話がつまらない、ホテルへ行ったらガッカリ。 男性をこきおろす彼女が「婚活をやめない」理由とは?
OTONA SALONE / 2024年5月22日 17時0分
25~44歳女性の就業率は上昇し続け、約8割が働く女性という現代。それに合わせて、女性の生涯未婚率も増加の一途を辿っています。 結婚をしたいけれど出会いがない、成婚に至らないということはなぜ起きるのか、働く女性は婚活にどのような悩みを抱えているのでしょうか。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーの伊藤友美さんのもとには、さまざまな悩みを抱える婚活女性が訪れます。
今回は、出会った男性をネタにしてこきおろしてしまう女性の婚活ストーリーを紹介します。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しております。
働く女性の婚活百景 #15
自意識過剰なミュージシャンに違和感を覚えて
K美さんは、35歳の派遣社員。
職場でもプライベートでも友人知人が多く、食事会や飲み会によく誘われるタイプの女性です。ひとり暮らし歴も10年を超え、誰にも気を使わずに済む気ままな生活が気に入っています。「このままひとりでも楽しく生きていけるだろうな」と思う反面、正社員ではないことで将来への漠然とした不安もあります。「人生をともに歩んでいけるパートナーがいてくれたら」と、マッチングアプリを活用してゆるく婚活を始めることにしました。
最初に出会ったのは、3歳下のミュージシャンの男性。あるメジャーなボーカリストのバックバンドのメンバーで、作曲も担当しているということでした。ネットショップ経営の副業も好調で、住まいは広いマンション。相当稼いでいることがうかがえます。
彼は初対面のときからK美さんに好印象を抱いたようで、数回のデートのあと、正式におつきあいをすることになりました。
普段はなかなか出会えない業界の人ということもあって、当初は彼の話に興味津々だったK美さんでしたが、そのうちになんとなく彼に対して違和感を抱くようになります。
いちばん気になったのが、自意識過剰なところ。カフェでお茶をしたり、レストランで食事をしたりしているとき、誰かがこちらにスマホを向けている気配が少しでもあると、たちまち「オレのことを撮ったのか?」と腹を立てる彼に、「人の目を気にしすぎじゃない?」と思うようになったのです。「だいたい、あなた自身は有名じゃないよね」と。
たしかに、ボーカリストはよく知られている人ですが、バックバンドのメンバーである彼のことは、K美さんは顔も名前も知りませんでした。
気になるところはほかにもありました。仕事が忙しそうな彼のために、K美さんは自分で作ったおかずを密封容器に詰めて、何度か彼の自宅に持っていきました。K美さんお手製の料理を、彼はおいしそうに口にするものの、「ありがとう」や「おいしい」などの言葉にはしてくれません。「作ってもらって当然」という態度に、K美さんは「この人は違う」と感じます。
結局、3カ月ほどで関係を解消しました。彼のことはそれほど好きだったわけではないので、未練はありません。ただ、お気に入りのガラス製の密封容器を彼の家に置いてきたことだけは悔やまれます。「けっこう高かったのに」と女子会でネタにするK美さんでした。
しつこい誘いに負けてホテルへ行ったものの…
次に出会ったのは、インスタレーション(空間全体を作品として体験を通して芸術)を手がける40代後半のアーティスト。何度か食事をしましたが、彼は口数が多いほうではなく、話をしていてもあまりおもしろくはありません。外見もK美さんの好みではありませんでしたが、「アーティストとつきあう機会なんてなかなかないし」と、おつきあいをすることにしました。
つきあい始めてからも、やはり会話は弾まず、一緒にいてもあまりおもしろくはありません。会うたびにホテルに誘われましたが、そんな気持ちにはなれなくて、K美さんはずっと断っていました。
けれど何度も断り続けるのも面倒になり、つきあって半年ほどたった頃、初めて彼の誘いに応じます。それをきっかけに気持ちが高まることはなく、むしろ「ゲンナリして」さらに気持ちが冷めたK美さんは、彼からの連絡をしばらくスルーしていました。
毎日10回近くかかってくる電話に根負けして、ようやく電話に出たのは1週間ほどたってからのことでした。
「おつきあいはできない」とK美さんが告げると、「それなら、どうしてホテルへ行ったんだ」と彼は怒りを露わにします。「あまりにもしつこかったから」とは言えず、ひたすら謝罪を繰り返して電話を切りました。
K美さんが女子会でこのエピソードを披露すると、友人たちは口を揃えて「どうしてホテルへなんて行ったの?」と彼と同じことを言ったそうです。
>> K美さんが「人生のパートナーがほしい」と切実に願うようになった、きっかけとは?
「人生のパートナーがほしい」と切実に願ったきっかけ
その後も、K美さんは何人かの男性に出会いますが、真剣におつきあいするまでには至りませんでした。
K美さんの婚活がうまくいかない理由は、本気で結婚したいと思っていないからです。婚活向けのアプリに登録すれば少なくない数の「いいね」がつくし、男性からのアプローチもそれなりにあります。K美さんにとって、婚活の目的は「自分がその気になれば結婚できるだろう」という安心材料と、女子会で披露するネタ探しになっていました。
「このままひとりで生きていくのも悪くないかもしれない」そう思い始めていたK美さんの気持ちが変わったのは、母親の病気がきっかけでした。
K美さんはひとり暮らしをしていますが、実家とは電車で1時間ほどの距離。家を出てからも予定のない週末にはよく実家に帰っています。子どもの頃から仲がいい母親は、60代になったばかりで見た目も内面も若々しく、他愛もない話をしたり、一緒に買い物に出かけたりと、昔からの友人のようにつきあっています。
そんな母親にガンが見つかったのです。幸い初期の乳がんで、治療をすれば命にかかわる心配はなさそうです。
けれど、初めて直面する親の大きな病気は、K美さんの心境に大きな変化をもたらしました。「親は、ずっといてくれるわけではないんだ」頭ではわかっていたつもりでも、実感として受け止めたのは初めてのことです。「両親がいなくなったら、私はひとりぼっちになってしまう」
K美さんは、「ともに人生を歩んでいけるパートナーがほしい」と初めて切実に願い、私のところへ相談に訪れました。
【前編】では、最初はかっこいいと思ったもののときめかず、関係を進展させることはなかったクリエイティブ職の男性たち。自分の女性としての価値を確認するためにしているような面もあったK美さんの婚活でしたが、母親にがんが見つかったことで本気モードに!
▶つづきの【後編】では、働く女性にありがちな、理想の相手に出会えない理由についてお話いただきます。__▶▶▶▶▶
『アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラーが教える
結局、理想を下げない女が選ばれる』
(伊藤友美 著 / フォレスト出版)
≪アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤友美さんの他の記事をチェック!≫
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