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卵巣嚢腫と子宮外妊娠で手術。苦難の末に、体外受精で妊娠!その後、妻が下した決断とは?

OTONA SALONE / 2024年4月1日 21時0分

2022年4月より不妊治療の保険適用が開始され、不妊治療や体外受精に踏み切る夫婦は増えています。しかし、治療の末に妊娠・出産できる夫婦ばかりではありません。苦労の末に子どもをあきらめなくてはいけないケースも少なくありません。

子宮外妊娠からの体外受精と死産という壮絶な体験を通して、妊活がうまく行かなかったとき、夫婦が「乗り越えなくてはいけない壁」について考えてみます。

卵巣嚢腫で卵巣が一つになるも無事に妊娠、でも……

千葉県在住の優華さん(仮名・45歳/図書館司書)は、25歳のときに卵巣嚢腫が見つかり、手術で右側の卵巣を切除。妊娠が難しくなるのでは?と不安でしたが、医師から「卵巣は一つでも問題なく妊娠できる」と説明を受けてホッとしたといいます。

28歳で元夫(当時29歳)と結婚後に初めて妊娠しますが、2か月後に流産してしまいます。しかし、流産の処置後も妊娠反応が続いていました。そこで、優華さんが通うクリニックに月一で医大から来ていた先生に診てもらうことに。

手術後まだ間もなかったため、麻酔をかけられずにお腹の中を見せることになり「死ぬほど痛かった」と優華さん。さらに追い打ちをかけたのが「子宮外妊娠かもしれない」という医師の言葉でした。

 

 

可能性があるなら、と体外受精へ

子宮外妊娠で、左の卵管と子宮の境目に胎児が着床しているのがわかり、左の卵管を切除することになりました。卵巣と卵管は両方そろっていて妊娠が可能になります。優華さんは右の卵巣と左の卵管がなくなったため、自然妊娠はできなくなりました。

しかし、「体外受精をすれば子どもは授かる」の言葉に希望を見出した優華さん。もともと、何が何でも子どもが欲しいとは思っていなかったそうですが、「可能性があるならチャレンジしたい」と感じたといいます。

夫に話すと、「優華がそうしたいのなら」と了承してくれました。

 

 

妊娠するための選択肢として残されたのが、体外受精

卵巣で作られた卵子は卵管に取り込まれ、そこへ精子が到着して受精。受精卵は卵管を通って子宮へ到達して着床します。何らかの原因で子宮以外の場所に着床して妊娠が継続することが「子宮外妊娠」です。優華さんの場合は、子宮と卵管の境目に着床していました。

不妊治療にはさまざまな方法があります。妊娠しやすい排卵日に受精するために、医師の指定した日に性交する「タイミング療法」。精子を子宮の奥に注入して、そこから先は自然妊娠を目指す「人工授精」。卵巣から卵子を取り出し、体外で受精させた受精卵を妊娠しやすい時期に子宮に戻す「体外受精」などです。

卵管切除や機能低下で、精子が卵管を通ることができない場合は、体外授精をして受精卵(胚)を子宮に移植(胚移植)することになります。優華さんはこのケースとなります。

 

 

体外受精で双子を妊娠

体外受精では、男性側がおこなうのは受精する日に精子を採るのみのため、タイミング療法と比較すると負担は少ないといえます。しかし、女性側は排卵誘発剤などの注射をするために度々通院する必要があり、時間的な拘束だけでなく身体的な負担も大きいといえます。

体外受精時には、妊娠の確立を上げるために複数の受精卵を子宮に移植することがよくおこなわれます。また、排卵誘発剤の影響もあり、通常妊娠より双胎・多児妊娠(双子以上の妊娠)の確立が高いといわれます。

優華さんは体外受精をはじめて数か月後には無事妊娠。双子を授かりました。6カ月を迎えるころには、かなりお腹が大きくなっていました。

 

 

【前編】では、卵巣嚢腫と子宮外妊娠の手術で、自然妊娠ができなくなったために不妊治療をはじめた優華さん。体外受精で双子を妊娠することができたという経緯をお伺いしました。

▶続きの【後編】では、妊娠中のトラブルでおなかの赤ちゃんの命が危険にさらされてしまう体験をお話いただきます。優華さんの妊娠継続はかなうのでしょうか。そして、夫との関係はどうなるのでしょうか。__▶▶▶▶▶

 

 

≪イラストレーター・コラムニスト・漫画家 陽菜ひよ子さんの他の記事をチェック!≫

 

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