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「東大の教員」人生で会ったオトナの中で最も性格が悪い人間だった。東大生たちを翻弄する“彼”の話

OTONA SALONE / 2024年2月29日 11時1分

2月で39歳になりました。東京大学1年さんきゅう倉田です。

この連載では、東大の学生や先生の素晴らしさを伝えていますが、中にはろくでもない人間も存在します。どのくらいろくでもないかというと、ぼくの出会った大人の中で最も性格が悪いと認識するくらいろくでもなく、邪悪で、恣意的で、愛のない人間で、しかも教員でした。

 

東大には体育の授業があります。種目はテニス、サッカー、筋トレ、バスケなどから選択でき、13回ある授業の第1回で決めます。大きな教室に200人ほどが集まって説明を聞いてから、担当教員のもとに赴きます。

ぼくは事前にカバディにすると決めていたので、担当のいる島にさっさと着席しましたが、その教員がとんでもない人物だったという話の【後編】です。
(その教員は社会的な制裁を受けてもいいくらい邪悪な人間で改心して欲しいと思うけれど、ぼくの判断が正しいとは限らないので個人が特定されないようにスポーツ名を変更しています)

 

この記事の【前編】を読む東大にも“ろくでもない”教員がいて、学生たちが授業のたびに鬱々とした気持ちにさせられているという実情とは?

 

悪人としての筋を通さない教員

12回目の授業。いよいよカバディができるのもあと2回です。着替えてカバディ練習場に向かうと、様子がおかしい。普段は前の授業で使ったカバディの道具が置いてあるのに、見当たらない。練習場にいる学生の数も少ない。何が起こったのだろうか。顔を知っているけれど、話したことのない同級生に声をかけられました。

「今日って実習?」

「前回そんなことは言ってなかったけれど(だって,一言も発していなかったから)、前の授業で使ったはずの道具がないってことは、カバディじゃなくて実習の可能性が高いね。9号館の掲示板に行ってみよう」

我々は走りました。授業の開始まであと10分しかありません。駒場キャンパスは広い。悠長に歩いていたら間に合わないかもしれない。こんなとき、ICT-LMSで連絡さえくれていれば、どこにいくべきか迷わずに済むのに。

 

9号館に到着して掲示板を見ると、案の定、この日の実習の場所が書いてありました。

「カバディ コミプラ3階」

場所が書いてあるということは、カバディの練習はなく実習が行われるのは間違いありません。9号館からコミプラに向かって走りながら、カバディ練習場に向かおうとする顔見知り全員に声をかけます。

指定されたコミプラの部屋には1/4くらいの学生がすでに集まっていました。どうして今日が実習であることを知っていたのか尋ねると、フランス語のクラスのLINEグループに流れてきたと言います。どうやら、前々回かその一つ前の授業で12回目が実習である旨がアナウンスされていたようなのです。

 

さて、ぼくは授業には間に合いましたが、文科一類の友人がひとり遅刻扱いとなってしまいました。彼はカバディコートに向かったものの、いつまで経っても他の学生がやってこないことを不審に思い、9号館の掲示板に向かったそうです。

授業の開始とともに、恒例の運動着を着ているかチェックが行われると思っていました。しかし、アシスタントの大学院生による授業内容の説明が始まり、そのまま実習に移ります。おかしい。どういうことなのか。

カバディ教員の方を見ると、なぜか着替えていません。赤いチェックのシャツとベージュのチノパンを履いています。体育の教員のなのに、運動着を忘れたのかもしれません。自分が忘れたから、我々の服装も確認しない。

そもそも、今回実習がある旨を事前にアナウンスしていたかもしれないが、運動着を着てくるように指示はしていませんでした。つまり、自分が運動着を着ていないこと、あるいは、運動着を着てくるようにアナウンスをしなかったこと、このどちらかの理由で、負い目を感じ、服装の確認を放棄したのではないでしょうか。

 

これについてははっきりと、間違っていると言いたい。

 

これまで、彼の横暴をな振る舞いを述べてきました。彼ほど悪徳な人間ならば、自分に矛盾なく悪を貫いて欲しかった。学生は未熟かもしれないが馬鹿ではない。着替えていない教員にも気づくし、服装のチェックが行われていないことにも違和感持っている。そして、その理由に容易に辿り着く。それは付け入る隙となるだろう。

「我々に対して、靴や運動着を着ていないことで過剰に責めたのに、自分が着替えてこないなんてどういう了見なのか説明してください」と言われたらどうするつもりなのだろうか。議論に勝てる筋があるのか。

 

 

悪なら悪として、その限りを尽くしてほしい

「俺は着替えてないよ。でもお前らは着替えてこいよ。俺が着替えているかいないかは、お前らに関係ないだろ。着替えて来いとも言わなかったよ。でも、体育なんだから毎回着替えるのが当たり前だろ。考えればわかるだろ。そこのお前とお前着替えてないな? 減点!」

こんなふうに言うほうが、悪人としての筋が通っている。でも彼はそうしなかった。授業の後、遅刻扱いとされた友人が教員に質問しました。

「今回が実習だと知る方法あったんでしょうか」

教員は言いました。

「前々回の授業で言ったんで」

友人はすごすごと戻ってきました。彼は文一です。将来は司法試験を受けて、裁判官か弁護士になるでしょう。そんなにすぐに諦めていいのか。ぼくは彼に駆け寄って、話を聞きました。

「前々回にアナウンスされた記憶はないけれど、言った言わないは水掛け論だし、教員側にイニシアチブがあるから、議論しても勝てない。諦めるよ」

彼は悲しそうな目をしていました。ぼくも悲しそうな目をしました。

「確かにさ、前々回に言ったかもしれない。でも、前回は一言も言葉を発しなかった。それは教員としての職務を全うしていないんじゃない?前々回に言ったとしても、前回も言うべきじゃない?責務を果たしているとは言えないでしょ。その筋で攻めたら勝てるんじゃない?」

「ありがとう。でも、もういいよ」

 

ぼくの助言虚しく、友人は諦めました。友人は諦めたけれど、今後東大で体育を履修する人のために改善を求めたい。

教務課のさまざまな対応を聞くに、大学が学生の声に耳を傾けるとは思えないから、学生自身の手で、カバディの教員を避けてもらいたい。東大にも不合理な教員がいますよ。そして、学生には権利の侵害に対して意見を言う権利がありますよ。

 

※ 本記事の競技名「カバディ」は実際のものとは異なります。個人が特定されないようにスポーツ名を変更して記事化しています。

 

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≪芸人・元国税局職員 さんきゅう倉田さんの他の記事をチェック!≫

 

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