出会ってしまった、妻の面影のある「働く女性」。やっぱり俺は「男として見てもらいたい」、でもマイホームのローン残はまだ30年以上ある
OTONA SALONE / 2024年2月4日 20時51分
男性課題をテーマに執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、男性の視点からセックスレスと男性と家庭の問題について取材を進めます。
前編▶『男性から見た「結婚とセックスレス」の実情。夢と現実のはざまで揺れる男性の「マイホームと家計」、そして新たな出会いとは』
副業と出会いがもたらしたヒロシさんの心の変化
「どうにか世帯年収を増やすために、妻が働いてくれたらとお願いをしているのですが、なかなか進展しません。奥さん同士の付き合いがあるみたいですが、結婚前は仕事熱心な女性だったので、これも大きな誤算です。仕方なく副業をはじめてみたのですが、今のところ大きな収入アップにはつながっていないのが現状です」
そう話すヒロシさんにはまだ何か事情があるような表情をしており、尋ねてみると、こんな答えが返ってきました。
「偶然なんですけどね、最近、ちょっとよいなと思っている同い年の女性Sさん(41歳)と出会いました」
どうやらヒロシさんは副業するにあたり、試しにオンラインサロンに入ったそうで、そこでのオフ会でSさんと出会ったとのこと。
「これはなんと言ったらいいのか、どことなく妻と顔が似てるんですよね。もちろん妻の方が好みだし、気持ちもあります。ただSさんとは同じ悩みを持っているんですよね」
ヒロシさんいわく、Sさんも結婚しており、息子(7歳)がいるといいます。たまたまお互いにレスであることがわかり、急接近してしまったようです。
「実は1度だけ、2人で食事をしたことがあります。もちろん何もありません。ただ妻には秘密にしており、下心がゼロというのはウソになると思います。もしも不倫がバレたらコワイのかな、家庭が一番大切な気持ちは変わらないのですが、男として見られたい気持ちがあるのも事実です」
どうやらヒロシさんの心の中では、妻との男女関係、家計の問題、新たな出会い、という3つの事情が堂々巡りしているようです。
「妻が働く気持ちがない、働いてくれないことを知ったときは、正直にいうと絶望的な気持ちになりました。もちろん私の力不足が原因ですが、はじめて心がボキっと折れた気がして。そのときですかね、Sさんと出会ってしまったのは」
もともと不倫自体、自分とは無縁だと思っていたというヒロシさんですが、今の生活のモチベーションはSさんによって支えられているといいます。
「結婚して良かったことのひとつに、娘が生まれたことがあります。こんなにも愛くるしく、愛しい気持ちになるのかと、娘を通じて知りました。ただ、もしもマイホームを購入していなければと考えることがあります。あと返済まで30年以上ありますからね」
娘のことを話すときのヒロシさんは優しく複雑な表情を浮かべ、こんな本音も語ってくれました。
「日に日にSさんへの気持ちが大きくなっているのは事実です。Sさん自身も働いていて、やっぱり働いている女性って素敵ですよね。ただ先のことはわかりません。娘が成人して自立する姿も楽しみだし、経済的に支える義務があるのはわかっています」
ヒロシさんの心の奥底にあるものとは
最後にヒロシさんに「もしも夫婦生活が復活したらどうしますか?」と質問をしてみました。
「それが一番理想かもしれません。ただ現実的には難しいと思います。きっと寂しいのでしょうね、これはくだらない男のプライドなのかな」
ヒロシさんの複雑な心情と抱える悩みは、夫婦や経済的な問題、新たな出会いによって交錯していました。そして、同じような悩みを抱える男性は実は沢山います。
職場はもちろん、家族や友人にも明かせない。男とはプライドのカタマリであり、そんな秘密と葛藤する孤独な生き物なのです。ヒロシさんはマイホームの支払いに追われながら、今日という日を懸命に生きています。
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