呪いの思い込み「うちの子は平均以上」が苦しくてたまらない【連載_東京こども4人育児日記 #8】
OTONA SALONE / 2024年3月6日 11時30分
東京で4人の子どもと暮らしているライター・岡本ハナです。
長女はADHDと強迫性障害を併せ持ついわゆる発達障害児ちゃん。
通院や療育により、今でこそ健常児とそう変わりなく過ごしていますが、小学校へ入学する時には「なんでこんな簡単なことが出来ないんだろう……」といった小さなつまずきばかりの毎日でした。
今回は、「遊びの延長線上だから楽勝」「きっとうちの子は平均以上だから大丈夫」だなんて思っていたのに関わらず、小学校一年生の勉強についていけないで必死にもがいていたほろにが~い思い出をお話します。
※ADHDと強迫性障害の診断前ですが、彼女の特性を理解して対応すべきだったなという反省節です(涙)。
【東京こども4人育児日記 #8】
▶この連載の1つ前の記事を読む▶発達障害児と暮らす「健常児のきょうだい」はスルー力が抜群!
小学校一年生の勉強は「出来て当たり前」という思い込み
就学前の保育園最後の保護者会で、園長先生がこんな話をしていました。
「就学前にたくさん予習をさせる親御さんがいるけど、そんなことしなくても大丈夫! 一年生は生活に慣れることが第一だから、あまりプレッシャーを与えないであげてくださいね。自分の名前を読み書きできれば十分ですよ」
なるほど。私が小学一年生の時を思い返してみると、特に就学前に勉強していなかったけど、学校で習う初めてのひらがなや算数は新鮮で面白かったなぁ。私が出来る出来ないとかではなくて、周りも同じだったし、きっと長女ちゃんも大丈夫でしょう! 出来ることが普通なんだから。
小学校の勉強は「楽勝」だと思っていたぶん、私は現実とのギャップに苦しめられることになるのです。
ADHDあるある「集中すること」の難しさ
長女の場合は、ADHDの特性である「作業の優先順位がわからない」「集中力が続かない」といったことが、入学してすぐ顕著にでてきました。
例えば、字を間違えて消しゴムで消すことになったら、筆圧で少し凹んだ跡が気になり、穴があくまで消している。ただ、それで本人が納得いくようなキレイさにはならないので、そこでまたシクシクと泣いてしまう。そうこうしているうちに授業はどんどん先に進んでいって、休み時間になってもノートをとり続けていたりも。
出来る出来ない以上に、「授業を受ける」というスタートラインにすら立っていないことを目の当たりにしました。
ADHDあるある「興味がないことはシャットダウン」
ただでさえ集中力が続かない性格なのに、さらに「好き嫌い」で「やるやらない」を決めるという超マイペースぶりも発揮していました。
読み書きは好き。人並に読めて、書くこともできる。
しかし、問題は算数!どんなに繰り返し説明しても、興味がないのか何も頭に入っていないご様子。いつまでたっても、ぴかぴかキレイな空白欄。ようやく埋めることができても、スーパー乱雑。
算数に関してはテストで名前を書かないほど「やりたくありません」を一貫していました。
ここまでくるとすがすがしさすら感じる……。ただ、この深刻さは誰にも伝わらないんです。ママ友に相談しても、「子どもなんてそんなもんよ~」なんて笑いとばされる始末。
分かりますよ、人様の子どもならほほえましいなぁで終わると思いますよ……。でもね、自分の子どもだったらどうよ? 足し算&引き算につまずくってけっこうしんどい。このままの調子だったらきっと掛け算も出来ないだろう。
宿題をして、まるつけをしてもひとつかふたつの間違えで、その間違えもちゃんと理解して……そんな普通に勉強をしている子どもたちが「なんてすごいんだろう」と思う日が来るなんて夢にも思いもしませんでした。
心のどこかで「うちの子は平均以上」だなんて、思い上がりもいいところだった。でも、どこかでまだ「平均だから大丈夫」だなんて自分に言い聞かせていて、それがまた自分を苦しめる負のスパイラルになっていました。
タラレバの話になってしまいますが、「もしこの時にADHDと強迫性障害が診断されていれば、適切な対応が出来たんじゃないか」「長女も生きやすかったんじゃないか」と悔やむこともあります。
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