのアップダウンがあること。朝起きるのがしんどいし、気持ちが落ち込むこともあり、これまでなかったイライラにもふと気がついて。これって更年期なのかな? サプリメントを飲み始めたりしたほうがいいのかな? なんて、なんだか不安になって」。

 

この内容、45~48歳の、いわば「前期更年期」のほとんどの皆様に当てはまる迷いだと思います。この疑問を私の立場から考えてみました。

 

働く女性は47歳ごろから「仕事と家事のペースダウン」を意識するのがちょうどいいのかも

香織さんにはひとつだけ特徴的な条件があります。10年前に子宮全摘出を行なっており、現在は月経がないので「月経が変化してきたな、そろそろ更年期だな」というサインが自分ではわからない点。ですので、このお話は「47歳、月経量がちょっと減ったり、サイクルが変わったり、変化があるな」という前提とします。

 

結論から言うと、年齢的に47歳の香織さんはかなりの確率で更年期の入口に差しかかっているでしょう。ですから、そろそろ更年期に差しかかる自分を「いたわる」ため、仕事と家庭のペースダウンに着手することをオススメしたいのです。

 

大抵の場合、ホットフラッシュやイライラ、めまい、手指の痛みなどの更年期症状は「月経の乱れ」と前後してスタートします。逆にいえば、月経が乱れ始めるより前に、あんまり早くから先取りして気をもむ必要もありません。

 

かくいう私は43歳のときにストレス性の難聴を「更年期です」と言われたことでおびえ始めてしまったのですが、おびえが強いと更年期の不調のような何かを「敏感に感じ取ってしまう」可能性もあります。何一つトクをしないので、更年期は「先取りの心構え」たぶん不要。「更年期かもしれないけど、不都合がないうちは気にしない」くらいに構えておいたほうがよかったなと思います。誰もそんなことは言ってくれなかったけども。

 

更年期という時期の女性は果たして「何がしんどくなっていくのか」。①汗②疲れ③痛み

さて、現在47歳ならば閉経(平均52歳)までの時間は5年間ほどでしょう。その間、特に49歳くらいからは、それはもう転げ落ちるように刻々と無理がきかない身体になっていく可能性があります。

 

ここまでの取材の感覚では、100人中更年期の変化をダメージとして感じる人が60人、「深刻に」ダメージを感じる人が10~20人。逆に言うと、40人は「変化はあったかもだけど、老眼や白髪のような自然な加齢変化のひとつで、そんなに気にならない」のです。

 

さて、変化を感じた側の話から。ホットフラッシュ、発汗、のぼせなど、汗関連は「最初に気づく」可能性の高い症状です。これまでなかった症状なので変化としてわかりやすいからです。一般にホットフラッシュにはホルモン補充療法(HRT)が奏功するケースがあると言われますので、あれこの汗はと思ったら婦人科で相談してみてください。これからは新薬が登場する可能性がありますので、病院と接点を保っておくのが吉です。

 

関節の痛みも気づきやすい症状の1つです。最近53歳の友人がヘバーデン結節、ブシャール結節と診断されました。これらは整形外科の範疇で、関節リウマチとの弁別が必要です。3週間ほど痛かったら受診してください。サプリメントのエクオールが有効な人もいますので、まずは整形外科で確定診断を受けることが重要です。

 

これら物理的な身体症状とはまた別に、みんながいちばん訴えるのが、気分の落ち込みやイライラ、疲れやすさ、起き上がれなさなど、メンタル系の変化です。これらはHRTが効く人もいるし、そうでもない人もいて、またセルフケアでカバーできる範囲もある何かです。

 

まず対策する価値があるなと思うのが、睡眠でしょう。眠りの質は更年期前半の5年でびっくりするほど下がります。夜中に何度も目が覚めたり、眠りが浅くなったりと、ありとあらゆる睡眠の質の低下が起きます。質の低い睡眠には「より長い寝る時間の確保」で対抗するしかないと思います。なので、「無理!」と思うかもですが、夜11時に寝ようとする努力をスタートしてください。睡眠は必ずあなたを助けてくれます。

 

また、朝起きたくない日に起きなくて済むように家族と相談するのも有効だと思います。更年期連載を一緒にやってきたライターの藤井さん、そして私は、2人とも49歳で激烈な更年期障害に襲われました。49歳の段階で「今よりは少しでも自分をラクにできる」よう、生活負荷を下げる努力がサプリよりも先なのだと思います。

 

