離婚後、採用権限のある立場まで出世。面接にあらわれたのはまさかの相手……!
OTONA SALONE / 2024年4月3日 21時1分
モテるとは魅力的なこと。恋人だったらモテる相手のほうが楽しく過ごせそうです。でもいざ結婚するなら、浮気などしない安心感のある相手がいい、そう考える人は多いのではないでしょうか。
モテる男性に失恋した女性が選んだ相手は、モテそうにない男性でした。ところが意外にも彼はモテることが判明。二人の結婚の行方についての【後編】です。
【仕事と結婚 ♯5 後編】
▶この記事の【前編】を読む▶仕事も連載も絶好調だったマリコさん。ところが、彼との別れをきっかけに仕事もうまくいかなくなってしまい、別の一見モテなさそうな彼と結婚を決めたのですが……。
デート以上浮気未満、どこからが「罪」?
夫のあやしい行動は結婚後も続きました。カフェやレストランでの2人分のレシートが無造作に置きっぱなしになっていることもよくあったといいます。そうした証拠らしきものを見つけても、例の先輩からデート情報を聞きつけても、マリコさんは夫を責めることはありませんでした。
同僚と食事しただけなのか、それ以上深い仲なのかまではわかりません。でもマリコさん自身、夫の先輩やかつての同僚など、男性の飲み友達もたくさんいたので、夫にもお茶をする女性の友人がいてもおかしくはないと考えていたのだそう。
見た目も悪くなく、やさしい夫は、女の子とお茶や食事をするハードルが低く、勘違いされやすいタイプ。誘うのは彼が先かもしれませんが、女性がその気になってしまって揉めるのがお決まりのパターン、だったようです。
就職、子作り、どっちを選ぶ?
機関誌の編集が性に合わず、マリコさんは会社を辞めて就職活動をしていました。しかし、なかなか正社員として採用されません。
仕方なく週3のパートで編集の仕事をはじめました。家事はテキトーに済ませ、友人とランチや飲み会を楽しむ毎日。今振り返ると、体力的には楽だったけれど、心の中にはモヤモヤと焦燥感があったとか。
いつまでも就職できないなら、先に子どもを作ろうと考えたマリコさん。しかし、忙しい夫とタイミングが合わないこともあり、なかなかうまく行きませんでした。産婦人科で調べてみると、マリコさんはやや子どもができにくい体質だということが判明します。
結婚して三年後、このまま子どもができず、ただ年を取るのは嫌だと思ったマリコさんは、さらに本腰を入れて就職活動をするように。結婚してすぐに応募した出版社に再挑戦すると、なんと今度は採用されたのです。
面接した役員は、前に応募したマリコさんのことを覚えていたといいます。前回不採用になった理由は、「結婚したての女性はすぐに子どもができて辞めてしまう」と判断されたからだと教えてくれました。
男女雇用機会均等法が定着し、ほとんどの女性が結婚後も仕事を続けるようになっていました。しかし一方でまだ妊娠・出産後に辞める人は多かったため、そのように捉える企業が多かったのでしょう。
結婚の意味を見出せず、離婚
マリコさんは、雑誌編集者として不死鳥のようによみがえりました。しかし、それは同時に修羅の炎の中に飛び込むことを意味します。毎日日付が変わるまでは帰れない、毎月締め切り前には数日の徹夜が当たり前の灼熱地獄です。
以前はマリコさんが家にいたため、かろうじて夫婦の時間を持てていました。今ではむしろマリコさんのほうが忙しく、夫は家でポツンと過ごす時間が増えました。
夫に一度も愛情を感じたことはなかったというマリコさん。それでも夫婦生活を続けられる程度には好きだったのだと自己分析します。顔を合わせていれば愛着もわきます。逆に顔を合わせることがなくなれば、気持ちは離れてしまうものだと実感しました。
「わたしにとっては、結婚生活を続ける意味はなかったんですが、離婚する理由もなかったんですね。だからそのままの生活を続けていました」
しかし、ある日夫から「別れたい」と言われます。先輩情報で本命の彼女ができたことはわかっていましたが、マリコさんは何も言わず、離婚届に判を押しました。いわゆる「妻の座」にも夫自身にも未練はありませんでした。
求人にまさかの人物が応募
離婚前に再就職していたこともあり、社内通称として元夫の姓をそのまま使用して仕事に全力投球していたマリコさん。二年後には編集長に就任。
ライターを募集して面接をすることになりました。一人の女性の履歴書が目にとまります。別れた夫と同じ、しかも大抵の人が読めない珍しい姓でした。
その女性の番が来て、マリコさんが自己紹介すると相手は驚きました。マリコさんも彼女と同じ姓だったからです。しかし、彼女の次の言葉を聞くと、驚くのはマリコさんの番でした。
これは彼女の夫の姓で、夫のルーツは東北、夫は商社で営業をしているなど、マリコさんの元夫とほぼ同じ人物像が語られたのです。
「もしかして、ご主人は丸福商事(仮)にお勤めですか?」と、ほぼ確信をもって尋ねると、相手はきょとんとして「はい」と返事。「わたし、元妻です」とマリコさん。
「今妻も元夫とうまくいっていなくて、子どもを連れて離婚するために就職したいと言っていました。そのあと、小一時間元夫の悪口で盛り上がっちゃいました。やっぱり結婚した当人でないとわからない感覚ってあるじゃないですか」
今妻は東京の有名雑誌の編集経験があり、内勤の編集者(正社員)希望でしたが、求人は外部ライターでした。それでもマリコさんは編集長権限で彼女の採用を決定。しかしなんと、彼女のほうから断られたといいます。
「元夫が反対したそうです。そりゃ元妻と今妻が一緒に働くなんて嫌ですよね。でももしかしたら、今妻も元妻の下で働くのは嫌だったのかもしれませんね」
モテっぷりは今も健在
今妻の話から、いろんな情報が伝わりました。2人の間に子どもがいること、その子の年齢から、彼女が離婚の原因となった相手だということもわかってしまったといいます。
それでも、マリコさん自身は今妻と働くことに全く抵抗はなかったそうです。むしろ、ネタ的におもしろかったので残念だとか。
マリコさんはさっそく先輩を呼び出して、この件をネタに飲んだそうです。先輩とは夫と離婚して20年近く経った今もよい飲み友達だといいます。当然男女の関係ではありません。
マリコさんは現在、社内で女性初の取締役兼編集長としてバリバリ働いています。離婚後も常に彼氏はいて、プロポーズされては別れるを繰り返しているとか。毎日が楽しく、今は結婚の必要性を感じませんが、「いつかまた結婚したくなったらするかも」50代に突入してもマリコさんのモテっぷりは健在なようです。
≪イラストレーター・コラムニスト・漫画家 陽菜ひよ子さんの他の記事をチェック!≫
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