恵まれた主婦だったのに不倫に溺れ…。欲望の果てに「失った」その顛末とは(前編)
OTONA SALONE / 2024年4月19日 19時0分
ジェクス ジャパン・セックスサーベイ2020によれば、浮気・不倫経験があると答えた男性は67.9%、女性は46.3%。40代女性の32.9%が「特定の人物1人と(現在も)している」と答えています。婚外恋愛は、決して遠い対岸の火事ではありません。
では、過去に不倫を経験した人たちは、その後どんな人生を歩んでいるのでしょうか。
相手との関係や自身の生活の変化について、女性たちのリアルをお伝えします。
【不倫のその後#10】前編
「恵まれている」からこそ不倫に走る既婚女性
ゆり子は39歳、コールセンターでパート勤務をしながら家では年下の夫とふたりの子どもに囲まれて、「特に大きな問題もなく過ごせている」と語っていた。夫は正社員でいわゆる「将来有望」な状態、30代半ばですでに課長の席に座っていることは聞いていた。「恵まれているわよね」と自分について口にした姿を覚えている。
そんなゆり子は、過去に2回ほど不倫を経験している。最初は同じ会社の上司と、次はマッチングアプリで知り合った相手だった。2回目の不倫相手とは半年ももたずに別れていたが、最初の相手とは2年ほど続き、その後男性の転勤で関係が終わっていた。
「恵まれている」と自覚しているからこそなのか、ゆり子は夫以外の男性と肉体関係を持つことに大きな罪悪感は持っていなかったように思う。家庭が落ち着いていることは、ストレスが少ない代わりに刺激がない。水面下でちょっとの火遊びをしても自分さえしっかりしていれば ばれることはないと、何食わぬ顔で不毛な関係に身を染める既婚者はこれまでも見てきた。
ゆり子の場合は、夫を裏切っていることへの後ろめたさは薄く、不倫相手に対しては「女でいられる」と言いながら肉体でつながる刺激に溺れていた。テンション高く逢瀬の報告をしてくるとき、仕事が優先の夫とは何年もレスでそれに文句が言えず、くすぶらせ続けた欲求不満を別の男で解放できる高揚感の高さを伝えてきた。
初めての不倫相手だったその上司は、ゆり子が採用になったときから直接仕事の指導をしてくれる立場にあった。同じ既婚であり年齢も近かったことからふたりはすぐ打ち解け、年齢の割にスタイルがよく明るい人柄のゆり子が気に入られていることは、不倫関係になる前の話からわかっていた。
この男性のことを、ゆり子は別れて1年以上経った今も忘れられずにいた。
▶別れた不倫相手を忘れられない理由
別れた不倫相手を忘れられない理由
「もったいなかったわよね」
その日は、不倫の話ではなく別の用事でゆり子と会う約束をしていた。待ち合わせた喫茶店はゆり子のお気に入りで、いつものボックス席に座って今日もゆり子は過去の相手への不満を切り出した。
「え?」
聞き返すと、ゆり子はカフェオレのカップをソーサーに戻しながら「だからさ、あんな男にお金を貢いだのがもったいなかったなって」とため息をつきながら言った。
「まだこだわってるの?気持ちはわかるけど、取り戻せるものじゃないからさ」
会うたびにとは言わないが、話すときのほとんどにゆり子は別れた不倫相手のことを話題にする。不倫していたことを知っている人がわずかしかいないからという理由はあったと思うが、繰り返される愚痴はいい加減相手をすることに疲れを感じた。
「あんたはいつもそう言うわね。そうよね、取り戻せないし、渡した私が馬鹿だったのよね」
同情してくれないとわかるとゆり子は拗ねる。元上司の男性に10万円以上の現金を渡していたことをいまだに蒸し返すのは、それを返すことなくさっさと音信不通を選んだ男性への怒りが続いているからだった。
「貸したわけじゃないし、普通は返さないわよね」
これもゆり子がいつも吐く言葉で、明確な借金ではなくあくまでも自分の好意で自主的にやっていたことだという自覚もまた、逃げた男への恨みを募らせていた。
「専業主婦の妻が作った借金の返済をしないといけない」「妻に口座を管理されていて、自由になるお金がない」
妻の尻に敷かれて惨めな自分を演出しながら、不倫相手の女性に肉体と現金を差し出させる男性の口車にまんまと乗せられたのは、誰でもないゆり子自身の選択だった。
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