純な片思いが「不倫」へ堕ちて…。歪んだ愛で交わる彼と私は【エリート銀行員たちの不倫事情】後編
OTONA SALONE / 2024年3月30日 19時1分
メガバンクで働くミサさん(仮名・40歳)は、十数年ぶりにかつての上司であるカナデさん(仮名・48歳)と再会します。二人で飲み、彼の家に行くことになりましたが、そこで待ち受けていたものは……衝撃の後編をご紹介します。
この記事の前編はこちら▶▶「かつての上司に、歪んだ愛を向けられて……十数年越しの片思いの末路【エリート銀行員たちの不倫事情】前編」
彼の家に招かれて 次ページ
カナデさんの家は中目黒の駅から少し離れた場所にある、大きな一軒家でした。
「玄関を開けたら犬が出迎えてくれて、それを見つめる彼の優し気な眼差しに、ドキドキしました」
広い廊下を抜けてリビングに入ると、家族写真が目に飛び込んできました。奥さんに、娘が二人。奥さんはどこかミサさんと似ていました。こんな優しくて幸せそうな男性が、どうして数々の女の人と浮き名を流すのだろう……不思議に思っていると『こちらに来てください』と、背後から声をかけられました。
「彼に手を引かれて二階へ行くと、そこには書斎がありました。インテリアからして、彼のでしょうね。そこには一台のパソコンがあって、彼はそれを立ち上げました」
彼がデスクトップにあるExcelのアイコンをクリックすると、あるグラフが開かれました。それは悪名高い、女性の名前が書かれたグラフでした。どうしてこんなもの見せるんだろう、と思っていたら、彼は『近似値だよ』と言いました。
意味が分からずぽかんとしていると、彼は補足しました。『分からない?どれだけミサさんと似ているか、マクロを組んでるんだ。ミサさんのことが好きだったけれど、同じ支店内での恋愛は禁止されているから、恋が叶わなかった。演繹的に考えると、これからも叶わない。ならミサさんと似た女性と寝れば良い。そう思ったんだ』と。
「頭が良いのか悪いのか……でも、東大卒の男性にありがちだなと思いました。どこかズレているんですよ」
開いた口が塞がらない彼女でしたが、彼の唇によって口は塞がれてしまいました。
▶結ばれる二人。彼らの末路は?
結ばれる二人。彼らの末路は?
「私に似た女性を探し続けていたなんて、本当かどうか分かりません。でも私は彼と寝たい、その気持ちに嘘はありませんでした」
デスクの椅子に座ったミサさん。そこに覆いかぶさってきた彼と、そのまま交わりました。何度も絶頂を迎えさせてくれる彼の動きと、ガラス細工を扱うような優しい手つきに、彼女は泣きそうになりました。
「なぁんだ、両想いだったんじゃん。私なんて無理だって思わずに、異動したあとすぐに声をかければ良かった。髪を撫でてくれる優しい手つきを感じながら、そんな後悔が押し寄せてきました」
今までの時間を埋め合わせるかのように、二人は夢中で求め合いました。やっと解放されたのは、深夜近く。『泊っていけば?ゲスト用の寝室もあるし』という彼に断り、タクシーを呼んで家まで帰りました。
あれから半月。今でも二人は逢瀬を重ねています。ミサさんは体形維持のためにピラティスを始めて、美容院でトリートメントをするようになり、自分に意識が行くようになりました。美意識が高くなった他にも、もう一つメリットがありました。
「子供に過剰に期待しなくなりました。意外と彼らに任せても何とかなるんですよ。今までは私が我慢していたので、子供たちにも我慢を強いてしまっていたんですよね。子離れできていないのは、実は私の方だったんです」
会えるのは隔週か、月に1回程度です。
「不倫についての論文を読みあさってみたら、婚外恋愛って半数以上は会う頻度は月に1回らしいんですよね。それくらいがいいのかも。お互い家庭がありますからね」
お互い子供が成人になって落ち着いたら『イタリアに別荘でも買って住みたいな』と話しているとのこと。
「本当にその日が来るのかわからないですけど、夢見るのは自由ですから。私と似た女性と寝てはExcelに記録していくような執念深い彼なら、もしかしたら……と思います」
十数年越しの片思いが叶う日も、そう遠くないのかもしれません。
この記事の前編はこちら▶▶「かつての上司に、歪んだ愛を向けられて……十数年越しの片思いの末路【エリート銀行員たちの不倫事情】前編」
<文/綾部まと>
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