イケメン銀行員と「秘密の場所」で…。不倫の罠にかかった女性の末路は【エリート銀行員たちの不倫事情】後編
OTONA SALONE / 2024年5月18日 19時1分
メガバンクの営業店で課長として働く、モモさん(仮名・40歳)。部下であり高校の後輩であるハヤトさん(仮名・35歳)と、「幽霊が出る」という噂を払拭するため、夕方に金庫の見回りをすることになりました。彼女を「幽霊より人間の方が怖い」と思わせた、恐ろしい末路は……衝撃の後編をご紹介します。
一緒に見回りをするうちに、二人の仲は深まり、そして… 次ページ
一緒に見回りをするうちに、二人の仲は深まって…
毎日見回りをしていても、これといった怪奇現象はありませんでした。二週間経過して判明したことは「どうやら金庫の中にネズミがいるらしい」ということ。隅をさっと横切る姿も確認したし、キーキーという物音とも確認していました。
「ネズミがいるということは、どこかに穴が開いているわけです。金庫では由々しき事態なので、本部に調査を依頼しました。あとは本部の管轄です」
定例の次課長会でも、明日で見回りは終了することが決まりました。支店長からもお礼を言われて、業務時間が増えることを喜ぶ一方で、彼女の心にはどこか寂しさもありました。二週間、二人きりで見回りを続けるうちに、ハヤトさんとの仲が深まっていたからです。
「高校時代にサッカー選手を目指していたけどイジメで負傷した話とか、子どもにサッカーをやらせたかったけど二人とも女の子で落ち込んだとか、色々と話してくれました。私も悩みを話すうちに、彼との時間を楽しみにするようになっていったんです」
そして見回りの最終日、事件は起こりました。
金庫で、抑えきれずに… 次ページ
金庫で、抑えきれずに……
見回りをしながら、モモさんは『今日で見回りも終わりだね。今まで付き合ってくれてありがとう』とハヤトさんに言いました。どういう顔をすれば良いかわからなかったので、彼の少し先を歩き、背後にいる彼の顔を見ないまま話していました。
彼から返事が帰ってこなかったので『どうしたの?』と言おうとすると、突然、後ろから抱きしめられました。
「私は元々、器用な性格じゃないんです。もしそこに落とし穴があったら、はまって、どこまでも堕ちていくことくらい、分かっていました」
固まる彼女に『モモさん、好きです』と彼は言います『行内の噂では、偉ぶった、等身大以上を演じるような女性だと聞いていました。でも、全然そんなことありませんでした。周りから羨望の目で見られていたんだろうな、と思うくらい魅力的な人でした。噂と現実のギャップに、僕はやられてしまいました…』
彼は腕を彼女の体に回し、キスをしてきました。骨ばった大きな手が、体をまさぐります。
「そのまま、行為の直前まで行きました。さすがに最後まではしませんでした。でも、やっておけばよかったなって思うんです…」
金庫を出た後は、起きたことについて二人とも何も言いませんでした。それは金庫の秘密で、オフィスの蛍光灯にあててはいけない何かでした。
しかし、その秘密は無残にも、光の元に引きずり出されてしまうのです。
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彼女を待ち受けていた末路とは
翌朝、モモさんが出社すると、まず支店長室に呼ばれました。そして、支店長から『匿名で、こんな映像が送られてきた』と、社用スマホを見せられます。画面には、金庫で二人がキスをしたりペッティングしている姿が映し出されていました。真っ青になる彼女に、支店長は厳しい顔で続けます。
『昨晩、本部が金庫を調べたらしい。あの穴はネズミの巣じゃなくて、監視カメラが設置されていたようだ。』
彼女は息を飲みました。支店長はふっと表情をゆるめ、優しい瞳で続けました。『気の毒だけど、はめられたんだろう。君は来期に昇進することが決まっていたし、それは誰もが知っていた。銀行人事は椅子ゲームだ。椅子を狙っている者がたくさんいる』
なんと、初めからこの幽霊騒動は仕組まれたものだったのです。
ハヤトさんというイケメン部下を使って、モモさんを蹴落とすための……。
『出世の道は、もうないと思った方が良い。もしかしたら、地方に飛ばされることになるかもしれない』と支店長は言いますが、彼女の気持ちは、不思議と晴れ晴れとしていきました。彼女は田舎出身で、久々に地方でゆっくりするのもいいのかもしれないと思ったからです。
彼女の娘は中学受験を失敗して公立に行っていましたが、馴染めずに不登校になっていました。
転勤すれば、親子で心機一転できます。それに、ハヤトさんとは高校が同じだから、またきっとどこかで会えるはずだということも分かっていました。
「彼は年を取ってますます魅力を増していたので、次に会う日が楽しみです。その時には、おばあちゃんになってるかもしれないですけどね。次は監視カメラがないか確認しなきゃ」と、彼女はあっけらかんとした様子で笑っていました。
その顔は憑き物がとれたように、晴れやかでした。
<文/綾部まと>
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