「あそこ」のレーザー治療、痛くないってホント？ 腟の若返りと尿もれを改善する【専門医に聞きました】【専門医に聞きました】

聖順会ジュノ・ヴェスタクリニックの産婦人科医・八田真理子先生が教えてくれる正しいデリケートゾーンのケアについての【後編】です。
処方薬での改善のほか、痛くない腟・外陰レーザー治療「モナリザタッチ®」を受ける人も増えています。

 

▶この記事の前編を読む▶膣レーザーの治療は、半年～1年に1回が目安。ふっくらとした厚みとヒダが戻り、うるおいを取り戻せる。

 

腟レーザーは尿もれ改善にも効果的

じつは40歳以上の女性の約3人に1人が尿もれを経験しているといわれています。私のクリニックでも、婦人科検診やホルモン治療中の方、婦人科疾患を心配して受診された35歳以上の全ての患者さんに問診を行ったところ、26.4％に「尿もれあり」という結果となりました。尿もれを自覚していても、どこにも相談せずほったらかしにしている人が少なくないことがわかりました。

年齢を重ねるごとに排尿障害から腎機能が低下して、寝たきりになることがあります。健康寿命を延ばすためにも、尿もれは早めに対策をとったほうがいいでしょう。

 

尿道ではなく腟にレーザーをあてるモナリザタッチ®がなぜ尿もれも改善するのか不思議に感じる人がいるかもしれません。まだ、はっきりとしたメカニズムがわかっていないのですが、腟粘膜と膀胱が隣り合わせになっているため、腟にレーザーをあてることで、腟の粘膜が活性化し、血流がよくなって、腟内細菌叢も改善して尿もれ改善にも効果があると考えられます。

また、腟が委縮して外陰部がやせてくると尿道口が前に出た状態になります。そのため尿道口付近から外陰部にもレーザーをあてると、血流がよくなって外陰部がふっくらして、尿道口が奥におさまった状態に戻るので、尿もれが改善されることもあります。

 

ただし、尿もれ、頻尿、排尿障害の原因は一つではありません。生活習慣や体質も関係していますし、肥満や痩せすぎも排尿トラブルの原因になります。

「どうしてもトイレに行かないと不安」という神経質な方は過活動膀胱になりやすく、モナリザタッチ®をしたからといってすべての方の尿もれ改善ができるわけではありません。

ただ、施術を受けた患者さんの半数は尿もれが改善されているので、気になる方は一度お試しいただければと思います。

 

 

座るだけで骨盤底筋を鍛えてくれる椅子も登場

アンチェアー。聖順会ジュノ・ヴェスタクリニックでは保険適用外で20分3000円。

レーザーに抵抗がある人は、座るだけで骨盤底筋を鍛えてくれる「アンチェアー®」もおすすめです。

尿もれは骨盤底筋の機能が低下することも要因のひとつであることがわかっています。しかし、骨盤底筋を日常的に鍛えることが簡単ではありません。

アンチェアー®は服を着たまま座るだけで、高出力電磁パルスによって骨盤底筋を効果的に鍛えることができます。その運動量は、骨盤底筋体操の約1万1000倍と言われており、30分座るだけで約1万2000回の筋肉収縮が行われます。

アンチェアー®は次のような方におすすめです。

 

□尿もれで困っている

□くしゃみや運動で下着が濡れる

□産後の尿もれで困っている

□冷たい水や水の音に反応して急に強い尿意を感じる

□出産後の回復や、性生活の改善

□子宮脱など骨盤内臓脱に困っている

※体内に人工関節などの金属やペースメーカーなどが入っている方は治療を受けることができません

 

モナリザタッチ®より気軽に試すことができるので、気になる方はアンチェアー®を体験できるお近くのクリニックで体験してみてください。

 

 

教えてくれたのは

聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック

理事長・院長

八田真理子先生

1990年聖マリアンナ医科大学医学部卒業。 順天堂大学、千葉大学産婦人科、松戸市立病院産婦人科医長などを経て、98年より父の医院を継承し、聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック八田理事長・院長に。 2018年恩賜財団母子愛育会会長賞、19年健やか親子21全国大会（母子保健家族計画全国大会）において厚生労働大臣表彰を受賞。

 

 

 

 

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