・お弁当ありの場合、お弁当の作り方を子どもに仕込む。例えば作り置きしておいて、詰め込むのはやってもらうなど

・朝ごはんを「チーズ乗せトースト・ヨーグルト・フルーツ」などに変更、各自が用意できるようにしていく

・朝ごはんは前夜準備しておき、翌朝夫にチンしてもらう

・掃除も洗濯も人力ではやらず、ルンバに洗濯乾燥機にと機械に任せる。家事の自動化に努力を

・週末も習い事をツメている場合、55歳以降の再開でもいいものは「あとで」にして土日の休養を確保する

 

私は現在53歳ですが、コロナ禍の49歳から朝起きるのを諦めて夫に託しました。現在は夜11時に寝て、出勤ギリギリの朝8時まで寝ています。私の場合はこの睡眠が自分の健康維持のための義務です。

 

掃除洗濯などの家事は産後と同程度かそれ以上に軽くしようとしてください。熟眠できないということは、産後の2時間おきの授乳の状態が永遠に続くという意味です。ここが人生最後の洗濯乾燥機、食器洗浄機、ロボット掃除機などの導入タイミングです。家電各社や家事サービスもメノ層の家事サポートをもっと狙ってほしいなと思います。

 

職場の上司や同僚に対しても「更年期は終わると伝えていく」努力を始めてほしい

職場にも「不意の体調不良での欠勤が起きるかもしれない」ことを根回しできるといいと思います。面談の機会があれば根気よく上長に伝えてください。あまり前例のない職場ならば「更年期症状はおよそ3年、遅くとも5年で収まり、元の体調に戻る」「悪化するようならば治療が可能」など、ポジティブな見通しも伝えてください。

 

「汗を急にかくことがありますが、止まりますので、また汗だなとスルーしてください」

「めまいが起きてちょっとぼーっとしている場合がありますが、危険があったら声に出して救援を求めますから大丈夫です。目をつぶっていたらめまいだなとスルーしてください」

などなど。

 

あまりに話の通じない職場であれば、いっそ40代のうちに異動や転職を考えてもいいのかもしれません。最悪なのはすでに更年期を通過した管理職女性が「更年期なんて甘ったれたこと言わないの、私は休まなかったわ」と発言するケースです。私は近いことをやられました。弊社は大正時代から女性に寄り添ってきた「主婦の友社」であり、それでもやられると考えると「大抵はやられると思っておいたほうがいい」。昨今は男性でもコンプラ上理解を示すことが格段に増えましたが、自分が無症状だった幸運を自覚しなかった女性の意識は残念ながら変わる可能性が低いと思います。なぜなら、その頑迷さも更年期症状のひとつだからです。

 

女性の多い職場の場合、あなたが更年期世代であれば、それなりにモノを申せる立場である可能性もあります。ぜひ日ごろから意識的に調子の悪い人をカバーして「お互いさま」のムードを作ってください。調子を崩したときに助けあう相互扶助のムードを作り出すのは有効です。少なくとも、ギスギスな環境がメンタルにいい影響を及ぼすことはひとつもないので、今のうちから自力で変えていってください。同僚は思ったよりもはるかにあなたを助けてくれます。

 

こうした環境整備は私たちベテランの、ある意味での義務と言えます。後輩に託す環境はよりよく整えるべきですから、周囲に自己開示をして、自分の状態がどうであるかをできる限り伝えてください。これはもう後輩のための義務です。「隠した」ケースで職場との関係が良好に推移することはまずありません。「さぼっているのではなく、身体がしんどいのだ、やる気自体はあるが、いまはちょっと難しいのだ」と前向きに伝えることは思っているより重要です。周囲は不調そのものではなく「何も理由を言わずに黙って倒れる」「やたらパフォーマンスが低くなってるのに何も原因を言わない」ことに疑心暗鬼になるのです。法的には休暇は理由を言わず取得していいのですが、やっぱり「ごめん!」「私いま症状が強くて!どうしても今だけ許して!」の一言があったほうが円滑なのです。

 

サプリメントよりも投薬よりも(どっちもあったほうがいいけれど)、周囲の助けをうまい具合に借りて、無理なく過ごす環境を少しずつ作っていくのが「更年期の入口」では大切だと思います。サプリはいざとなってから買えば間に合うけれど、こうした環境整備は信頼関係の上に築かれるので時間がかかるのです。なお、このほか自分自身のための努力はお話の最後にまとめます。

 

以上、正規雇用前提の言説になってしまった点はごめんなさい。雇用条件による働き方の問題に私はまだ結論を出せておらず、ここはいずれ整理します。

つづき>>>更年期「いちばんの問題」って何だった?「太る」はやっぱり大問題。眠れない、疲れる…どう対策する?

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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