栄養価もコスパも高すぎる!世界トップレベルのキウイが日本に集まってくる理由とは?
OTONA SALONE / 2024年7月16日 18時0分
キウイってどんなふうに実がなるか知っていますか?
こんなふうに、蔓(つる)になるフルーツなんです。いちご狩りやぶどう狩りの経験はあっても、なかなかキウイを収穫したことのある方はいらっしゃらないかもしれません……。私はたまたま静岡に住む祖父母が畑でキウイを育てていて、(農家ではなくあくまでも趣味の畑です)幼い頃から何度か一緒に収穫した思い出があり、祖父母が亡くなった今でもほぼ自然に毎年実ってくれるという、個人的にはすごく身近なフルーツなのですが、国産のキウイ自体それほどポピュラーではありません。
キウイを一年中食べられるのには理由があって…
日本人のほとんどがキウイといえばニュージーランド産を思い浮かべ、バナナのように一年中スーパーで手に入るフルーツ、という印象をもっているのではないでしょうか。実は国内で流通するキウイのうち、4月~12月ごろまではほぼニュージーランド産が、国産はそれ以外の1月~3月ごろのみ店頭に並んでいます。このように一年中安定して食べられる仕組みを作っているのが、キウイブラザーズでおなじみの世界的ブランド「ゼスプリ」なんです。
キウイの名産地を訪ねてニュージーランドへ
ニュージーランド産のキウイが旬を迎える今、本場のキウイの街を訪れる機会をいただき、日本で食べられるキウイがどのように育ち、届けられているのか取材してきました。
成田空港からニュージーランドの北島にあるオークランド空港まではニュージーランド航空の直行便で約10時間半。今回は19:45に出発して翌朝9:15に到着、時差も約3時間と時差ボケをほぼ感じないスケジュールでした。
オークランド空港からはバスで2時間ほどかけてキウイの産地であるベイ・オブ・プレンティ地方へ移動。街を紹介するボードにもキウイが描かれていました。海辺のおしゃれリゾートという印象です。
こちらは移動中に見つけたキウイの産地であるテ・プケという街にあった巨大なキウイのオブジェ。今回は同じくキウイの名産地、タウランガにある広大なキウイ農園を見学させてもらいました。
さすがは本場!農園のスケールが圧倒的!
本場のキウイ農園は圧巻のスケール!
今回見学させていただいた農園のオーナー、アンドレ・ロシャさんは2つの大きな果樹園を運営するキウイ農家さん。現在12ヘクタールの農地を運営していて、9ヘクタールでゴールドキウイを、3ヘクタールでグリーンキウイを育てています。
ペイ・オブ・プレンティ地方は適度な雨とたっぷりの日ざし、夏は暑くなりすぎず冬は寒くなりすぎない温暖な気候と水はけがいい土壌など、キウイの栽培に適した好条件が揃っているそう。キウイは暑さに弱いため、30℃を超える日本の夏は暑すぎるんだとか。
キウイ栽培の流れについてお話を伺うと、まず冬の間に剪定(せんてい)して古い不要な枝を切るところからスタートし、春に芽が出て花が咲いたら受粉のためミツバチを農園に入れる……と、ここで初めて知ったのがキウイにはオスの木とメスの木があり、メスの木にしか実をつけないという事実! 受粉してメスの木に実がなったら、お役御免なオスの木は伐採し、実に栄養を集めて成長することに全集中して秋の収穫を待ちます。
収穫はなんと手作業で行われています。このように専用のかごを抱っこひものように背負ってひとつひとつ採って入れていくのですが、キウイの木が約180cm弱なので中腰で作業しなければならず、なかなかにきつそうだなと感じました。
こうして収穫したキウイはすべてゼスプリに納品。品質のグレードで分けられ、トップクラスのものが日本に輸出され、残ったものがニュージーランドで国内販売されています。
なんと!日本で食べられるキウイは最高級だったんですね。
キウイ栽培において「タイミングが一番大事」だと語るロシャさん。「毎年プランを立てるのですが、毎年育ち方が違うので観察力も大切。何かひとつタイミングがずれるとすべてがずれてしまうので…。」
年によっては冬が寒くて凍りついてしまったり、豪雨や洪水など自然災害に悩まされたり。風によるダメージが厳しかった昨年に比べると今年はボリューム、クオリティともによかったそうで、日本にもたっぷり出荷されるとのことなので楽しみです!
思わず度肝を抜かれた、キウイ農家さんの暮らしと絶品料理
キウイ農家さんの暮らしが素敵すぎた!
農園からほど近いご自宅でキウイ料理をごちそうになったのですが、その素敵すぎる暮らしぶりに大興奮、そして絶品メニューを堪能させていただきました。
手前のラム肉はロシャさんが自ら庭のバーベキューグリルで焼いてくださったラムランプ肉と牛ヒレ肉。あらかじめグリーンキウイとマリネされたお肉は、キウイに含まれるタンパク質分解酵素「アクシニジン」の働きでやわらかくジューシーに仕上がっていて、さらにトッピングのキウイと一緒に食べるとお肉の消化を助けてくれるので、美味しいだけじゃない、理にかなった最高の組み合わせなんだそう。
お肉と一緒にたっぷり野菜を摂るのがニュージーランド流ということで、この日はサラダが3種類も! すべてキウイが使われていて、彩りも美しい! 右はサンゴールドとキヌアのサラダ、左はルビーレッドとパルミジャーノ&グリーンリーフのサラダ。
両方ともキウイが皮つきのままでも食べやすくカットされていて、栄養をまるごといただけるのもうれしい。ミントやフレッシュバジルなどのハーブや松の実など、アクセントになる風味や食感を楽しめる食材の組み合わせはぜひマネしたいと思いました。
ビュッフェスタイルで、ワンプレートに盛り付けてみた図。添えられている黄色いパンもクミンが効いたおしゃれな味わいでした。オーガニックのトロピカルフルーツジュースとの組み合わせが最高!
そして締めのデザートはもちろん、農園で採れたキウイをそのままハーフカットで! 右の小さなカップケーキにはセミドライのキウイがトッピングされていて、こちらも絶品でした。
こちらがご自宅。おしゃれすぎて思わず声が出てしまいました。天井が高く解放感のある広々としたリビング&ダイニングにはデッキテラスが続いていて、その先にはビーチが!
デッキにはゆったりしたソファセットがあり、目の前には見渡す限りの青い空と海が広がっています。リラックスした様子で談笑しているのは息子さんで、朝から近くのビーチでサーフィンを楽しんできたそう。右側にはお肉を焼いてくれたバーベキューグリルが。
週末は自宅に友人を招いて美味しいものを食べたりお酒を飲むのが楽しみだというロシャさん。
入口から見た外観もなんともモダンでスタイリッシュ! 日本だと大富豪の別荘級なハイグレードなお宅訪問に思わずテンションが上がりました。
>>続編では、収穫されたキウイが出荷されるまでの裏側を取材しました。>>
▶▶1個で10種の栄養素が摂れると話題!店頭に並ぶキウイの形が「驚くほど揃っている」のはなぜ?
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