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「6千万円で裏口入学できたなんて…」娘のお受験に失敗して不倫に走った、エリート妻の末路は【エリート銀行員たちの不倫事情】後編

OTONA SALONE / 2024年3月2日 19時1分

メガバンクの営業店で課長として働く京香さん(仮名・40歳)。恐妻家の次長、啓司さん(仮名・43歳)から誘われ、一緒に飲みに行くことになりました。激動の後編をご紹介します。


恵比寿のバーで、二人はカウンターに座りました。

元々お酒にも音楽にも全く興味がなかった京香さん。しかし、そこのバーが出すモヒートはすっきりとしていて、とても美味でした。

 

店内には80年代を思わせるジャズが、控えめに流れていました。

『この曲、好きかも』と彼女が言うと『この店はアンプにこだわっているから、全部が名曲に聞こえるよ』と彼は説明します。

『普通のスピーカーって、低音・中音・高音に対して1つのアンプを使ってるんだ。この店のスピーカーは、低音には低音のアンプを、中音には中音のアンプを……と、それぞれ使っている』

 

熱心に説明する彼に感心して、彼女はグラスを傾けました。男性特有の凝り性は、嫌いではありません。
娘の受験が終わり、燃え尽き症候群のようになっていた彼女は「打ち込めるものがあっていいな」とも思いました。

「仕事でも課長止まり、マミートラックにはまったまま抜け出せない。娘の小学校受験にも失敗して、夫との仲は最悪。かろうじてタワマンに住んでるだけ。私の中は空っぽな気がしたんです」

 

心の空洞にアルコールが染み渡っていきます。お酒が進み、いつのまにか京香さんは、啓司さんに日々の愚痴をぶちまけていました。

そんな中、『この後、どこ行く?』と彼が聞いてきました。てっきりホテルに誘われるのかと思って彼女が身構えていると、彼は意外にもこう言いました。

 

『ゴルフでもやりに行く?来月、店内コンペでしょ』

 

彼女は驚きました。クラブも持っていないのに、どうやって行くんだろう。
『着いてくればわかるよ』とお会計終えた啓司さんに言われて、2人はタクシーに乗り込みました。

 

着いた場所を見て、彼女は全てを理解しました。

 

到着した場所はなんと… 次ページ

到着した衝撃の場所とは?

「そこはラブホテル。『ここでゴルフですか?』と彼に聞くと、彼は目で少し笑って中に入っていきました」
チェックインを済ませた啓司さんは『シミュレーションゴルフを利用したいんですが』と受付で言います。

すると、地下の部屋に通されました。そこには一面、グリーンが広がっていました。

『ここなら誰も見られずに思いっきり練習できるんだよ』と彼は説明します。

 

2人は一通りゴルフを楽しみ、汗をかいて、部屋でシャワーを浴びることになりました。

京香さんがシャワーを浴びていると、啓司さんがドアを開けて入ってきました。

彼の目は真っ黒で、どんな感情も読み取れませんでした。

「流れでセックスしましたが、それだけ。愛してるとかキスとかもない。スポーツの続きのようでした」

 

こういうライトなセックスも悪くない。終わったあと、そう思いつつ体を拭きながら京香さんは彼に尋ねました。
『家で大好きな奥さんが待っているのに、どうして他の女の人の所に行くの?』と。すると、驚くべき回答が返ってきました。

 

次長が放った言葉は… 次ページ


『あいつは俺のことを好きじゃない。演技をしてる自分に酔ってるだけだ。彼女が気にしてるのは、君だよ』
京香さんは言葉の意味がよく理解できず、彼の言葉の続きを待ちました。

『君みたいに子供をお受験させて、キャリアも築いている女性って、すごく輝いて見えるんだよ。本当に彼女が俺のことを好きで、俺のキャリアを応援したいのだったら、残業中に電話なんてかけてこない。君に嫌がらせをしたいから、電話をかけてくるんだよ』

 

『包丁は?』と彼女は尋ねました。かつて彼が財布を取り出した時、財布が包丁でズタズタにされていたからです。
彼は笑いながら話しました。

『俺が家でよく、息子に話すんだ。銀行に京香さんっていう素晴らしい課長がいる。仕事も頑張って、育児も真面目に考えてる。お前もそういう奥さんをもらえよ、って。それを聞かれたら、財布がああなってた』

 

『何も成功してないですよ』と彼女は言いました。
せいぜい課長止まりだし、娘の小学校受験は失敗したからです。しかし、彼はこう返しました。

『課長になるだけで成功だよ。世の中には働くことすら諦める女の人だって、たくさんいる。さらに娘に受験をさせようなんて、すごい労力が必要だ。その娘を想う心こそが、僕はすごいと思う。結果じゃなくてね。そんなもの後からついてくる』

 

2人はタクシー乗り、解散しました。

 

仕事もダメ、育児もダメ。そう思い込んでいた京香さんですが、他の人からはそう見えていない。
それだけで、救われたような気がしました。

「次長に対して恋愛感情はありません。きっとこれからもないでしょう。でも彼がいたことで、なんだか良い夜を過ごせたな。そう思いました」

 

そう語る彼女の笑顔は、まるで上質なモヒートのようにすっきりとしていました。

 

 

<文/登彩>

 

≪作家・ライター 登彩さんの他の記事をチェック!≫

 

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