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6月「小満」のころに「1年分作っておくといいもの」って?【田野岡メソッド・二十四節気のかんたん養生】

OTONA SALONE / 2024年6月9日 11時10分

こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。

私は研究開発部に属し、さまざまな商品に携わってきました。その過程で、たとえば漢方原料が土地土地で少しずつ性質を変えること、四季のうちでも変わることを知り、やがて人間の心身そのものが気候風土に大きく影響を受けていることに深い興味を持つようになりました。中医学を学び、国際薬膳調理師の資格も獲得、いまもまた新たな活動を続けています。

1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、隔週でここ熊本からメッセージをお送りします。

 

【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】6月編(下)

 

 

湿気に包まれる季節「梅雨」がそろそろ訪れます

ここ熊本でも「梅」が盛りを迎えました。最初は小さな小梅が、やがて大きな青梅が売り場に並び、すっきりとした甘い香りが漂います。梅が出回り始めるとともに、雨が続く日が増えてくる…文字通り「梅雨」ですね。

 

雨が続き、空気が湿気に包まれると、身体の中も自然界と同様に湿気が増してしまう…と中医学では考えます。身体の中では水のめぐりが滞りがちになり、自然発生的な渋滞が起きてしまう…というイメージです。むくみが気になりやすくなる季節でもありますよね。

 

この時期に旬を迎える「梅」はさまざまな働きを持っています

 

旬の梅は「生津(しょうしん/せいしん)」、うるおいを生み出す働きで身体の中に「津液(しんえき)」という透明の液体を生み出します。水のめぐりが滞ってしまうと、津液が透明のゼリーのようなイメージの痰(たん)となってしまい、身体の中でめぐりにくくなります。梅には「化痰(かたん/けたん)」という働きもあるので、すーっと流してくれます。梅雨の前に梅が出回るって、自然からのプレゼントとイメージすると嬉しくなりますね。

 

ですが、梅をはじめとするバラ科の植物は未熟な果実や核にアミグダリンという成分を持ち、経口摂取すると消化の過程で青酸を発生させてしまうため、そのままで食べることができません。だから1か月ほど氷砂糖に漬けて無毒化するんですよね。

 

1か月…。忙しい毎日の中で「1か月」という時間は、少し長いと感じてしまいますね。私は数年前から「炊飯器の保温機能」を使って一晩で梅シロップを作っています。60度の保温で、7~8時間で出来上がるので、夜11時にセットすると、朝6~7時には出来上がっています。

私は例年、青梅の時期に8㎏ほどの梅を何度かに分けてこのシロップにして、1年かけて1日1つずつ食べています。毎朝マグカップに梅の実1つ、梅シロップ・リンゴ酢・はちみつをそれぞれ大さじ1ずつ加えて、熱湯で割って飲んでいます。朝のまだ活動前の消化機能に「朝だよ」と伝えるイメージで飲んでいます。1日梅を1つ食べると健康になるとよく言いますが、梅干しは少し塩分を強く感じてしまうので…梅シロップにすると安心して梅を摂ることが出来ると考えています。旬の時期に作りたての梅の果肉をいただいたときのあの香気の高さたるや、たとえようがありません。

 

1年を通じて梅を食べていると、夏を越えて秋口に差し掛かって空気の乾燥が始まる時にも、梅の「生津・化痰」の働きのおかげか、うるおいが保たれているように感じはじめました。そういえば、以前は冬場に加湿器を使用していたのですが、ここ数年、冬場に加湿器を使わなくても過ごせるようになってきたように思います。また、リンゴ酢の効果と相まって、健康診断での私の血管年齢の数値が年々若くなっていくことには、私自身が驚いているところです。

 

このほか、甘く仕上げるお料理にこの梅の実と梅シロップを使うのもよいでしょう。たとえばいわしの甘露煮に梅をプラスするのはおすすめです。

 

6月10日は入梅ですね。次回は梅雨真っ只中にお話をさせていただきたいと思います。

 

 

お話/田野岡亮太さん

2003年、再春館製薬所に入社。化粧品の開発に10年間従事した後、再春館食品ブランド”Lashiku(ラシク)”の商品開発の担当へ。「お客様のイキイキを食からも応援したい」という想いから国際薬膳調理師を取得。「人生100年キレイ」を支える食の充実を目指して中医学を学び続けながら日々商品開発を続けている。

 

 

 

≪OTONA SALONE編集長 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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