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男性から見た「結婚とセックスレス」の実情。夢と現実のはざまで揺れる男性の「マイホームと家計」、そして残酷な出会いとは【レス百景#1】

OTONA SALONE / 2024年2月4日 20時50分

25年ぶりに実施された『性機能障害の全国実態調査に関する報告』(2023)によれば、年齢別EDの有病率は50歳以上が41.7%、また性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。

 

オトナサローネでは「不倫」「婚外恋愛」「レス」など、夫婦やパートナーの内情に踏み込んだ記事が人気を集めます。「のぞき見」の要素も大きなゴシップライクな分野ですが、それだけではここまでの人気にはなりません。社会全体が何かしら、心の奥底に「口にしにくい悩み」を抱えていることが感じられます。

 

この問題は同時に人口問題でもあり、重大な社会課題であるにもかかわらず、男性の視点からの取材記事はほとんどありません。いまや男性が仕事や家事も率先して行うことが当たり前の社会のなかで、プレッシャーや葛藤を抱えながら、彼らは何を考えているのか。

 

男性課題をテーマに執筆を続けるライター・山下あつおみ氏による連載をスタートします。

 

妻の願いを叶えるためのマイホーム

本当にマイホームが必要だったのだろうか。このように語るのは神奈川県在住のヒロシさん(仮名・41歳/会社員)です。

 

ヒロシさんの家庭は妻(40歳)と娘(6歳)の3人家族。結婚は7年前のことで、妻とは付き合っていた頃にフラれたこともあり、それでも諦めずに念願かなって結婚できたときは本当に嬉しかったと語ります。

 

「本当に好きで結婚した人です。今も気持ちはある、だからこそできる限りの願いを叶えてあげたい」

 

結婚した今もヒロシさんの気持ちは妻に向いているものの、娘が生まれてから次第に男女の関係はなくなり、気づけばパパとママの関係になっていたといいます。

 

「正直、今も妻を女として抱きたい気持ちはあります。ただ何度か断られたので誘うのが怖くなってしまい、もう諦めかけています」

 

レスになってからは5年が経過しており、ヒロシさんは妻との関係において、結婚当初の熱烈な感情からの関係の変化に葛藤し続けていました。こうした諦めの気持ちが芽生えていたとき、ヒロシさんの妻が欲しがったものがマイホームでした。

 

「学校が多い文京地区にマイホームを購入したのは4年前です。それまで近くの賃貸マンションに暮らしていて、ここの生活環境を変えたくなかったことも大きな理由です」

 

新築のマイホームは3LDKの2階建、カースペースも1台分確保した土地面積85㎡、最寄駅から徒歩13分の住環境で価格は約4,400万円、35年ローンを組みました。

 

実はヒロシさんは購入前に少々高いとは感じていたようで、娘の進学など先々の教育費を考えた場合、家計は火の車になることは明らかでした。

 

「見通しが甘かったといえばそれまでです。当初はどうにかなると思っていた部分も正直あり、仕事を頑張って社内で昇進すれば、給料も上がると考えていました」

 

収入アップは見込めず、共働きも実現しない

いわゆるアッパーミドルが多く住むこのエリアは、静かに妻同士の「つばぜり合い」が存在しました。それは娘を学校に送る際のファッションにも表れており、ブランドのロゴが入ったバッグや冬になると高級ダウンを目にする機会が日常的にあります。子どもの習い事はピアノと英会話が多いことを妻や娘との会話からヒロシさんは感じているそうです。

 

「妻と私は同じ大学を卒業しており、教育に関心がないわけではありませんが、私だけの給料では生活費が足りないのが現状です。誤算だったのは社内の昇進云々ではなく、会社の業績が傾いていることにあります」

 

メーカー勤務のヒロシさんの会社は円安による恩恵があると思いきや、ほとんどの原料を輸入に頼っている事情もあり、マイナスの面が大きいことも業績に影響していました。

 

つづき>>>そんな中、ヒロシさんに「運命のできごと」が。ゆれる心に向き合うが、抑えきれない気持ちは…

 

≪家庭関係研究所 山下あつおみさんの他の記事をチェック!≫

 

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